女探偵眞由美の誘惑事件簿

彼女はスーツの上下、さらにショーツまで脱いで、椅子の背もたれにかけていた。上半身にはブラウスが残るが、下半身はストッキングと白いガーターベルトが絡むのみ。

そうして正太郎へ背を向けて立ちながら、肘から先を壁へあてがう。お尻を不規則にユラユラさせれば、桃色の照明で照らされて、ストリッパーのようにはしたなかった。

「は、い……」

真後ろへ立つ正太郎には、眞由美の秘所がよく確かめられない。

しかしヒップだけでも迫力満点だった。

二つ並んだ色白の丸い丘は、ムチッと肉付きが良い。それでいて身体を動かすことが多いためか、健康的な張りが保たれている。ガーターベルトも絡んで、リボンでラッピングされた桃さながらだ。

一点だけ、セピア色にくすみ、無数の皺に囲まれた小さな穴も見つかったが、排泄のための器官の存在は、却って絵画や石膏像にはありえない艶っぽさを、瑞々しい中に付与している。

果たしてどう手を出せばいいのか──正太郎の思考は、堂々巡りを始めてしまいそうだ。

それで待ちかねたのか、眞由美が特に大きく尻を一振り。

「あふ……正太郎くぅん……っ」

「はい……!」

おかげで青年も、金縛りにあってしまう前に、我に返れた。

とにかく、左手を眞由美のヒップに乗せる。次の瞬間、吸い付くような手触りが脳内へ雪崩れ込んできて、彼は一転して時間が勿体なくなった。

そのため、右手でセカセカと、コンドーム装着済みのペニスを握る。

「ふ、く……!」

股間を走る鈍い性感に息を詰まらせつつ、竿を下向きへ変えて、女探偵の腿の間をくぐらせるように、秘所があるはずの辺りを目指した。

直後、あっけないほど容易く、プニッとした膨らみと接触だ。

「つおっ!?」

これが眞由美の大陰唇だろう。

ヒップ以上に柔軟性があり、圧した分だけ歪んでしまう。だが危険な火照りも満ちていた。──さらに。

「眞由美さん……濡れて……る……っ」

早くも、愛液がコンドームとの間に糸を引きそうなのだ。青年の不躾な指摘を、眞由美も悩ましげに認める。

「そうよ……。君のおちんちんを舐めていて……こんなになっちゃったの……」

「……!」

またも思考が停止しかける正太郎だが、あまり手際が悪いと呆れられてしまうだろう。

「ぃ行きます!」

彼は勢い任せに亀頭を動かした。女性器の詳しい形を知らず、視認すら出来ないから、触覚頼りで奥への道を探すしかない。

「はおうっ!?」

さっそく、神経の毛羽立つような疼きに、急所を挟まれた。

左右へ開きながら、ねちっこく亀頭を出迎えた肉ビラは、小陰唇かもしれない。

その奥に、溶けだす寸前のような火照りの媚肉まで潜んでいる。

「やぁん……正太郎君のおちんちん……グリグリ来てる……ぅ」

眞由美が首を上向かせれば、セミロングの髪も背筋を撫でるようにうねった。ブラウスに守られた背筋の方まで、妖しく波打ち始める。

だが、そこから先がいけなかった。剛直は濡れ肉の表面を滑るのみで、肝心の入口を発見できない。二度、三度と擦ってみても駄目。反面、ゴム膜越しの快感は、往復するにつれて強まっていく。

「く、ぁ、ぁ……」

苛立つ獣のような唸りが、正太郎の半開きの口から漏れた。

と、眞由美が片手を降ろし、そっと亀頭の下に添えてくる。

「うあ!? あ……あのっ!?」

ゾワゾワッと裏筋まで疼きだす青年。だが、眞由美の目的は、彼を急かすことではなかった。

「大丈夫よ、正太郎君……ここ……ここを狙うの……」

白魚のような指で持ち上げられた肉竿の切っ先が、小さい穴へと嵌る。これまで亀頭の表面にのみ感じていた火照りが、鈴口周りにまで及んだ。

「っ! は……い!」

サポートされたのは恥ずかしいが、眞由美の声音には、パニック寸前だった牡を励ましてくれる効果があった。

ここから仕切り直せばいいんだ──。

正太郎は勇躍し、腰を押し出す。

と、ズブッ、ジュブブッ! 今度こそ男性器が膣口へ沈んだ。

奥は予想以上に狭かった。ヒップ同様、アクティブな生活が効いているのか、膣内には肉の壁が密集し、いきり立つ亀頭を、四方から揉みくちゃにする。大人の余裕を感じさせる態度と対照的に、貪欲さがむき出しだ。

あまりのギャップに、青年はクラクラさせられる。

とはいえ、弱点を抱きしめられていると、身体も自然と動いてしまった。

なんとかペースを掴もうと両脚を突っ張らせてみたが、遅い動きになったらなったで、重いほどの刺激をじっくり練り込まれる。

「うんっ、うんっ! 分かるのっ……正太郎君のおちんちんっ、私を思い切り広げてる……って、ぇ! あはぁあんっ!」

「あう……ぉ……ああ……っ!?」

稚拙に足掻くうち、エラまですっかり女体に収まってしまった。張り出す傘は、亀頭以上に蜜壺へ引っかかる。火傷しそうな感触は、もはや快楽を通り越して怖いほど。

ヴァギナは、まるで官能の底なし沼だった。無数の成熟した襞が居並んで、牡肉へ隙間なく絡み付く。しかもうねりの細やかさは、巧みな舌戯さえ超えている。

青年の胸中で、アイスキャンディの妄想が復活した。コンドームも粘膜も溶かされて、神経を直に啜られそうだ。

「眞由美さんの中……す、すごい……ですっ!?」

「うんっ……あ、ふあっ……正太郎君こそっ、太……ぉっ……大きい、の……っ……! はぅんっ! んっ、やぁあっ……私っ、先っぽだけで……すごく感じてるぅうっ!」