「うあっ!? あぁうっ!?」
「しばらくはイカずに頑張ってね。スパイに失敗しちゃった正太郎君?」
まるでこれは拷問に耐えるお勉強でもあるのだとばかり、女探偵は言葉で意地悪く嬲ってくる。
手コキは次第にスピードアップ。それを手伝うように、スベスベしていた掌へ、我慢汁が纏わりついていく。音はブチュブチュと粘っこく、感触の卑猥さもうなぎ上りだ。しかも。
「やだ……ヌルッて滑っちゃいそうよ……」
逃がすまいと言いたげに、握る力まで強まった。おかげで竿の全方位から、重みが加わる。
眞由美の手は下まで行くと、牡肉の表面を張りつめさせて、痛いほどの疼きを練り込んだ。
上った時にはエラへ衝突し、火花が散るような肉悦を生んだ。
さらに何度か止まっては、極太の竿を揉む動き。ピストンで刺激が切り替わるのも強烈だが、一つの場所に留まられると、快感は同じ形のまま強まっていく。
「あ、う、くぐぅっ!?」
入り乱れる官能の渦に、もはや何をされているかも分からなくなりそうな正太郎だった。
彼はのけぞりながら、唇のみならず、目も閉じる。ソファーの上で、両手を握り拳に変える。
ここまでしなければ、射精を防ぎきれないのだ。まだ扱かれ始めて、二分かそこらなのに。
とはいえ、耳までは塞ぎきれない。
「ふふっ。優しかったお兄さんが、おちんちんにこんなことされてるなんて……野呂君も井上さんも、夢にも思わないわよね?」
「う、ぎっ!?」
「あはっ、おちんちんが大きく跳ねたわよ、正太郎君?」
正太郎は歯を食いしばりながら、首を横へ振る。なのに、眞由美も容赦ない。
「ほら負けないで、正太郎君っ。これはお勉強なんだから、まだまだイッちゃ駄目なのよ?」
手コキに捻る動きまで加えてくる彼女。竿の皮が捩れれば、まるで着火するかのように、芯への刺激も倍加する。
正太郎は汗をかきながら、今にも昇って来かねない精液を、尿道の奥へ押し込もうと踏ん張った。
しかし、もう長く続くとは思えない。切迫感は凶悪で、心臓を破裂させてしまいそう。
むしろ、無理にイクまいと足掻くせいで、限界以上の子種が集まってきた。
達する瞬間、果たしてどれほどの快楽が突き抜けていくのか。それなりに度胸がある彼も、空恐ろしくなる。
だが、眞由美は意地悪な責め役に徹するつもりらしかった。
「駄目よ、駄ぁ目。もうちょっとだけ頑張ってみて?」
右手をそのままに言いながら、隣へ腰かけてくる。
女体でソファーがたわめば、正太郎もそちらへ傾きかけた。視覚を封じている彼にとっては、美女の体温が鮮烈だ。
さらに女探偵は、青年が着ていた半袖シャツのボタンを、左手だけで器用に外し始める。
「待って、ください……」
「うふふ……却下。正太郎君をもっとあられもない格好にしてあげる……」
なすすべもなく服が乱されていった。
そして半袖シャツを開き切った眞由美は、下着のシャツまでたくし上げてしまう。
「あ、女の子みたいに乳首が勃ってるのね……。見た目は逞しい男の子なのに」
羞恥を煽るセリフを吐くや、顔を胸板へ降ろしてきて──。
「んむむっ、んぅえろ……っ」
新たに開始されたのは、痴女のような乳首舐めだった。
掌と違い、舌先はヌルヌル濡れながら、淫靡にザラついている。これをのたくらせ、ヤスリのようにも使うから、転がされた乳首へは過剰な痺れが殺到した。しかも五秒、十秒と継続される。
「う、ぎ、くぅううっ!?」
ペニスがここまで感じることすら知らなかった初心な青年なのだ。乳首舐めの感触は、正しく衝撃だった。
今にも乳首がパンクしそう。しかし、踏みこたえようと意識をそちらへ傾ければ、途端に巨根が爆ぜかける。
眞由美は一旦顔を上げ、左手で濡れた乳首を捏ね捏ねしながら、
「正太郎君って、胸まで初々しいのね?」
「は、くおっ!」
恥辱に尿道を絞るが、舌遣いもすぐ戻ってきて、さっき以上に唾液を塗りたくっていく。
かと思えば、眞由美は艶っぽい唇で、吸引まで加えてきた。尖りきった性感帯をさらに引っ張りながら、舌による往復ビンタ。軽く叩かれるだけでも、突起の疼きは爆発的だ。
「んぇ……おっ、あぉむっ……んふぁあお……っ」
おおげさに響く籠った声は、眞由美流のオマケだろうか。さらについでとばかり、ペニスが左右へ振り回される。
上から下から、急所をピンポイントで追いつめる波状攻撃に、正太郎は声も子種も、止めきれなくなった。
「で、出る! もう出ます! 眞由美さん……俺、限界なんですっ、すみませんっ、イクぅうっ!?」
無様に悲鳴を上げたことで、精液の質感を余計に意識してしまう。腹筋の収縮も、肉竿の底へ力を送ることになった。
ドクン!
子種が竿の途中までせり上がってきた。粘膜の道が、乱暴に押しのけられる。
本当にこれ以上は無理だ。
「出ます! 所ちょっ……うぐ、うっ……ま、眞由美さぅうんぅうっ!」
すると、いきなり眞由美の声音が変わった。
「ええ、いいわっ。んっ……初めてなのに、頑張ったわねっ。もう好きなだけ出していいの……っ。私で……イッて……っ……!」
さんざん苛めてきたくせに、ここで甘やかすセリフ。さながら飴と鞭だ。しかも彼女も本当は昂ぶっていたかのように、口調へ懇願の色を混じらせる。