なまめく美人三姉妹 レオタードの誘惑

そのあとは精液と愛液にまみれたペニスを、ハンカチで優しく拭い取ってくれたのである。

もしかすると、友梨香には一途な面があるのかもしれない。

(チンポをきれいにしてくれたあと、何も言わずに部室を出ていっちゃったけど、元彼のことは吹っ切れたということなんだろうか?)

顔を合わせにくいと言えば、澪に対しても同じだった。

何せ、彼女の姉と肉体関係を結んでしまったのだから……。

体育館の入り口で小さな溜め息をついた直後、背後から自分を呼びとめる声が聞こえてきた。

「卓郎!」

「え?」

びっくりして振り返ると、そこには友梨香が微笑をたたえて佇んでいた。

「どうしたの? そんなところに突っ立ったままで」

「え、い、いや……その」

彼女が下の名前で呼んでくれたのは、入学以来、初めてのことだ。しかも呼び捨てなのだから、卓郎は誰かに聞かれなかったか焦りまくった。

周りをキョトキョトと見渡すなか、友梨香が身体をピタリとすり寄せてくる。

「家に帰ってから……オナニーした?」

「し、してませんよ」

卓郎は思わず嘘をついたものの、刺激的な初体験を思いだし、自室で二回も放出してしまったのである。

自慰行為を見透かされた卓郎は、目元を紅潮させながら小さな声で諫めた。

「こ、声がでかいですよ。誰かに聞かれたら、どうするんですか?」

「あら? 私としたこと、後悔してるの?」

「そ、そういうわけじゃないですけど……」

「だったら、いいじゃない。誰に見られても」

そう言いながら、友梨香は胸を腕に押しつけてくる。

昨日は計四回も放出しているのに、睾丸にはすでに牡の証が大量にチャージされているようだ。

ふっくらとした弾力感に、股間がズキンと疼いた。

「あ……そ、そんな」

「ふふっ、そんなにおどおどしなくても大丈夫よ。部室を出たのは私が最後だったし、みんなはもう体育館に集まっているはずだわ。あっ、そうそう。今日は、お姉ちゃんは職員会議があるらしくて、途中からの参加だからね」

意味深な笑みを目にしたとたん、卓郎は背筋に冷たい汗を滴らせた。

(いったい、どういうつもりなんだよ。ひょっとして、俺を元彼の身代わりにするつもりなんじゃ?)

部活動の最中にいちゃついていれば、嫌でも人目につく。

新体操部には男子が一人しかいないのだから、なおさらのことである。

「ねえ。今日、部活が終わったあと、お茶していかない?」

「あ、す、すみません。今日は、中学時代の友だちの家に行く約束をしてまして」

ここは回避したほうがよさそうだ。

適当な言い訳で断ると、友梨香は唇をツンと尖らせた。

「ふん、まあいいわ。この次は、じっくりとつき合ってもらうから」

「え? あの、どういう意味……」

昨日の痴態が脳裏をよぎり、ジャージの下でペニスがムクリと頭を起こす。

「ふふっ、それは次回のお楽しみ。さ、早く行こう」

すっかり友梨香のペースに巻きこまれた卓郎は、彼女の背後に隠れるようにしながら体育館に足を踏み入れた。

「はいっ! 本日の練習は終了よ。新入部員は、用具を片づけてちょうだい」

杏奈の号令が響き渡ると、卓郎はあまりの疲労感から深い溜め息をこぼした。

(友梨香先輩……困ったな)

他の女子部員たちの目があるため、あからさまな態度こそとらなかったものの、友梨香の対応はこれまでとは打って変わり、杏奈がやって来るまで、そばにべったりと張りついていた。

マンツーマンで新体操の基本演技を指導してくれるまではよかったが、とにかくボディタッチがやたら多く、部員たちの隙をついては、股間の膨らみに手を伸ばしてきたのである。

そのたびに卓郎は、腰を折り曲げて滑稽な姿を晒した。

楽しそうに笑っていた友梨香の心の内が、今でも理解できない。

からかっているだけなのか、それとも別の企みがあるのか。

いずれにしても卓郎は、自分が元彼を忘れるための身代わりだということは十分承知していた。

(澪ちゃんだけは、最初から悲しそうな視線を向けていたよな)

友梨香と身体が触れあうたびに、美少女の機嫌はすこぶる悪くなっていった。

新体操用の軽量マットを片づけ、館内の隅にある倉庫室に向かう。

前を歩く女子部員たちの中に澪の姿を見つけた卓郎は、気まずそうに顔を歪めた。

(どうにも……話しかけづらいな)

考えてみたら、今日は会話らしい会話を交わしていない。

歩く速度を落とし、澪との距離をとった卓郎は、かなり遅れて倉庫室に入っていった。

「お疲れさま」

「え? あ、お疲れさま」

ぐずぐずしているあいだに、他の新入部員たちは用具を片づけ終えたのか、早くも室内から出てくる。

奥へと歩いていった卓郎は、そこで待ち受けていた美少女の姿にドキリとした。

真剣な表情と眼差しは、明らかに何かを言いたそうだ。

「や、やあ」

声をかけた卓郎は、マットを壁に立てかけ、愛想笑いを浮かべながら振り向いた。

今日ばかりは、刺激的なレオタード姿も視界に入らない。

「……卓郎君」

「な、何?」

「友梨香お姉ちゃんのことが好きなの?」

唐突に核心をつかれ、卓郎は浮き足立った。

(や、やっぱり気づいていたんだ)

美少女は不安そうな顔つきをしたあと、じっと見据えてくる。

(逆に……再告白のチャンスかも)

意を決した卓郎は、やや緊張の面持ちで口を開いた。