幼馴染みと学園のアイドル 女子高生たちの恥じらいの放課後

「は、はい」

君江はそう言いながら、マスターキーで芳彦の部屋の扉を開ける。中を覗き込んだ芳彦は、苦虫を噛み潰したような顔をした。

「ああ、ひどい」

大きな窓ガラスがあった奥の壁はぽっかりと空き、壁にもひび割れができている。室内もトラック衝突時の衝撃のためか、棚が倒れ、床にはあたり一面に本が散乱していた。

「ひどいわね、ホントに。ちゃんと賠償金は取ってあげるから、何か壊れたものでもあったら、リストを作っておいて。それが中古の品物なら、全部新品に取り替えさせるから」

「はい、わかりました」

大家の君江に言われると、何とも心強い。

気を取り直した芳彦は、室内に足を踏み入れ、クローゼットの前へと歩み進んだ。

「学校の勉強道具は、明日でいいんじゃない? 今日のところはタオルと下着だけでいいと思うわ。忘れ物は、またあとから取りにくればいいんだし」

「そうですね」

芳彦は手にしていたボストンバッグを床に下ろすと、部屋の隅に置いてあったデイバッグを持ち出し、新しい下着やタオルなどを詰め込んでいった。

(あ、あとは歯ブラシが必要だな)

そう考えながら、芳彦は足元に転がる一枚のCDに目を留めた。

(これは……夏美にずっと借りてたものだ。いつも忘れちゃって、まだ返してなかったんだっけ。これも入れておこう)

芳彦は携帯用の歯ブラシセットとCDをバッグに入れると、入り口に向かった。

「大丈夫?」

「はい」

「じゃ、行きましょうか」

外に出ると、君江は再び玄関の鍵をかけ、アパートと同じ敷地内にある母屋へと戻っていく。その後に続きながら、芳彦はようやく安堵の吐息をついた。

とりあえず、今日のところは泊まる場所を確保できたようだ。

疲れている上に、この時間帯から駅前のホテルや友人の家をあたるのでは気が滅入ってしまう。

(まあ、仕方ないか。もう起こってしまったことは、しょうがないもんな)

気持ちを切り替えたとたん、急にお腹が減ってくる。それと同時に、前を歩く君江の姿が瞳に飛び込んできた。

(あぁ、すごいお尻だ! スカートの布地が張り裂けそうなほどユッサユッサ揺れてて、今にもこぼれ落ちてきそうだよ)

初心な少年の視線を知ってか知らずか、君江は豊満なヒップを小刻みに振りながら歩いている。

アパートの事故のことなど一瞬忘れ、芳彦は目を血走らせながら、ペニスをジンジンと疼かせていた。

母屋は一階建てで、昔ながらの日本家屋の造りだった。

玄関口の木造りの引き戸を開けると、黒光りした廊下が見て取れる。ゆうに築五十年以上は経っているだろうか。

君江の夫が親から引き継いだものらしいが、かなり年季の入った建物だった。

上がりがまちに上がると、斜め前方にリビングらしきものが見える。君江はそのリビングへと芳彦を招き入れた。

「あなたの部屋はこの居間のとなりだから、荷物を置いてらっしゃい」

「はい」

君江は先だって歩を進め、リビングに通じる襖を開ける。

そこは四畳半の畳部屋で、茶箪笥が置かれているだけの殺風景な部屋だった。廊下側にも障子張りの引き戸があり、ふだんは客間として使用しているのかもしれない。

「お風呂も沸いているから。先に入るでしょ?」

「え? ええ、はい」

慌てて振り返り、君江の問いかけに答えるも、芳彦は彼女のしっとりと濡れた瞳にドキリとした。

(今日の君江さん、どうしたんだろう? なんか凄く色っぽく見えるんだけど、僕の気のせいかな)

このひと月間、泊まり込みのバイトに明け暮れ、悶々とした日々を過ごしてきただけに、性的欲求も溜まりに溜まっている。

芳彦は君江の全身から放たれる色香に、すでに惑わされているような状況だった。

「それじゃ、食事の用意はしておくから、お風呂に入っててくれる? 上は浴衣を着ればいいわね。あとで脱衣場に置いておくわ」

「何から何まですみません」

「いいのよ。そんなにしゃちほこばらないで。お風呂はこの廊下の一番端にあるから。ゆっくり入ってらっしゃい」

芳彦は君江の身体から視線を外し、ペコリと頭を下げたあと、バッグを片手にすぐさま風呂場へと向かった。

もちろん、風呂場の位置はよく知っている。

半年前、バイト先の酒屋から帰宅したとき、芳彦は家賃を払いに母屋を訪れたのだが、浴室の微かに開かれた窓の隙間から、偶然君江が入浴している姿を目撃してしまったのである。

いけないと思いながらも、芳彦は恐るおそる窓へと歩み進んだ。

君江はやや半身の体勢を取り、桶の中のお湯を身体にかけているところだったが、その豊満な肉体美は今でも瞼の裏に焼きついている。

やや桜色に上気した肌も艶かしかったが、なんと言ってもはち切れそうな乳房とヒップの弾力には、思わず息を呑んだものだ。

まるで二つのハンドボールを胸に抱えているような乳房、そして円のような急カーブを描くヒップの膨らみ。蕩けそうなきめの細かい柔肌がお湯の雫に濡れ、照明を反射してキラキラと輝いていた。

これほどのグラマラスな肉体に、芳彦は一度もお目にかかったことはなく、成熟度という点では、さすがに同年代の女の子とは比較にならない。

君江の素晴らしさはただ肉感的なばかりではなく、肌にも張りがあって、瑞々しさも保っていることだった。