幼馴染みと学園のアイドル 女子高生たちの恥じらいの放課後

昨日は禁欲するつもりが、君江相手に二度も射精してしまった。もったいなかったという本音はあるものの、かえってよかったのかもしれない。

気持ちがすっきりしていることはもちろんのこと、女性の身体を存分に探求でき、さらにセックスの経験を積むことができたのである。

それでも、もし莉奈と淫らな雰囲気になったら、余裕を持って対処することができるだろうか。

「はは。僕、何を考えてるんだろう。そんな展開になるかどうかもわからないのに、今から気負っててもしょうがないよな」

芳彦が思わず苦笑しながら上半身を起こすと、引き戸の向こうから夏美の声が響いた。

「芳彦いる?」

「え? う、うん」

「あのさ、藤美神社でやってる縁日、一緒に行かない?」

芳彦はポカンとしたあと、そんなイベントが毎年この時期に行なわれていることを思い出した。

(そうか。そういえば、子供のときは毎年のように行ってたっけ。ここ何年かはご無沙汰だったけど)

気分転換には、ちょうどいいかもしれない。

「どうなの?」

「うん……」

いいよと言いかけたとたん、芳彦は莉奈との約束を思い出した。

(今は……十一時半過ぎか。莉奈先輩との約束の時間まで、あと二時間ちょっと。困ったな、どうしよう)

芳彦が逡巡していると、扉の向こうの夏美の声がやや甲高さを帯びてくる。

「ドア開けていい?」

「い、いいよ」

扉が開けられると、芳彦は呆気に取られた顔つきをした。

夏美は最初から行く気満々だったのか、すでに浴衣へと着替えていたのである。

真っ白な布地に花柄模様があしらわれ、優美かつ清廉な印象を与えてくる。

夏美はセミロングの髪をアップにまとめていたが、その容貌を見た芳彦は、再び唖然とした表情を浮かべた。

(ええっ? な、夏美が化粧をしてる! ピンクの口紅まで塗って、唇がツヤツヤしてるぞ)

男勝りの夏美はふだんからがさつで、もちろん化粧をした姿など一度も見たことがない。薄化粧ではあったが、幼馴染みのあまりの変貌ぶりに、芳彦はただ唖然とするばかりだった。

夏美はやや照れているのか、恥ずかしそうに目を伏せている。

(それで、なかなか扉を開けようとしなかったのか。な、なんだか、今日の夏美はかなりかわいいぞ)

「ねえ、一緒に行こうよ」

上目遣いに、チラリと視線を向けてくる仕草も愛くるしい。

(ああ、どうしよう。こんなにきれいに着飾っているんだから、完全に僕と行く気なんだよな。断るのは、なんだかかわいそうだし。あぁ、なんでもっと早く言ってくれないんだよ!)

人の都合を考えない夏美のやり方には、いつも閉口してしまう。

「あ、あの……今日は午後から用事があるんだけど」

申し訳なさそうに告げると、夏美の眉がピクリと震えた。

「用事って何?」

「と、友達と約束してて」

「断れないの?」

「う、うん」

夏美の顔が徐々に険しくなっていき、頬がプクッと膨らんでいく。

(や、やばいな。怒らせたら、またやっかいなことになるぞ)

芳彦は間髪を容れず、妥協案を投げかけた。

「でも友達との約束の時間は二時だから、それまでなら」

「そう。じゃ二時間は遊べるわね」

現金にも、夏美はニッコリと笑顔を見せる。そして芳彦の腕を取ると、強引に部屋から連れ出した。

(やれやれ。ホントにわがままな性格だよな)

苦笑いを浮かべたあと、夏美の髪から甘いシャンプーの香りが漂ってくる。その匂いを嗅いだ瞬間、芳彦はなぜか胸をキュンとときめかせていた。

藤美神社は藤美町の東側、山の麓にある。

日曜日の昼間ということもあり、石畳の広い一本道は、山の中腹に位置する温泉に向かう観光客と、縁日に向かう人々で大変な賑わいを見せていた。

「あ、あの……夏美」

「何よ」

夏美はべったりと張りつき、腕を組んで離さない。

(クラスメートに出会ったりしたら、またからかわれるぞ)

家を出てからはずっとこの調子で、いつ知り合いに見られるのではないかと、芳彦は気が気でなかった。

「この腕、どうにかしてくれない?」

困惑げに言い放つと、夏美が謎めいた微笑を浮かべる。

「ふふ。恥ずかしいの?」

「べ、別に恥ずかしくなんかないけどさ」

「じゃ、いいじゃん。子供の頃は、いつもひっついてきてたでしょ?」

(ひっついてたのは、夏美のほうでしょ。しかも、苛めることが目的だったんじゃないか)

どうも今日の夏美はテンションが高く、芳彦の言うことなど、聞く耳をもたないようだ。

まるで子供のようにはしゃぎながら、さらに身体を密着させてくる。

腕にプニッとした感触が走ると、芳彦は心臓をドキリとさせた。

(えっ? 夏美の奴、ノーブラ?)

チラリと目線を横に向けると、胸元の合わせ目が広がっており、生白い肌と胸の谷間が覗き見える。

(や、やっぱり大きいや。ブラジャーは着けてないみたいだけど……あぁぁぁ。ち、乳首が?)

それは一瞬の出来事だったが、確かにほんのりと桜色の乳頭が見えた気がする。乳房の輪郭もふっくらとした丸みを帯びていたが、肉感的という点ではスリム体型の莉奈では足下にも及ばなかった。

しかも今日の夏美は浴衣を着ているせいか、妙に淑やかな仕草を見せ、うっすらとした化粧は、まごうかたなき美少女ぶりを発揮しているのだから堪らない。

ふくよかなバストの膨らみは、相変わらず腕に押しつけられており、芳彦は自然と股間を疼かせ、ペニスをみるみるうちに屹立させていった。