女探偵眞由美の誘惑事件簿

眞由美が気持ちいいと思えるのは、異物が出ていく解放感らしい。そこで正太郎は三度、玩具を後退させてみる。

今度はバイブが振動中だから、菊門の嬲られようは、一回目や二回目の比ではなかった。

「ひゃぅうっ!? ひ、んひぎぃいいっ!? 待って! これっ、すごっ……ひぃいいっ!? さ、さっきよりぃっ! やぁあん! さっきより凄いぃいっ!」

もはや眞由美が喚き散らすのは、実況ですらない。

それでも、「眞由美さん!」と正太郎が呼べば、彼女は髪を振り乱して頷き返し、

「うんっ! 気持ちいいのぉおっ! はひっ、は、初めてっ、なのにぃいい! ぁあぁ私ぃいいっ、お、お尻でっ! 感じちゃってるぅうっ! やっぱり……ぃひっ、抜かっ……んぁあっ! 抜かれる方が感じるのぉぉおっ!」

恥も外聞もない自白だった。

後は正太郎による、大胆な抜き差しの始まりだ。

彼がアヌスを打ち抜けば、眞由美は呻きを搾りだす。

「くぁああうっ! ぃひぅううっ! お尻にっ、蓋っ、きつい蓋されちゃってっ、ぇっ……んくぅうっ! つあっ、ぅあはぁああうっ!?」

今や美人探偵は、侵入まで堪能し始めていた。容赦のない圧迫に酔いしれながら、続く解放感を待ちきれずに、下半身を高く掲げる。

肘も『く』の字に折れ曲がって、側頭部を床のタイルへ擦り付けんばかりとなっていた。

一方、括約筋の締まりには、ほとんど変化がない。いくらかき分けられても、愛撫を押し戻そうと頑張る。まあ、それ故に眞由美の肛悦も、ひたすら上昇していくのだが。

ともかく、貫かれる時でさえこれなのだ。

続く排泄じみた刺激に至っては、もはや喘ぎが止まらなかった。弄られているのはアヌスだけなのに、浅めの絶頂へなら行き着いてしまいそう。

「正太郎君っ! 正太郎くぅううんっ! 私のお尻っ……もう駄目ぇえっ! 気持ちいいのがっ、止まらないのぉおっ! あなたに引っ掻き回されてぇっ、ば、馬鹿になっちゃったのぉおおほっ!」

「眞由美っ、さんっ!」

どこまでも淫らになる想い人の反応に、正太郎も手へ熱が入った。

この短い間に、もう何回抜き差しをしたか分からない。自覚していなかったが、彼の方も汗だくだ。顔も胸板も紅潮しきっている。

ついには、グボォオッ! 一際強い力と速度で、バイブをめいっぱい引き抜いてしまった。

「ぅはぁああぅっ!?」

ローションの残りか、あるいは腸汁なのか。バイブの鎌首も、絡まる正体不明の粘液を飛び散らしそうなほど激しくうねる。

しかもこの瞬間、正太郎の手首が強張って、苛烈な捻りを菊座の縁へ押し込んでいた。

それが眞由美にとっての、とどめとなってしまう。

「あっはっ、お、おぉおっお尻ぃいいぅひっぃぎぃいいいいっ!? ぅんぁあきひぃいぃひぃいいいっ!」

膝まで浮かせる丸裸の美人探偵。そのままビクンビクンと痙攣して──突然、脚の力を失った。

「きはやっ!? はひっ、ひ、んひぃいっ!? ひ、ぃおっ……あぉおぉお……っ!」

膝をぶつけた衝撃が、直腸まで来たらしい。眞由美は伸びをする牝猫と似た体勢で、背中を上下させる。

正太郎がよく見れば、肛門はバイブの大きさに広がって、元の形へ戻れずにいた。出口の裏は赤っぽく、まるでポッカリできた洞窟だ。

頑固に思われた括約筋も、結局は法悦に屈していたらしい。

このまま定期的に開発すれば、いずれはペニスでさえ入ってしまうかもしれない。

とはいえ、さすがに今日は無理だろう。

「う……くっ」

ピストンを止めたため、正太郎は己の動悸の激しさに気付いた。火照りも芯から凄まじい。

ペニスはギンギンにそそり立っており、亀頭が赤黒く充血している。何も触れていないことが悩ましく、ローション以上に粘っこい我慢汁は、ダラダラと垂れ流しだ。

そこへ眞由美が惚けた流し目を送ってきた。

「ん、あ……っ、正太郎君っ……次は君が……気持ち良くなる番……よね……?」

「いえっ。無理しないでいいですよっ」

我に返ってみると、どれだけ彼女をいたぶったかが思い出される。

しかし眞由美も目尻を蕩かせた。

「んふっ……君こそ無理しないで……。私ね、あなたにも気持ち良くなってほしいから……っ」

身体中を汗と粘液で濡らしたまま、女探偵は身を起こそうとした。途端に肘を滑らせて、

「ゃっ!?」

横倒しになりかける。その彼女を、正太郎は抱きとめた。

危ないところだったが──眞由美の気持ちは変わらないらしい。

「正太郎君……先に脱衣場へ行って、床へバスタオルを敷いておいて……」

正太郎は従うことにした。戸口へ身体を向けながら、ついでにローションのボトルと、アダルトグッズが山盛りの洗面器も持ち上げる。

さほど広くない脱衣場でも、足を通路へ出せば、ちゃんと寝転がれそうだ。正太郎がバスタオルを広げたところで、眞由美もよろけるようにやってきた。

「正太郎君……今回は仰向けになってくれる? 私が上になるわ……」

「分かりました」

眞由美が言っているのは騎乗位だろう。自分のペースで動く方が、彼女も楽なのかもしれない。

正太郎はゴロンと横たわり、眞由美も彼と向き合う形で、腰を跨いできた。

「う……」

裸の女探偵から見下ろされると、正太郎はさっそく全身の血が逆流しそうだ。

大股開きで膝立ちという彼女の姿勢は淫蕩で、イッたばかりの赤い顔も凄艶。熟れた牝の匂いも、ムンムン漂っていた。