幼馴染みと学園のアイドル 女子高生たちの恥じらいの放課後

そう問い質すと、君江は意味深な笑みを浮かべ、ゆっくりと近づいてくる。

「き、君江さん?」

思わず後ずさったものの、君江はやや前屈みになり、下から芳彦の顔を覗き込んだ。

「芳彦君、だめじゃない」

「え?」

「一昨日、保健室で変なことしたでしょ?」

「し、してないですよ」

予想外の問いかけに、全身の毛穴が開く。芳彦は咄嗟に否定したものの、君江はさらに一歩足を進めた。

「嘘ついてもだめよ。カーテンを開けたとき、エッチな匂いがプンプンしてたんだから」

「ええ?」

顔が火を吹いたように熱くなってくる。

まさか君江に、オナニーしたことがバレていたとは考えもしなかった。それほど、精液の匂いが強烈だったのだろうか。

芳彦が俯くと、君江はさらに衝撃的な言葉を放った。

「ひょっとして、稲垣さんのことが好きなの?」

「えっ?」

(な、なんで? なんで君江さんは、そんなことまでわかるんだ?)

芳彦は額から脂汗を滴らせながら、愕然とした顔つきをした。

「ふふ。あなたの彼女を見る目つきを見れば、そんなことぐらいはすぐにわかるわよ。彼女、学園のマドンナだもんね。確かにかわいい顔をしてるし。好きな女の子を間近にして、おチンチン硬くしちゃったのね」

そう言いながら、君江は淫蕩的な表情を浮かべる。

あたりに妖しい雰囲気が漂い、芳彦は一瞬にして緊張感に包まれた。

(な、なんかヤバい感じだな)

何にしても、自慰行為が知られていたのでは釈明のしようがない。芳彦は泡を食いながらも、懸命に話を逸らした。

「き、君江さん、しっかりしてください。ひょっとして、またお酒を呑んでるんですか?」

「あら、呑んでなんかいないわよ。どうして?」

「だって……だって、このあいだは反省してるって言ってたじゃないですかぁ」

「あのときとは、また事情が違うもの。エッチな本に保健室でのオナニーでしょ? それに……芳彦君の好きな人まで知っちゃったんだから」

今は芳彦よりも、優位な立場にあるということを言いたいのだろうか?

君江と再び淫らな体験をしたいという気持ちはあるものの、明日のことを考えると、やはりここは自重しておきたい。

「そ、そうだ。旦那さんは、ほっといていいんですか?」

「旦那? ああ、今日は残業で遅いらしいわ。どうせ、またあの女の所へ行ってるんだから」

それまで微笑を湛えていた顔が、一瞬にしてブスッとした表情になる。

(し、しまった。余計なことを聞いちゃったかも)

やはり今回の君江の態度も、夫に対する鬱憤からきているのかもしれない。

(とにかく、ここはなんとか逃げきったほうがよさそうだ)

「あの、僕……そろそろ帰らないと」

なし崩し的に君江の横を通り過ぎようとしたものの、その試みも虚しく、芳彦の細い身体は豊満な肉体に遮られていた。

「稲垣さんは、確か三年生だったわよね。もっと経験を積んでおかないと、年上の女はリードできないわよ」

「え?」

「女の子にとっての初エッチって、ものすごい重要なことなんだから。下手をしたら、それで幻滅しちゃうことだってあるのよ。やっぱり男の子なら、初めてのときは恥を掻きたくないわよね」

その言葉が、芳彦の心に矢のように突き刺さる。

すでに君江の頬は上気し、前回のときと同様、艶かしい舌で上唇をなぞり上げていた。

君江の放った言葉は、芳彦を妙に納得させていた。

確かにセックスの体験は、君江に筆下ろしをされた一回だけしかない。

しかもそのときは終始君江がリードしており、芳彦のほうから積極的に責めたことは皆無といってもよかったのである。

いくら童貞ではなくなったとはいえ、これでは未経験者と変わりがない。

(もし……明日莉奈先輩とエッチな展開になったとしたら、もうそれだけでイッちゃうかも)

その光景を思い浮かべた芳彦は、全身を身震いさせた。

莉奈が嘲笑することはさすがにないとは思うが、あまりにも恰好が悪いし、情けないというものだ。

「こういうことって、経験が大事なの。数をこなすことで心にも余裕ができるし、女を喜ばすテクニックだって上達するのよ。そう思わない?」

「た、確かに、それはそうだと思いますけど」

君江は甘ったるい声で囁きながら、芳彦のハーフパンツに手を伸ばしてくる。

「でも……窓がないから、外には筒抜けになっちゃいますし」

「あら、その気になったの? 声をたてなきゃ大丈夫よ。それに、これでもあなたのことを心配してるのよ」

いかにも芳彦を気遣う口ぶりだったが、やはり浮気をしている夫に対する当てつけであることは明らかだ。

白魚のような指が股間の膨らみを弄んでくると、芳彦は腰を捩った。

「ああ、君江さん、やっぱりダメですよ」

拒絶しながらも、君江の放った「経験が大事なの」という言葉が、頭の中でこだまのように響いている。

唇を奪われると、小さな抵抗心など塵のように消え失せ、芳彦はあっという間に目をとろんとさせた。

ハーフパンツの中の肉筒に沿い、柔らかい指が這い回る。禁欲したことが災いしたのか、芳彦のペニスは瞬く間に屹立していった。

「あらあら。すごいわ。もうカチカチになってる。それじゃ、レッスンを始めましょうか」

「レッスン?」

「そうよ。今度は芳彦君がイニシアチブを取るの。やっぱり男性側からリードしなきゃ、いつまで経ってもうまくはならないでしょ?」