継母強奪 私は義息に奪われた

継母強奪
私は義息に奪われた

小説:屋形宗慶

挿絵:asagiri

リアルドリーム文庫

継母強奪 私は義息に奪われた

登場人物

あめみや づき

年上の夫の後妻として結婚した新妻。三十一歳。若い頃はグラビアモデルをしていたが現在は引退。当時からアルバイトしていたコンビニエンスストアの店長、真と結婚したばかり。

雨宮 ひろ

真の前妻との息子にあたる少年。一見、明るく人懐こい性格。しかし、かつて母が浮気相手と蒸発した過去により、女性不信に陥っている。

雨宮 まこと

美月と再婚した、コンビニエンスストアのオーナー兼店長の中年男性。仕事に真面目すぎるため、あまり家庭に目が届かず、前妻には浮気相手と逃げられている。

序章 紫煙の悪夢

少年の目が、ほんの僅かに隙間を空けた襖の向こうを覗いている。

その僅かな隙間から、気温よりも生暖かく、湿った空気が流れ出して少年の鼻をくすぐる。汗と、化粧と、男女の体臭が混じり合った、嗅ぎ慣れない動物的な匂い。それは襖の向こうで行われている獣行の生々しい空気だった。

「ねぇ、まだ大丈夫でしょ? もう一回、ね?」

女が、乱れた布団の上に仰向けになった男の上に跨っていく。男も女も着衣は脱ぎ捨てており、双方とも汗ばんだ肌から湯気が立ちそうなほど上気している。

少年は床に膝をついて膝立ちになったまま、すでに数分、その場から身動きできずにいた。襖の向こうにいる女は、彼の母だ。しかし、男のほうは父ではない。母と、間男の情交。それを、少年は目撃していた。

「大丈夫じゃないだろう、そろそろ息子が帰ってくんだろ?」

「えぇ? あぁ、まだ大丈夫。いつも六時まで帰ってこないようにいってるから」

男から指摘されて、母は壁にかけられた時計に視線を送り、時間を見て男にそう返した。

確かに、普段通りであれば少年は母の言いつけ通りにどこかで時間を潰している頃だ。しかし、今日は風邪気味らしく一日体調が悪く、言いつけを破っても母のそばにいさせてほしかった。叱られるのを覚悟でしずしずと帰ってきたところで、少年はこの情交の現場に出くわしてしまったのだ。

「ね、大丈夫だから最後にもう一回だけぇ」

いつも自分には冷たく吐き捨てるような言葉しか投げかけない母が、聞いたことのない猫撫で声ですりつきながら、男の股間の物を握る。すでに数度行為を重ねたあとなのだろう。べっとりと汁にまみれた肉棒は、いささか硬さを失っているように見えた。それでもお構いなしに、母はペニスを自らの肉門に押し込んだ。

襖の隙間越しに見る、母の背中と尻。肌には玉の汗が浮かび、腰を振るほどに滴り、飛び散る。パン、パン、と規則正しく繰り返される肉の打ち合わされる音。少年は、母が父ではない男とセックスをする様を目にしながら、自らのズボンの中にあるモノがギシギシと痛むのを感じ、自然と前屈みになっていた。

「あぁぁっ、いぃッ、ンうぅぅッ」

腰を回すように尻をスイングさせ、母が悦に入った艶声を上げる。時間を追うごとに、目に見えて彼女の腰使いは激しさを増し、半ば荒々しいほどの動きで男根を貪る。

「おい、そんなに声上げてると近所に聞かれるぞ」

「いいじゃない、聞かれたって。それに、声上げながらイクのがイイんだもの」

「まったくしょうがねぇ女だな……っ!」

男は母に請われると、一言吐き捨てて彼女の尻に手を回す。母が腰を使ううちに本来の勃起力を取り戻したとおぼしき男根を、ガツンと力強く叩きつけた。早い手拍子のようなスピードで、男の腰が母の尻を突き上げる。その音は襖一枚隔てても肉のぶつかり合いどころか、ぬめって擦れ合う結合部の摩擦音までも少年の耳に届きそうなほどだった。

「ひッ、ひッ、ヒィいぃんッ!」

鼻にかかった悲鳴とも嬌声ともつかない声を上げて、母は男の首根っこにしがみつく。少年の目に映る母の女陰は赤黒く充血し、太い男根にまとわりつく陰唇は肉汁でぬらぬらと猥褻な輝きを放っていた。男が突き上げるたび、尻の穴がヒクヒクとすぼまって蠢き、まるでそこにも男根を欲しているかのように見えた。

「よし! そろそろイクぞッ! イクぞッ!」

「ああぁぁぁキテッ! ナカで出してッ! アタシも一緒にイクぅッ!」

一際声高な母の声。それにつられるように男の腰の律動がガガガッと瞬発的に加速し、最後にグンッと反るように強く突き上げて止まった。

「ひァあぁぁぁッ!! イッ、イクッ! んああぁぁッ!!」

母の背が弓なりに反る。覗き見る母がガクガクと腰をけいれんさせながら、甲高く声を上げた瞬間、少年は股間にじんわりと熱いものが広がるのを感じた。それがなんであるかわからず、失禁でもしたのかと慌てて股間を手で押さえる。

その感触は小便とは違った。自分の男根が、ビク、ビク、と大きく脈打って、得体の知れないヌルついたものを吐き出している。手で押さえたズボン、そしてパンツの内側で、ヌルつきがどんどん広がっていった。

「ふうぅ……よかったわ……」

事が済み、母は男の胸板に上気した頬を擦りつけながら、さも満足げに溜息を吐く。

「満足したろう、オレはそろそろ帰るぜ」

「ンもぅ……せっかち」

そんな母の事後の余韻に浸るような素振りに、男が突き放す。それに不満の声を上げながらも、母は身を起こして適当に身繕いをすると、煙草をくわえて火をつけた。ややあって、紫煙が部屋に満ち、鼻の奥にまとわりつくような煙草の匂いが少年の嗅覚をツンと刺激し、彼は眉をひそめた。