幼馴染みと学園のアイドル 女子高生たちの恥じらいの放課後

幼馴染みと学園のアイドル
女子高生たちの恥じらいの放課後

小説:早瀬真人

挿絵:翔丸

リアルドリーム文庫

幼馴染みと学園のアイドル 女子高生たちの恥じらいの放課後

登場人物

かみ よしひこ

少し気弱で鈍感な、藤美学園に通う二年生の童貞少年。夏美の幼馴染みで、現在は君江が管理するアパートで一人暮らしをしている。

がわ なつ

芳彦と幼馴染みの、勝ち気で明るい十七歳。芳彦に恋心を抱いているが、負けず嫌いの性格から、素直になれないでいる。バスト八十九センチの豊満な身体を持つ。

いながき

芳彦が所属する美術部の一年先輩。清楚で学園のマドンナとも称される十八歳。サラサラの黒髪が似合うお嬢様。一見優等生タイプの物静かな少女だが……。

むらぐち きみ

芳彦が住むアパートの大家であり、藤美学園の非常勤保健師でもある二十七歳。夏美の叔母。グラマラスボディを持つ人妻。

第一章 淫乱若奥様の童貞狩り

近所の家から、夕餉どきの楽しそうな一家団欒の声が聞こえてくる。

海の家での長期バイトを終えたかみよしひこは、やや大きめのボストンバッグを片手に、駅からの道のりを一人とぼとぼ歩いていた。

芳彦は十七歳、ふじ学園に通う高校二年生で、今は父親の仕事の都合のため、藤美市にあるアパートで一人暮らしをしている。

藤美市は山が連なる駅の東側が風情豊かな温泉地区、海のある西側は近年宅地開発が進み、きれいな街並へと変わっており、若者からお年寄りまで、夏も冬も訪れる旅行客たちが途切れない小さな観光都市だった。

芳彦にとっては、約ひと月ぶりの風光明媚な街並だったが、自宅アパートに辿り着いた彼の目には、周りの景色など何ひとつ映っていなかった。

「な、何だよ、これ。いったい何が起こったんだ?」

アパートのブロック塀の一角が崩れ落ち、そこから自分の住んでいる部屋が丸見えの状態で、建物の外壁にはブルーのシートが掛けられている。

泡を食いながら表玄関へ向かい、門扉を開けると、芳彦の帰宅を待ち構えていたかのように母屋から大家のむらぐちきみが飛び出してきた。

「芳彦君!」

「あ、君江さん」

君江は今年二十七歳になる人妻で、大家をする傍ら、週二日だけ藤美学園に勤める非常勤保健師でもある。

今日の君江は、両肩を丸出しにした薄い桃色のチュニックと、膝上のモスグリーンのスカートを穿いている。

身長は百六十六センチと聞いてはいたが、バストもヒップも、ゆうに九十五センチはあろうかと思えるほどの超グラマラスな肉体を誇っている。

男子生徒はもちろん、気さくな性格は女生徒からの人気も高く、成熟した大人の女性の魅力を全身から発散させていたが、今の芳彦にとってはそれどころではなかった。

「いったい何があったんですか?」

裏返った声で問いかけると、君江は思い出したように眉尻を吊り上げる。

「今日の昼過ぎにトラックが突っ込んできたのよ。ブロック塀だけならまだしも、アパートまで壊しちゃうなんて。どうやら居眠り運転だったらしいわ。ほんとに頭にきちゃう!」

「そ、そんな」

「運送会社の社長たちや警察が来て、大変だったんだから。芳彦君の上の部屋の学生さんは帰省してて、九月末まで帰ってこないらしいから、それだけは不幸中の幸いだったけど」

事情を聞いても、ただ唖然とするばかり。

風になびくシーツの隙間から中を覗き込んだ芳彦は、壁がぽっかりと空いた自分の部屋を見て口元を引き攣らせた。

「悪いと思ったんだけど、さっきマスターキーを使って、部屋の中を確認したの。被害状況は窓のある壁だけだったけど、本棚とかは倒れてて、この状態じゃしばらくは住めそうにないわね」

君江の話を聞きながら、まだショックが癒えないのか、芳彦はただ呆然と立ち尽くすばかりだ。

「修理するのに、二週間ぐらいはかかるらしいわ。運送会社はホテル代も出すって言ってたけど、芳彦君、姉さんの家に泊まったらどうかしら?」

「えっ。なつのところですか?」

「そうよ。さっきお姉さんのところに電話したら、そうしたほうがいいって」

芳彦は君江の言葉を受け、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をした。

がわ夏美は芳彦の幼馴染みで、このアパートに引っ越してくるまではとなりの家に住んでいたのだ。

夏美の母親である百合子は君江の実姉であり、その伝手でこのアパートを紹介してもらったのである。

(確かに子供の頃から姉弟みたいに仲は良かったけど、短期間のこととはいえ、まさか夏美の家に住むことになるなんて)

「夏美ちゃんが、あなたの携帯に連絡しておくって言ってたんだけど、聞いてないかしら?」

「それが……電車に乗っているときに、携帯のバッテリーがちょうど切れちゃって。それで通じなかったんだと思います」

芳彦がか細い声で答えると、君江は突然優しい顔つきへと変わった。

「とにかく今日は遅いから、うちに泊まりなさい。旦那は出張でいないから」

「えっ? いいんですか?」

「いいわよ。お姉さんの所も、今日はいろいろと準備があるみたいだし。私の家は部屋も余ってるんだから」

「す、すいません。それじゃお言葉に甘えまして」

「夕飯だってまだでしょ? 遠慮しなくていいんだからね。とりあえず、身の回りの用意をしがてら、中の様子を見てみる?」