時おり眉根を寄せたり、あどけない面差しをしかめたりするコトはあったが、逆らったりしようとはしなかった。それどころか、おずおずとではあるが、年の離れた男性教師の、乱暴ともいえる行為にためらいがちに応じてゆく。
ちゅっぷなぷッ。ちゅっくぢゅっくッ。
ひとしきり少女の甘い唇を貪った下呂井が唇を外した。そしておもむろに尋ねてみる。
「大丈夫かい?」
『昨日アレだけヒドいコトをしていながらよく言うよな』
今までの自分自身の行為を顧みると、我ながらそう思わずにはいられなかったが、下呂井の本心は本心だった。
こくっと小雪がうなずく。
そして涙ながらに、もう一度、その花びらのような唇を開いた。
「センセエ……ッ、どうか、私を治療してください……ッ、お願いします……」
ぞくぞくぞくくッ。
下呂井の背筋に戦慄が走った。
それはこの可憐な少女を治療できる=自分の好きなように、調教できる、という暗い欲望の表れだった。
下呂井はうなずき、あまりの興奮と緊張に声が上ずりかけるのをこらえながら、出来るだけ厳かな口調で話し始める。
「それじゃあ、まずは診察からだよ」
小雪がうなずくのももどかしく、下呂井は少女自身があらわにした胸を診はじめる。
昨日と同じ、小さな起伏だった。ただ、その薄紅色の尖端が不安そうに震えながら勃起していた。
「ふむ。何も異常はないようだね」
下呂井は安堵の声を絞り出した。
昨日、後半は完全に我を忘れてしまって少女を抱いた、いや犯した記憶があまりにも鮮明だったために、胸に痣など残ってなどいやしないかと恐れていたのだが、どうやら杞憂に終わったみたいだった。
しかし、それでも少女の淡い胸の膨らみの一部にかすかに赤味が差しているところがある。
(可哀相に)
胸の奥に痛みが走るのを感じた次の瞬間、下呂井はソコに口づけていた。
ちゅッ。
「あん……ッ」
じンッ。
男性教師の舌の感触と唾液に、疼いている箇所が甘く切なく、痺れ、癒されていく。それは男に犯されたのだという記憶と、この男の所有物になったのだという感慨を伴い、静かな鮮烈な快感が広がっていく。
小雪が小さな慎ましやかな口から悲鳴を漏らすのに、導かれるように、昨日下呂井自身がひねくり回した、乱暴狼藉を働いたあかしである箇所に二度、三度と口づける。
ちゅッ、ちゅちゅちゅッ。
「あッ、あああッ」
ミドルティーンの女子中学生の肌は肌理が細かく、滑らかで、ほのかに良い香りがした。
小雪は小さな悲鳴をあげて、半裸の身を震わせてあえぐものの、逃げ出そうとはしなかった。
ちゅっぱッ、ちゃっぷッ、ちゅっつなっぷッ。
「あ……ッ、あああ……ッ」
下呂井はただ、小雪の胸肌に口づけるだけではなく、舌を使い始めた。
中年男の舌が、少女の敏感な素肌を這い、なぞり、撫で回すたびに、小雪は身をよじってあえぐものの、靴が床に縫いとめられでもしたかのようにその場から動こうとしない。小さく握ったこぶしを口に当て、声を抑えようとしてはいるものの、その悲鳴や口調から嫌悪などは微塵も感じられない。戸惑いやためらいなどはあるものの、それ以外の成分が大量に入り交じっているように感じられた。そして、その成分は下呂井の男の本能、嗜虐欲を掻き立ててやまないモノだった。
ちゅっちゅちゅッ、ちゃっぱッ、ちゃっぷッ、なっぷちゅっぷッ。
「あ……ッ、あああ……ッ」
下呂井は小雪が発する、助けを求めない悲鳴と、熱を帯び、湿ってきた胸肌から立ちのぼってくる柔らかな媚香、それに男の本能に導かれるままに、少女の胸のふくらみを口づけ、舐めねぶった。
ちゅちゅちゅッ、ちゃっぱちゃっぷッ、ちゅっぐちゅっぷッ。
「あああ……ッ、あああ……ッ」
びくんッ、びくんッ。
小雪は総身をわななかせ、あえぐばかりになっていた。
保健医師の治療は二十分、いや三十分も続いただろうか?
ちゅぱッ。
下呂井の舌が小雪の胸肌から唾液を引きながら離れた時、小雪は完全にデキあがってしまっていた。
下呂井は赤味が差している患部だけではなく、小雪の胸肌全体を舐めくり回し、ねぶり尽くし、接吻の雨を降らしていた。
はあはあッ。
異性から、優しくも情熱的な慈雨を注がれて、小雪の女性としての開花が一気に進んだみたいだった。頰に朱が差し、肌がしっとりと潤い、睫毛さえ長くなったように感じられる。瞳は妖しげな光さえ忍ばせながら輝き始め、下呂井に舐めしゃぶられた胸のふくらみでは、両方の乳首が痛いくらい勃起しまくっていた。
はあはあッ。
「それじゃあ、あの机の上にうつ伏せになりなさい」
「はい……ッ、センセエ……ッ」
完全に上気してしまい、何も考えられなくなった小雪は下呂井に言われるままに、保健室の奥にある下呂井の机まで夢遊病患者を思わせる足取りで歩き、その机の上に上体を預けるようにして倒した。それは黒いタータンチェック柄のスカートに覆われた下半身を突き出すようなポーズをとることを意味していた。
「脚を広げて」
「はい……ッ、センセエ……ッ」
小雪は素直に身じろぎし、足を肩の幅近くにまで広げてみせる。
前と同じように返事はまったく短いが、その語調には親愛と隷従の思いがにじみ出ていた。