眞由美も尋常ではない排泄感に、太腿の痙攣が派手だ。
正太郎が目線を前方へ転じれば、シーツへさらに爪が食い込んでいる。巨乳は平たく潰れてしまい、後頭部の陰で、顎もマットレスに押し付けられているらしい。
それでも喘ぎ声には、聞き違えようのない肉悦が混じっていた。泣きじゃくるようでありながら、同時に嬉しげ。
青年の胸に達成感が湧いてくる。入念な準備は、ちゃんと実を結んでいたのだ。
もう中断を考える必要はなかった。そして自信がペニスへ持久力をもたらすのは、これまでと同じ。正太郎はカリ首が出口へ差し掛かる寸前で速度を緩め、百八十度の方向転換をした。
再び腸内へグイグイ突っ込まれていく、肉幹と菊門の皮。
「好きですっ! き、気持ちいいですっ! 眞由美さ……んぐっ! くおぉうぐっ!」
痛いのまで気持ちいいという眞由美の発言も、身を以て実感できる。
抉るサディズムと搾られるマゾヒズム。両者は交錯し始めるや、すぐにグチャグチャと絡み合い、もう絶対に切り離せない。
もっとも眞由美の方は、食い千切らんばかりに男根を圧搾しながらも、やり返している自覚がないらしい。ただひたすら、被虐的な歓喜に浸っている様子。
その肉欲を満たしてやるため、正太郎は数段重いピストンを、連続で叩きつけた。剛直の太さも長さも存分に使い、肛門を直腸へ押し込めるだけ押し込んだ後、反対向きに引きずり出していく。
「わ、私ぃいっ……ひぉおっ! んほぉおっ!? お尻がっ……お尻っ、んお尻ひぃいっ!? ぃ、良いぃいのぉおっ! 正太郎君のおチンポでっ、捲られてるのおおおふっ!」
「まだまだっ! これからなんですっ!」
「んぎひぃいっ!? ひおっ! 広がっ……ぁ、ぁあおぉおっ!? 漏れるぅううっ!?」
眞由美が嬌声を一オクターブも高くしたのは、青年の腰遣いに、のの字を描く傾きまで加わったからだ。
ただし、正太郎の方にも、ピンポイントで菊門が食い込む。
「ほぐっ!?」
このやり方は危険だった。
思わず涙が浮いてくるものの、その拍子に滲む視界へ、ベッドに放り出されたままの大型バイブが飛び込んできた。あれはまだ使ったことがない。しかし──。
「い、今の眞由美さんならっ、俺のチンポを後ろへ入れたままっ……くっ、ぅっ! そこのでっかいバイブまでっ、おマ○コに押し込めそうっ……ですよね!」
眞由美が無理だと答えれば、言葉だけで苛める。やりたいと言えば、二穴で気持ち良くなってもらえる。
そして眞由美の出した答えはといえば、
「い、入れる……のっ、ぉっ!? 正太郎くぅ……んっ、わ、私ひっ……は、ぅ、う! う、んっ! やってみる……ぅぁううっ!」
右腕をガクガクとバイブへ伸ばす彼女。ケダモノめいた腰遣いで首や肩まで揺さぶられるから、手の狙いは定まらない。二度も空振りをした末、ようやくバイブを掴み取り、後は挿入用の湿り気を持たせるためだろう、がむしゃらに舐り始めた。
きっと彼女は切なく眉を寄せながら、真っ赤になった頬をすぼめて、唇をあられもなく突きだしている。
女探偵の美貌の崩れようを、正太郎は細部まで思い浮かべられた。それを裏付けるのが、耳へ届く籠った声音だ。
「ぅあうぅ! ひ、んぁあぶっ! んっ! ぐっ! ぉうっ! んぇぶぅうぅうおっ!」
マゾと化した身には、息苦しささえ歓喜の基らしく、眞由美は何度も何度も「じゅるっ! んぁむふっ!」と舌なめずりめいた音を、呻きに混じらせた。
やがて唾液まみれになったバイブを、股間へ移す。
膣口を手探りで見つけた彼女は、迷わずズブリッ! 大人の玩具を子宮口まで突き立てた。
「んひぁああっ!?」
浅ましい絶叫とわななき。ベッド側面には膝を擦り付けている。
玩具は膣襞を苛烈に押しのけて、正太郎へも存在感をアピールしてきた。圧された分だけ直腸はひしゃげるし、女体の強張りは括約筋まで窮屈にする。
しかし正太郎はたじろがない。
「っ……! その道具、スイッチがついてましたよね! 入れてください!」
彼の無体な指示に、眞由美も間髪容れず従った。ブーンブーンと、昨日からお馴染みとなったモーター音が、性臭立ち込める部屋の空気を震わせだす。そして女体も内側から振動させる。
「ひぁあっ!? や、ぁあんっ! 私の中っ……もぉっ、ぃいっぱいなのぉおっ! あっ、やっ、んぁはぁあっ!? 助けてっ、正太郎くぅうんっ! きついのっ! お腹がギュウギュウなのよぉおっ!?」
人工物の回転は、単調ながらも全く途切れなかった。襞を捏ねくり、子宮口まで小突いて、新たな快感を量産し始める。
正太郎も腸壁越しに、裏筋をさすられた。
「ふ、おっ!」
咄嗟に背筋を伸ばす間にも、男根の下を立て続けに同じ方向へ転がされる。そのあくまで無機的な動きと、青年は張り合いたくなった。
助けて──と恋人から言われたばかりなのに。抽送を雄々しく変える彼。もはや動くペースは、柔軟なヴァギナへやる時と変わらない。
排泄孔からも過酷な疼きを送り返されてしまうが、それもアブノーマルな喜悦と直結だ。
突進すれば扱かれるし、抜けば解放感が天井知らず。痛烈と分かっている円運動も、アクセントとして仕込む。
もはやアナルセックスは病み付きで、バイブを押しのけんばかりに、青年は腰を打ち付けた。