どろりとした白濁が、唇のあわいから滴り落ちてくる。
自分でも驚愕するほど、おびただしい量のザーメンだ。
「なんか……変な味」
「ごめんね。我慢できなくて……」
「ううん、いいの。卓郎君の、いっぱい出させてあげたかったから」
なんと、いじらしいことを言うのだろう。
熱い感動を覚えた卓郎は、麗しの美少女を力いっぱい抱きしめようとした。
「……澪ちゃん。好きだよ」
「あぁン。ちょっと待って」
澪は精液をたっぷりと含んだティッシュを丸め、ベッドから身を乗りだし、ゴミ箱へと放り投げる。そして真正面に向きなおると、自ら胸に飛びこんできた。
もはや、残された行為は愛の営みしかない。
卓郎は澪をベッドに押し倒し、口元に軽いキスを見舞った。
「澪ちゃんがほしい」
「あの……すぐにできるものなの?」
股間の肉槍は放出したばかりにもかかわらず、相変わらずの怒張ぶりを誇っている。
「大丈夫。昂奮しすぎて、一回出したぐらいじゃ収まらないみたい。もうビンビンだよっ!」
自信たっぷりに言い放つと、澪は右手を股間にそっと伸ばしてきた。
勃起の量感を確かめるように、ふっくらとした指先で亀頭や肉胴をいじりまわす。
「あ……うっ」
「……ホントだ、まだ硬いまま。こんなに大きいの、入るかな。私……初めてだから」
少女は瞳にやや不安の色を宿らせるも、精いっぱいの微笑を浮かべた。
喜悦が内から込みあげ、全身に力が漲る。
澪は、やはりバージンだったのだ。
「う、うれしいよ。初めてを、俺にくれるなんて。優しくするから、怖がらないで」
卓郎は満を持して、脚線美のあいだに腰を潜りこませた。
相手が処女なら、自分がリードしなければならない。
自信などまるでなかったが、もちろんここで中断するわけにはいかなかった。
肉棒を右手で握りこみ、いまだ濡れそぼつ恥裂に押しあてる。
(正常位だと、膣の入り口がわかりづらいな)
卓郎は勃起を上下にすべらせ、一段とへこんだ窪みを探り当てた。
澪は目を閉じ、唇を真一文字に結んでいる。
恐怖心に見舞われているのか、全身の筋肉がガチガチに強ばっていた。
「い、入れるよ」
「……うん」
腰を前に突き進めると、ヌルリとした感触が先端に走り抜け、左右に開いた肉びらと、しっぽりと濡れた熱い粘膜が亀頭を咥えこんだ。
(ああ、ヌルヌルしてて……気持ちがいい)
恥割れは、十分な愛液で潤っている。
それでも膣口は狭く、なかなか男根を受けいれてくれない。
痛みを感じるのか、澪はまたもや眉間に縦皺を刻んでいる。
「澪ちゃん……身体の力を抜いて」
少女が指示どおりに脱力した瞬間、宝冠部はスルリと膣の入り口をくぐり抜けた。
「あ……ンっ」
上体が仰け反り、小さな喘ぎ声が耳朶を打つ。
「だ、大丈夫? 痛くない?」
「う……うん、大丈夫」
卓郎は、ホッと安堵の胸を撫で下ろした。
初体験から疼痛を感じることなく、快感すら覚えたという女の子の告白を、雑誌の記事で読んだことがある。
もしかすると、澪も同じタイプなのかもしれない。
(で、でも、杏奈先生や友梨香先輩と比べると、やっぱり狭いや)
生温かい媚肉が、男根をギュンギュンと締めつけてくる。
(一度出してなければ、この時点で射精していたかも)
卓郎は気合いを入れなおし、臀部の筋肉を盛りあがらせた。
慎重に腰を進めていくごとに、柔肉が亀頭にぴったりと吸いついてくる。
(ああっ。このまま澪ちゃんと、ひとつになれるんだ!)
一気に根元まで埋めこもうとした刹那、澪は口元を引き攣らせ、眉を切なそうにたわめた。
「い……痛い」
「え?」
「い、痛いの」
下腹部に、再び力が込められる。
ハッとした卓郎は、ペニスの行く手を阻む壁のような存在を確かに感じた。
(これが、処女膜? ど、どうしよう。すごく痛そうだぞ。かと言って、ここでやめていたら、いつまで経っても本当の恋人同士にはなれないし)
少女の長い睫毛が、早くも涙で濡れている。
「やめたほうがいい?」
いたいけな姿に罪悪感を覚えた卓郎が問いかけると、澪は気丈にも首を横に振った。
「いいの……そのまま来て。私の初めて、卓郎君にあげたいの」
なんと、うれしい言葉をかけてくれるのだろう。
この子のためなら、何でもしてあげたい。
それこそ死ねると、このときの卓郎は本気で思った。
「じゃ、ゆっくりと入れるからね」
澪はコクリと頷き、赤子のように腕をギュッと掴んでくる。
猛烈な庇護欲を掻きたてられた卓郎は、黒髪を指で梳いたあと、じりじりっと怒張を邁進させていった。
少女は、瞼の縁から大粒の涙を溢れさせる。
白い前歯で下唇をキュッと噛みしめ、太腿の内側で卓郎の胴体を挟みこむ。
やはりかなりの痛みを感じているのか、息をずっと止めているようだ。
ぬっくりとした肉襞の感触がペニス全体を包みこむと、卓郎は恐るおそる股ぐらを覗きこんだ。
(やった……ついに澪ちゃんと繋がったんだ)
男の肉は、根元まで膣内にずっぽりとはまっていた。
達成感が込みあげると同時に、全身から緊張を解き放つ。
ひと息ついた卓郎は、しばし一体感を味わいつつ、朗らかな表情で憧れの美少女を見下ろした。
澪は顔を背け、石のようにピクリとも動かない。
「い、痛くない? 大丈夫?」
いたわりの言葉を投げかけると、真正面を向き、ようやくうっすらと目を開けた。