恥辱の風習 捧げられた新妻

指をペニスに見立てた疑似的なセックスだ。じゅく、じゅく、と愛液が透明な飛沫となって、指と膣の結合部からこぼれ落ちる。

「あぐ……く、ぅ……んっ」

瑞穂は慌てて唇を噛み、声が漏れそうになるのを押し殺した。

「み、瑞穂っ」

正一が悲痛な声を上げる。

夫に姦通を目撃されているという事実が背徳感を強烈に煽り、下腹部を熱く火照らせる。特に指を入れられている膣内は燃え上がっていた。秘孔の内部がひとりでにキュッと収縮して、憎い男の指を締めつけてしまう。

まるで男根を迎え入れ、歓迎するときのような反応だった。

(どうして……!? 私、こんな状況で感じて……いいえ、そんなはずはないわ)

自分でも理由が分からずに混乱する。

だが、この反応は初めてのものではないことを無意識のうちに理解していた。

夫が寝入っている傍で焼き鳥ファックを受けたときも──。

豊稲祭で輪姦された上に、少年たちの筆おろしをしたときも──。

シチュエーションの背徳性が、いつの間にか瑞穂にとって官能のツボと化していたのかもしれない。

今さらながらにその事実に気づいた瞬間、郷田の指が根元まで押しこまれた。

「ふあ、うっ……!」

ペニスに比べればはるかに細いとはいえ、強引な挿入による圧迫感に、瑞穂は悲鳴混じりの呻きを漏らした。硬い指先が膣の中腹をこりっと引っかいている。下腹部が軽く痙攣し、膣の内部にまでその震えが伝播した。

「奥のほうが気持ちいいんだったよな、奥さん」

耳朶に唇をつけて囁きながら、郷田が指を深く出し入れする。

さらに空いた手で胸元をまさぐり、ブラウスの上から豊満なバストを力強く揉みしだいた。ぐに、ぐにぃぃっ、とブラジャーが悲鳴を上げそうなほど強く、鷲掴み状態で絞り立てる。

胸の芯に重く響く痛みと、その痛みと紙一重で生じる愉悦。

二つの感覚が交互に訪れ、瑞穂の性感をボウッと燃やす。

「はあ、はあ……も、もうやめて……やめてください……」

夫が見ている前で乱れるわけにはいかない、という倫理観で、瑞穂は息も絶え絶えだった。

「おっと、まだヨガるんじゃねぇぞ。本番はこれからなんだからな」

郷田の笑みが深まるのを見て、瑞穂は嫌な予感を覚えた。

すでに、他の男の指戯によって夫の前で肉悦を露わにするという最悪の事態を経験しているというのに。

それすらも前座に過ぎないのではないか、という不吉な予感が。

その予感を裏付けるように、瑞穂を羽交い締めにしている男たちがグイッと力を込めて、彼女を無理やり座らせた。

「村長、お願いします」

「ようやく瑞穂さんを抱けるわけか、ひひひ」

郷田が促すと、いやらしい笑い声とともに人の波をかき分けて小柄な影が現れた。

瑞穂はハッと顔をこわばらせた。

目の前にいるのは──村長の増山だ。

枯れ木のような細身に黒い羽織と着物、長襦袢といういつもの和装姿。

皺だらけの顔には、ヒヒ爺という形容がぴったりのいやらしい笑みが浮かんでいた。

村の飲み会で彼からセクハラ的な言動を受けたときに感じた彼への嫌悪感があらためて甦ってきた。

(こんな男に体を許すわけにはいかないわ……!)

しかも夫が見ている前で──。

「村長まで! もうやめてください、皆どうかしてる!」

その正一が今まで以上に体をばたつかせながら怒声を上げた。こめかみに青筋が浮き、温厚な彼が最大級の怒りを露わにしていた。

「ひひひ」

が、増山のほうは動じることなくしわがれた笑みをこぼし、瑞穂の前にしゃがみこむ。骨ばった手でブラウスの胸元をまくりあげた。さらにブラジャーも外してしまうと、露出した裸の乳房を鷲掴みにする。意外にしっかりとした力で新妻の丸い双丘を揉んできた。

「ああ……」

乳肌に伝わる皺だらけの五指の感触に、瑞穂はため息を漏らした。

若者に比べれば握力はないが、代わりにねっとりと乳房の感触を味わい、じわりじわりと性感を引き出していこうという老獪さを感じさせる揉み方だ。

美しいお椀型を誇る新妻の乳房が、老いた指遣いに合わせて徐々に潰れ、そして二十五歳の若々しい張りによって元の形へと復元する。

その弾力感を楽しむかのように、ふたたび増山の左右の五指が彼女のバストにじわじわと食いこんでくる。緩やかに変形させられる胸の双丘に、じんわりとした甘痒い波が広がった。

時に強く、時に優しく。好々爺な外見からは意外なほど繊細な責めに、瑞穂は尻餅をついたような姿勢のまま思わず上体をよじらせた。

「ひひひ、どこが気持ちいいのかの? ここか? それとも──」

「き、気持ちよくなんてありませ……んんっ、く……」

偶然なのか、故意なのか、老人の指先に乳首を軽く弾かれ、思わず声を上げてしまった。

それを好機と見た増山は乳首をグイッと摘まみ、強く挟みこむ。

「くうっ……」

瑞穂は唇を噛みしめて呻いた。大嫌いな老人に乳房を思うさま揉みしだかれる屈辱で、頭がかあっと灼熱する。

一方で気持ちがいい場所を重点的に責められ、皺だらけの指と指の間で乳首が徐々に硬くしこり出すのを自覚せずにはいられなかった。

さらに瑞穂の両足をM字に開き、パンティをくるぶしの辺りまでずり下ろす。四つん這いになった老村長が露出した太ももの付け根に息せき切って顔を埋めた。

「い、嫌っ、そこは……あぁ……」