「や、やぁぁ……もっとぉ……っ!」
もとい。彼女は身をクネクネと揺さぶって、液を少しでも早く動かそうとし始めた。特に大きな尻は左右へ躍らせ、まるでおねだりするようなはしたなさ。
正太郎は眞由美の耳元へ囁いてみる。
「今の眞由美さんを見たら……瑠実も創もビックリしますよね?」
「ん、あっ!? あっ!?」
その言葉責めは、いつだったか女探偵がペニスを弄りながら使ったのと一緒だ。青年としては真似しただけなのだが、かなり効いている。
もしかしたら、眞由美も責めへ回る時には、自分が言われたら弱いセリフをチョイスしているのかもしれない。
ともかく、正太郎は追い討ちをかけることにした。
「あー……人の家でエッチしたがるぐらいだし、眞由美さんは露出癖まであるんじゃありませんか? そうだ。いっそ写真を撮って、迷子犬を探す時みたいにSNSへ投稿しましょうか?」
セリフは即興で決めるため、口調は棒読み一歩手前だ。しかし、聞きようによっては、突き放すみたいな響きとなる。
「そ、そんなの……駄目……ぇ……っ!」
眞由美も発情期の牝犬さながら、喉を反らせた。尻尾を立てるみたいに腰まで浮かせる。
すでに粘液は、彼女の腋の下をかすめ、巨乳まで滴っていた。
そろそろ充分だろう。
正太郎はボトルを脇へ置き、空いた左手で、乳房を捕えにかかる。下向きになった丸い頂を、曲げた五指で揉んでやった。
「ぅふっ!? 正太郎……くぅうん……!」
「お……ぉっ……」
巨乳は、美女が起立している時以上に、質感を先端へ寄せていた。押した途端にムニッとたわむ一方で、片手に余るボリュームがある。
しかも今は、粘り気まで帯びていて。掌を離せばヌチュヌチュ糸を引き、押し上げれば滑ってしまう。
翻弄する青年の方まで、掌がくすぐったくなった。
乳首もすっかり尖っている。ヌルつきながら、手へ引っかかるささやかな抵抗。ふと正太郎はそこを集中的に苛めたくなった。
思いついたら実行だ。掌を浮かせて、生意気な突起を片手の指全部で摘み上げてやる。
「あ、やだっ!? やンっ……む、胸だけで……こんな……んゃっ、ひぁうっ!?」
逆らうようだった乳首は、苦もなく玩具の一つとなった。ローションに塗れ、滑って逃げようとするものの、寄ってたかって捻くられ、五対一の玩弄だ。
眞由美はすすり泣きが止まらない。
正太郎もいよいよ調子に乗った。
だから、女探偵の注意が乳房へ向かっている隙に、右手をヒップへくっ付ける。
柔軟な双丘は、曲がった腿に引っ張られ、平たく伸びてもいた。その上で掌をスライドさせれば、ダマになっていたローションがグチュッと広がる。
「えっ!? えっ!? お、お尻……まで、ぇっ!?」
狼狽えるような眞由美の身悶えが可愛い。
しかし粘液を均した後で、いざ揉もうとしてみれば、ツルリッ! 思った以上に掴みにくく、愛撫が上滑りしてしまった。
だから、指を鉤爪状に変えて、今度こそ──。
ヅルンッ!
「んひぁやぁあっ!?」
変な力で擦ってしまったが、眞由美は腰を悩ましくくねらせていた。
考えてみれば、予期せぬ刺激こそ、彼女の弱点なのだ。
だったらいっそ、徹底的にお尻で遊びたい──。
青年も嗜虐心をそそられて、一列に並べた右手の指を、尻の谷間へ進ませた。後は前後へ行ったり来たり。指の腹で薄皮をさすりつつ、菊門の端も連続で突っつく。
「やだ……待ってっ……指っ、指が当たってっ……これっ、恥ずかしいから……!」
眞由美の懇願は聞き流すフリだ。実際には聞き惚れながら、傍らの洗面器へ目をやった。その中はアダルトグッズが山盛りとなっている。
そうだ、とまた閃いた。これだけ種類がある以上、きっと用途も様々で──。
「眞由美さんが買った中には、お尻用の道具も混じってるんじゃありませんかっ?」
正太郎の質問に、眞由美が震えた。
「それは……はう……ぅんっ!」
「教えてください、眞由美さん!」
頼みながら、人差し指を菊座にあてがう発情青年。強めに圧せば、硬いすぼまりもちょっとは開く。
「んぁううっ!?」
直腸まで侵略されかけて、眞由美の顔がカクッと伏せられた。だが、彼女は乱れたセミロングの髪で表情を隠しながら、小さく頷いたのだ。
正太郎の胸も、悦びと情欲に奮えた。
洗面器の中の品々。
そこには妙な黒い棒もあった。バイブの一種らしく、持ち手の部分にスイッチが付いているのだが、形はペニスと全く違う。手ぬぐいを何度も捩じったように、凸凹の節を幾つも並べているのだ。
太さといい、独特の形といい、これがアヌス用なのではなかろうか。
青年は一旦右手を止めて、妖しい代物を取り上げた。眞由美の鼻先へ寄せたら、低い声で確認だ。
「お尻用ってこれですか!?」
乳首の方は、クリクリ、グチュグチュ、未だに玩弄しっぱなし。
眞由美もその性感から逃れられず、唇を噛みしめる気配と共に、二度頷いた。
「使っていいですか!?」
刹那、焦ったように目を向けてくる眞由美。その額や頬は真っ赤だ。しかも汗まみれなだけでなく、目元は涙で、唇は涎で、顎はローションでも、はしたなく濡れている。
正太郎から見つめ返されると、彼女は顔を伏せ直し、
「ほ、本当にっ……使うのっ……!? それは正太郎君を驚かせようとっ……こういうものもあるのよって教えるだけのつもりでっ……用意しただけ、なのにっ……」