「ぃひぎいっ!? それもっ、それも無理ぃいっ! 広がるからっ……! おぉおチンポでぇえっ……こじ開けられるうぅううっ!?」
「眞由美さんっ! 眞由美さんっ! 眞由美さんぅうっ!」
もう青年には女探偵しか見えなかった。汗も時折、真っ赤に染まった眼下の美貌へ垂れる。それがまた、大切な人を穢している背徳感を煽った。
止まらない劣情に、精液も竿の半ばまで侵攻してくる。
「ふ、ぐっ!」
もはや眞由美の喘ぎと一緒だ。堪えようにも長くは持たない。切羽詰まった想いで、鼓動も極限まで速まってしまう。
「おっ、おぉおっ、俺っ、ぇっ……そろそろ出そうですっ! 眞由美さんっ……どこっ、どこに出せばっ、いいですか……っ!?」
「ふきぃいんっ!? で、出るの……ぉおうっ!? 君のっぉっ……せぃえっきひぃいっ!?」
牝猫めいた鳴き声を、眞由美が上げた。次の瞬間、彼女の方まで絶頂の扉が開きかけたらしい。
「うぎひっ!? やっ、ひっ、あひひぃいいんっ!?」
美人探偵はよがり狂いつつ、支離滅裂な随喜の喘ぎを、懸命に言葉へ変えようとしていた。
「はぅっ、うんっ! きっふうぅうんっ! 中にぃっ、中にビュクビュクしへぇえっ! 私のおマッ……コっ、しっ、子宮までぇえっ、全部っ、正太郎君で独占してぇぇえぇっ!」
「う、ぎっ!?」
まさかここまで欲しがってもらえるなんて。
正太郎も唸らされ、スペルマは発破を掛けられたように、出口へ迫る。これは絶対に押し戻せない。すでに男根内が、ゲル状の圧迫感でいっぱいだ。
「でっ、だ、出します! 俺っ、眞由美さんの中に出しますっ! ザーメンとチンポでっ! 眞由美さんのおマ○コをいっぱいにしますっ……ぅぁおおおっ!」
思いつく限りの下劣な単語を投げつけた。そうしてありったけの愛情を籠め、膣口から最深部までまっしぐらに駆ける。
亀頭も、牝襞という牝襞にぶつかっていた。
一擦りだけでも絶頂へ連れて行かれそうな痛烈さ。それが蜜壺内を走る間に、数えきれないほど連発される。
仕上げはジュブブゥウッと、子宮口へのディープキスだ。
「う、あっ、うぁああっ!?」
怒涛の法悦に見舞われる切っ先へ、白濁も一斉に押し寄せた。ヨーグルトめいた粘液塊は、出口を割った勢いのまま、子宮まで乱入していく。
「イッ……あっ! イクのッ! 私もっ……イクぅううぅうっ!?」
眞由美は結合部に重みを掛けられ続けていた。膣肉も竦み上がって、射精中の巨根をがむしゃらに抱きしめる。
本日二度目のオルガスムスが──女体の芯で大爆発だった。
「うぁあっ! ひ、ひぃいっ! イクッ! やひひぃいぅううあぁおっ!? イクのっ、イクイクッ、イクぅうっぁぁああぁぁおぉおおっ! うぅううくぅぅうあっ、あはあぁぁあああんぅううやぁぁぁぁあああっ!」
アクメの声は大ボリュームで、公園の外まで飛び出てしまいそう。
果てている途中の肉棒を圧迫され、鼓膜までガンガン揺さぶられ、正太郎も目の前で白い星が飛び交う。
「う、ぉ、ぉおぉお……おっ!?」
しかし彼はヘタれなかった。敏感な亀頭を膣奥へ押し当て続ける。
「ぅ、ぁっ、や、やぁあっ!? もうっ……こ、壊……れっ……うぃひぃいいっ!?」
「眞由美さんっ! まだですっ! まだっ、俺っ……出せそうですっ!」
美人探偵に狂乱の涙を流させ続ける青年は──。
『勉強』次第で──。
まだまだ成長の余地がありそうだった。
ペニスを秘所から抜いた時、正太郎の疲労は相当なものとなっていた。
「ふ……く……」
眞由美へ倒れ込むのを避けるため、彼女の隣でゴロンと横たわる。
仰向けになると、何本もの木が視界に入った。枝と葉の隙間からは、夜空も見える。
「ふ、ぅぅうっ……」
公共の場で淫らな行為に耽り、しかもペニスを出しっぱなしなのに、想い人と頭を並べて寝そべると、変な清々しさを感じた。
「……起きてますか? 眞由美さん……」
「ぅん……ええ……ここで寝ちゃったら……大変だもの……ね……」
眞由美の返事は、ひどくぼやけていた。満足そうではあるのだが、気を失う寸前のよう。
これはヤリすぎだったかもしれない。
とはいえ少し休めば、正太郎の方が体力を回復できるだろう。そうすれば、探偵事務所まで送っていける。
心身ともに立ち直りの早いのが、彼の取り柄だ。
だから、今は気持ち良く横たわる。
(……俺、これからも眞由美さんの傍に居たい……)
正太郎の気持ちは憧れを通り越して、すでに確固たる恋情となっていた。
しかし大きな問題がある。今でも弁護士になりたいのだ。
司法試験を見据えるのなら、探偵事務所で長くは働けないだろう。源元教授から指示されたスパイの期間だって、残りひと月ちょっとしかない。
果たしてどうするのがベストなのか。
(早く……答えを見つけないと……な……)
と、そこで自分がうつらうつらしかけているのに気付いた。
回復を待っていたつもりが、これ以上のんびりしていたら、熟睡しかねない。
「眞由美さ……いえ、所長」
「……ぇ……?」
「そろそろ、公園から出ませんか? 眠いようなら、俺がおぶっていきますよ?」
「うん、じゃあ……お願い……」
トロンと小さく笑う眞由美。彼女の顔は、青年を信じきっているように、ひたすら無防備だった。
第四章 探偵の嘘とアダルトグッズ
玉村探偵事務所で働くようになってから、二週間と少し。三度目の火曜日。