女探偵眞由美の誘惑事件簿

だが、暴れる間にも精液は昇ってきた。それを無理に抑えれば、切迫感が延々持続する。

「しょ、正太郎君っ……やうっ、イッ……てっ、イッ、ぃいひっ……!?」

女探偵と愉悦を押し付け合いながら、もう正太郎は自分達がどうなっているか分からない。それでも一際強くほじった瞬間、眞由美が吐き出したセリフだけは、はっきり聞き取れた。

「んぁうううっ!? わ、分かったからぁっ! 私っ、イクから……くぁあんうっ! あ、あなたもっ……正太郎君もっ……ィッ、イッてぇえっ!」

「う、ぎっ!」

ずっと聞きたかった、『イク』という予告。

思わず正太郎は、擦ったポイント上で指が固まってしまう。後は振動を送り続けるのが精一杯だ。とはいえ、その一点こそ眞由美の弱点だったらしい。

「ひはぅうん! イッ……イクぅううっ!? 私っ、本当にイカされちゃうぅうんっ!」

女探偵の抑えきれない声を聞きながら、ペニスの中もいっぺんに開いた。白濁の奔流は痛烈で、尿道を突っ切った後、虚空へビュルッ、ビュルルッと飛び上がる。

眞由美からは、それが噴水さながらに見えたことだろう。

「や、あっ……あっ……ぉ、ひぃいんっ!? 出てるぅっ! 正太郎君のがっ……すごく近くでっ! しょ、おぉうっ! 正太郎っ……くぅぅううぅううんっ!」

スペルマの臭気にやられ、指戯にもやられ、眞由美の秘洞が収縮をした。ただでさえ狭かったのが、荒っぽい愛撫を巻き取りかねない窮屈さに変わる。

「う、ぁっ!?」

正太郎は神経まで縛られるようだった。しかし唸りながらも、奉仕は止めない。襞と指とを小刻みな動きでぶつけ合う。

「あ、ひぃいいううっ!? んくっ、ふ、ぅ、ううぅうっ! ぅあっ、うっ、あぁうっ! ひぅぅううぅふぅうううぅうっ!」

いつの間にか、眞由美は唇を正太郎の太腿に押し付けていた。

懸命に嬌声を押し殺しつつ、ブルブル痙攣しっぱなし。特に下半身は抱えきれない法悦を追い出すかの如く、断続的に波打ち続ける。

(もしかして眞由美さん、イッてる……っ!?)

それはおおげさでなく、正太郎が待ち焦がれた瞬間だ。昂ぶりに手が震えてしまい、食い締めてくる膣肉を尚も抉り抜く。

「んひっ!? ひ、ひぃぃいいうぅうぅうんぅうううっ!」

内からノックされた眞由美も、尻たぶをふしだらに飛び跳ねさせた。

もう間違いない。自分は憧れの女探偵を昇天させられたのだ。

だが、彼は一つ勘違いをしていた。

眞由美はイッたのではない。イキ続けているのだ。

「ひぅううんっ! くひっ、ひっ、ひゃめっ……ゆっ、ぃひぎっ!? んぅうううっ!? もうっ……イッてっ……イッた……か、らぁうぅうううっ!」

女探偵のあられもない悲鳴は、唇に蓋をしつつも、夜の公園へ垂れ流され続けた。

「はぁっ……ん、は、はぁっ……ぁ、はぁあっ……」

「ふうっ、ふぅっ……ふぅぅ……っ」

シックスナインが終わり、正太郎達は公園の地面に寝転んで、オルガスムスの余韻を味わっていた。

すでにペニスからも、精液の大部分が拭き取られている。眞由美がポケットから出したティッシュで、綺麗にしてくれたのだ。

青年の上から退いた女探偵は今、身を反転させた仰向けの形で、木々をぼんやり見上げている。

正太郎も、四肢を弛緩させて寝そべっていると心地よかった。しかし、ここで誰か通りかかれば、通報されかねない。

「く、お……っ」

彼は半身を起こし、眞由美の顔を覗き込む。

「あっ……駄目よ……私……すごい顔になってるものっ……」

眞由美が決まり悪そうに、右腕で表情を隠した。確かに、少しだけ見えた彼女はしどけない。

頬は赤らみ、汗びっしょり。口紅を洗い流さんばかりに、唇へ唾液と先走り汁がこびり付いており、セミロングの髪もグシャグシャだ。

だが正太郎の目には、それらがすこぶる魅惑的だった。

「今の眞由美さんだって……すごく可愛いですよ……」

「も、もうっ……からかわないのっ……」

青年の感想は、照れ混じりに拒まれてしまった。しかし眞由美は、一呼吸の間を置いた後、詠嘆気味に口調を変える。

「……私……まだ三回目なのに、君の手でイカされちゃったのね……。あっという間に、教えることがなくなりそうだわ……」

「え、そ、それは……っ」

正太郎は慌てた。眞由美と致せなくなるのは嫌だし、まだまだ教えてもらいたいことは多い。

そこで眞由美が腕を目元からどけた。

「ふふ……正太郎君のエッチ」

彼女もだんだんペースを取り戻せてきたようだ。

顔が熱くなる正太郎だが、エロ認定された以上、気取らずにリクエストをしてみたい。

「眞由美さん……俺、キスの仕方も教えてほしいです」

まだ一度も彼女と口付けをしていないのだ。というより、誰かとキスしたこと自体ない。

「初めてのキスは、眞由美さんとがいいんです」

「だ……駄目よ……」

「え?」

「私の唇、今はベタベタだもの……」

返事に困る正太郎へ、彼女が苦笑気味に目を細めた。

「そんながっかりした顔しないで? 私……次は場所を変えて、正太郎君の別の初めてをもらっちゃおうって企んでるんだから」

「と、いうと?」

「ふふっ……、初めての……。コンドームを使わない……。生セックス」

挑発するように、眞由美は一語一語を区切って発音する。しかし内容が衝撃的すぎて、正太郎は咄嗟に飲み込めなかった。