(む、剥いて、おチンチンの皮を剥いて!)
心の叫びが届いたのか、美少女は指先に力を込め、包皮をゆったりと剥き下ろした。
「あ、ああぁぁぁぁぁっ!」
快楽の嵐が怒濤のように吹き荒れ、男根がビクビクといななく。
奥歯を噛みしめ、何とか射精感をやりすごした卓郎は、涙目で懇願した。
「澪ちゃんのも……見たいよ」
「……だめっ」
「だって、俺のはしっかり見てるんだから」
「自分から見せたんでしょ?」
「そ、そんな」
ツンと唇を尖らせる仕草に、牡の本能が揺り動かされる。
「それに、もう時間がないの。友だちと、正門前で待ち合わせをしてるから」
「そ、それじゃ、どうしたら? 途中で中断されるのって、男にとってはすごくつらいことなんだよ」
その問いかけには答えず、澪はペニスから指をそっと離した。
「今度の土曜日、私の家に遊びにこない?」
「え?」
「パパとママは旅行だし、お姉ちゃんたちは買い物に行くから……」
「澪ちゃんは、お姉さんたちといっしょに行かないの?」
「その予定だったけど……体調が悪いって断る」
「ほ、本当!?」
「明日の部活前に、携帯の連絡先を教えて。住所はメールで送るから」
美少女は言いながら、恥じらうように視線を逸らした。
(澪ちゃんの部屋で……二人っきり!?)
それが何を意味するかは、鈍感な卓郎にもはっきりとわかる。
思いがけない誘いにコクコクと頷くと、澪は顔を真っ赤にして倉庫から出ていった。
3
(や、やったあっ!)
卓郎は拳を握りしめ、ペニスを剥きだしにさせたまま、ガッツポーズで喜びを露わにした。
まさか、しょっぱなから密室デートに持ちこめるとは夢にも思わなかった。
(土曜日まで、あと四日かぁ。オナニーは封印しないと)
精通を迎えてから、四日間のインターバルを空けたことは一度もない。
それでも麗しの美少女との初体験が待っているのなら、我慢のしがいがあるというものだ。
思わずほくそ笑んだものの、澪にさんざんもてあそばれたペニスは、まったく収まりがつかなかった。
中断された状態で、しかも射精寸前のまま禁欲生活に入るのは、あまりにもつらすぎる。
しなる怒張を握りこんだ卓郎は、息せき切って上下にしごきたてた。
(あ、ああっ、き、気持ちいい)
もはや、トイレに向かう余裕もない。
澪のレオタード姿を思いだしながら、徐々に右手のスピードを上げていく。
先走りの液が飛び散り、張りつめた亀頭がジーンと疼いた。
(で、出そうっ)
性感が瞬時にしてレッドゾーンへと飛びこみ、快楽の大波が打ち寄せる。
「あ……くっ!」
絶頂への扉を開け放つまで、あと数秒。ところが卓郎が腰をブルッと震わせた直後、背後からハスキーがかった声が聞こえてきた。
「ちょっと、何をやってるの?」
「ひっ!?」
背筋に悪寒が走り、顔から血の気が失せていく。
こわごわと振り向くと、ジャージ姿の杏奈が腰に両手をあて、呆れた表情で佇んでいた。
「あ、杏奈先生……どうして?」
「後片づけと戸締まりの確認をしに来たの。部員たちが帰ったあとは、いつもやっていることよ」
この時間帯なら、誰も倉庫室にはやって来ないと思っていた。
目撃された相手が杏奈だったことは、不幸中の幸いだったのかもしれない。
「こんな場所でオナニーしてるなんて、いったいどういうつもり?」
「……あっ」
女教師は重い鉄の引き戸を閉めたあと、大股で近づき、ジャージを引きあげようとする卓郎の手を制した。
「そう、そんなに溜まってるの」
「あ、いや……これは」
もちろん、つい先ほどまで澪と乳繰り合っていたとは言えない。
焦る卓郎の前で、杏奈は白いジャージのジッパーをゆっくりと下ろしていった。
「そうよね。講師室のときから、もう一週間近く経ってるんだもの。溜まっていて、当然よね」
上着を脱ぎ捨て、今度は下のジャージに手を添える。
レオタード姿になろうとしている杏奈を、卓郎は唖然とした表情で見つめていた。
山脈のように突きでたバスト、厚みのある腰回り、むっちむちの太腿。
相変わらずの、ど迫力ボディだ。
「何やってるの。あなたも脱ぐのよ」
「へ?」
「へじゃないわ。出したいんでしょ? その獣じみた欲望を、他の女子部員たちに向けられたら困るしね」
やや萎えかけていたペニスが、再び天に向かって反り勃っていった。
どうやら杏奈は、また淫らな行為で性欲を発散させてくれるようだ。
(きょ、今日は、いったい何をしてくれるんだよぉ)
澪と互いの気持ちを確認し合ったあとにもかかわらず、期待感が夏空の雲のように膨らんでいく。
普通の状態なら、はっきりと拒絶できたかもしれない。
だが憧れの美少女にさんざんペニスをまさぐられ、自慰行為では射精寸前まで達していたのである。
滾る牡の欲情が、澪の面影を徐々に消し去っていった。
「焦れったいわね。出したくないの?」
「だ、だ、出したいです」
我に返った卓郎は、膝にとどまっていたジャージとパンツを慌てて引き下ろした。
(澪ちゃん、ごめん!)
スポーツシューズを放り投げるように脱ぎ捨て、紺色の布地を足首から抜き取る。
「面倒だから、上も脱いじゃいなさい」
「……あっ」
上着に続いてTシャツを頭から剥ぎ取られ、卓郎は一糸まとわぬ全裸になった。
股間の肉槍は隆々とそびえ立ち、自身の顔を突き刺すような角度で反り返っている。