恥辱の風習 捧げられた新妻

「あ、あの、ここは自宅じゃないし……んっ」

制止の言葉も聞かず、正一は瑞穂の両足を執拗に撫でさすっている。しかもそのタッチは徐々に強くなり、いやらしい圧迫が加わっていた。

瑞穂は夫らしからぬ行動に戸惑いを覚えつつ、彩香に気づかれるのではないかと思うと落ち着かなかった。

「大丈夫だよ、瑞穂。彼女は離れた部屋にいるから気づかれないさ」

「そういう問題じゃ……あっ」

夫の指が股間近くをさすり、思わずビクンと下肢を痙攣させた。

いくら相手が愛しい夫でも、さすがに悪戯が過ぎる。軽くはね除けようとするが、酔いが残っていて体に力が入らなかった。

「おっと大丈夫かい、瑞穂」

「嫌だわ。私、ちょっと飲みすぎたみたい……」

「なら、そのまま横になっているといい。僕のことは気にしないで──」

囁きながら、なおも瑞穂の体を弄る正一。

しなやかな指遣いが引き締まったふくらはぎや膝の裏を、さらには肉づきのよい太ももの内側を撫でていく。くすぐったさと快感の中間のような感触が両足にジンと染み渡る。

「ね、ねえ、そんなことしないで。恥ずかしいわ」

「こんな色っぽい体を前にして何もしないなんて……ふうっ、あり得ないよ」

興奮のためか、くぐもった声が耳朶を打つ。

(どうしたのかしら、正一さん?)

夫にしてはやけに積極的な態度に違和感を覚えた。

おまけにここは彩香の家だというのに──。

もっとも最近はご無沙汰だったから、正一のほうもひそかに溜まっていたのかもしれない。

少しくらい大胆な行動は大目に見るべきだろうか。

と、

「えっ……!?」

突然、正一が瑞穂のスカートをからげてパンティに指先を近づけた。

かと思うと、そのまま強引にクロッチ部をずらしてしまう。いきなりの行動で呆気にとられ、止める暇もなかった。

「ち、ちょっと、あなた!?」

「彩香さんに聞こえるから、大きな声は上げないでくれよ」

正一は釘を刺しながら、困惑する彼女に構わずクロッチをずらした妻の秘園に熱い視線を注ぐ。

剥き出しにされた秘所にヒヤリとした冷気が染みた。

瑞穂のそこは性経験の少なさを反映してか、乙女のように色素の薄いピンクで、二枚の肉唇の盛り上がりもごくわずかだ。

すっと通ったクレヴァスは処女さながらにぴったりと合わさっており、わずかな綻びからその奥に向かって幾重もの襞肉層が窺えた。

秘毛も薄めで二枚のラヴィアを覆うように楕円に生えそろっている。

「薄暗くてよく見えないのが残念だよ、瑞穂……」

ふうっ、ふうっ、と興奮の吐息で淡い陰毛がそよいだ。

(ああ、見られてる……こんなにじっくりと……)

愛する夫に性器を凝視されている羞恥で背筋がジンと痺れた。

「……はうっ!?」

おもむろに正一が瑞穂の長い両足を両手で左右に割り広げ、その中心部に顔を埋める。

ふたたびクロッチをずらして秘所を露わにされた。湿った水音を鳴らし、内部を押し広げながら奥へと押し入ってくる夫の舌に、瑞穂は切ない喘ぎを漏らす。

今までの夫婦生活が比較的淡白だったこともあり、クンニリングスをされたのは二十五年間の人生で初めての体験だった。

「くくく、これが瑞穂の味か……!」

夫らしからぬ野卑な感想だった。

女にとって一番恥ずかしい場所を唇と舌で愛撫されているのだと思うと、相手が愛する夫とはいえ、やはり照れと気恥ずかしさが抜けない。しかも今日はまだ洗っていないため、一日分の汗や汚れが付着しているはずだ。

しかし気恥ずかしさや、汚い場所を舐められているという禁忌の気持ちさえも、意外なほど巧みな舌の動きによって徐々に薄れていく。

「やぁっ、そ、そんな……ん、とこ、ろぉ……ああ」

肉の唇にぴったりと押し当てられた夫の唇から荒い吐息が内部に吹きかけられる。

膣粘膜が悦びでぜんどうし、うねる舌を歓迎するようにくるみこんだ。

ぐちゅ、ぐちゅっ、と湿りを増した膣内を夫の舌肉がかき回していく。

複雑に入り組んだ襞を舌先でこじるようにしてほぐし、舌の裏で圧迫し、徐々に圧迫刺激を強めていく。

まるで別の生き物のようにうごめく舌で内部を擦り上げられるのが気持ちよかった。

今までの夫婦生活では一度も体験したことがない新鮮な刺激感だ。

さらに正一はクンニリングスを続けながら、指先でクリトリスを優しく押し潰してきた。

指の腹で円を描くようにして最初は優しく、徐々に圧力が強まっていく。

夫の指腹の下で、むくり、と包皮越しにクリトリスが目を覚ます気配があった。血流が増し、肉真珠の体積が肥大していくのが自分で分かる。

「ここが弱いんだね、瑞穂」

彼女の反応を敏感に察知した夫が指の力を強め、ぐいいっ、といきなり強く押し潰してきた。

「あっ、そんなに、ぃ……あぁっ……」

敏感な淫芽は遠慮のない圧迫による快感でさらに膨張を増す。

むく、むく、と夫の指に触れながら肥大化していくクリトリス。自分の欲情の証を彼に知覚されているようで、瑞穂の芯に羞恥の熱が籠もった。

駄目、こんなのはしたない──分かっていても、高まり始めた肉悦は彼女自身にも押し止められない。

膣内への舌刺激とクリトリスへの指刺激、二種類の責めを同時に受けて、我知らず両足をひくつかせてしまう。

「あ、はぁっ……ん、はぅっ……!」