莉奈のぱっちりとした瞳が、みるみるうちに見開かれていく。
「ああ」
為す術もなく、芳彦はただ呆然と股間を見下ろした。
萎靡状態だったペニスには硬い芯が入り、稲光を走らせたような静脈がくっきりと浮き出ている。亀頭はパンパンに張り詰め、まるで自分の顔が映りそうな照りを見せていた。
「すごい……コチコチ」
莉奈は頬をやや上気させながら、瞬きもせずに異形の物体を凝視している。そして我に返ったように、スケッチブックへと鉛筆を走らせていった。
(ぼ、僕の勃起したおチンチンを描いているんだ。恥ずかしいよぉ)
深奥部から込み上げる羞恥心が、若茎の膨張に拍車をかけていく。しかも先端からは先走りの液が滲み出し、それは小さな玉粒のように膨らんでいった。
莉奈の手が止まり、訝しげな表情を見せる。
「これって……精液?」
「い、いえ。なんと言ったらいいのか、あ、そうだ、カウパー氏腺液です」
「これが、カウパー氏腺液」
どこで知識を仕入れたのか、莉奈は納得したように頷いたあと、さらに言葉を連ねた。
「ねえ。ちょっとだけ……触ってもいい?」
「え? ええ!?」
「どうしても……触感を確かめておきたいの」
困惑げな顔を見せながらも、芳彦の心臓の鼓動は早鐘を打っていた。
学園のマドンナである美少女に、恥部を指でいじられる。そのシチュエーションを何度思い浮かべたことだろう。
(触ってもらえる。莉奈先輩に、僕のおチンチンを触ってもらえるんだ!)
肉筒がビンビンとしなり、芳彦は逸る気持ちを抑えながらコクリと頷いた。
莉奈がこわごわと手を伸ばす。柔らかい人差し指が裏茎をキュッと押し上げる。
先走りの液が鈴口から肉胴に滴ってくると、莉奈はそれを指腹で掬い、不思議そうな顔で粘着力を確かめていた。
莉奈が再びペニスを弄り出すと、凄まじい快感が下腹部を覆い尽くしていく。
(あぁ、莉奈先輩の指、まるでマシュマロみたいにプニプニしてて気持ちいい)
芳彦は知らず知らずのうちに、「はぁはぁ」と、荒い吐息を盛んに放っていた。
「鉄のように硬い。それにすごく熱いわ。やっぱり血が通ってるね、ドクドクいってるもの」
バラの蕾のような人差し指と親指が亀頭を、そして肉胴をキュッと押し掴む。麗しの美少女が首をやや傾げ、上目遣いで様子を探ってくる。その視線がさらなる刺激を与え、芳彦は早くもペニスをしゃくりあげさせた。
「あ、あ。だめっ」
堪えようにも堪えられない、欲望の濁流が腰部の奥から突き上げてくる。
芳彦は唇をわななかせ、亀頭の先端から白い樹液を跳ね上げるように放出させた。
「きゃっ」
小さな悲鳴をあげた莉奈が、ガタガタと音を立てながら椅子ごと後方に退く。芳彦の吐精はそれでも終わらず、二発、三発と、唖然としている莉奈の眼前へ放物線を描いていった。
「す……すごい」
両肩で息をする芳彦を仰ぎながら、莉奈が感嘆の溜め息をつく。
(あぁ。僕、莉奈先輩の前で射精しちゃったんだ。し、信じられないよぉ)
呼吸が整ってくると、芳彦は涙目で莉奈を見つめた。
美少女は目を虚ろにさせ、小振りなバストを小さく波打たせている。心なしか腰をもじもじさせているように見えるのも、都合のいい思い込みだろうか。
尿道口から残滓がツツーッと床に滴り落ちると、莉奈は腰を上げ、ゆっくりと近づいてきた。
「まだ、こんなになってる」
熱っぽい表情で呟きながら、依然勃起状態を保つ怒張に再び指を絡めてくる。
「何回ぐらい射精できるの?」
「は?」
「男の子って、続けざまに射精できるものなの?」
「それは……あぁ!?」
芳彦は、思わずビックリ眼を剥いた。なんと莉奈はその場で腰を落とすと、顔を近づけ、肉筒に舌先を這わせてきたのである。
「う……あ。莉奈先輩、何を? だ……だめ」
言葉とは裏腹に、芳彦の下半身に再び新鮮な快楽が押し寄せてくる。しっとりと濡れた生温かい舌が裏茎から雁首へゆるりと昇っていくと、青白い性電流が股間から脳幹へ一気に突き抜けていった。
唇の端がわななく。両膝がガクガクと震える。
莉奈はまたもや芳彦の様子を見上げながら、舌でチロチロと亀頭を舐め上げ、ゆっくりと口に含んでいった。
(う、嘘っ!?)
憧れ続けた絶世の美少女が、今自分の不浄な部分を口に含んでいる。その事実に、芳彦は歓喜にも似た感動を込み上げさせた。
莉奈は決して大きなストロークを見せず、亀頭の部分だけを口の中でスライドさせている。
あえかな唇が唾液で濡れ光っていく様の、なんと淫猥なことだろう。やがて莉奈は意を決したのか、少しずつ肉筒を喉深くへと呑み込んでいった。
(あ、温かいよぉ。口の粘膜にしっぽりと包み込まれて、まるでおチンチンが蕩けちゃいそうだ)
そのフェラチオは稚拙なものだったが、初々しい動きが芳彦に高揚感を与えていく。
莉奈は少量ずつ唾液をまぶしながら、舌をペニスに絡ませていった。
美少女が双眸を閉じ、チュパ、チュプと、飴玉をしゃぶるような音を響かせる。芳彦はその様子を呆然と見つめていたが、ある異変にも気がついていた。
莉奈はいつの間にか、右手をスカートの中に忍ばせていたのである。
(あっ。莉奈先輩がオナニーをしている!)
脳裏に準備室での莉奈の姿が甦り、芳彦の目つきが徐々に鋭さを帯びていく。