恥辱の風習 捧げられた新妻

力強く打ちこんでくる郷田の腰遣いに瑞穂は全身を震わせた。

リズミカルな抽送が子宮にまで響き渡り、そのたびに腰の奥に妖しい痺れが走る。

少しでもその衝撃を逃そうと、瑞穂は蜂腰を左右にくねらせた。

「くうっ、中がうねって……たまらねぇぜ」

が、その動きがかえって男の肉棒を絞り上げる結果になってしまったようだ。郷田は気持ちよさそうに口の端を吊り上げ、ますます盛んにピストンを繰り出す。

互いの体液が撹拌され、飛び散る音。

粘膜同士で摩擦する音。

肉と肉がぶつかる音。

いくつもの音が重なり合って奏でられるハーモニーに淫靡な気分を煽られた。

「んっ、ふあぁ……い、嫌……んんんっ……く、ふぅ……」

意思に反して突かれ、許してはいけない場所をえぐられるたびに膣粘膜が生々しい肉感を受けておののく。

貪られている、という実感があった。

女として──牝として求められているというリアルな体感。それは遠慮がちな夫とのセックスでは一度も味わったことのない感覚だった。

内部で火花が散るのではないかと錯覚するほどの速度で連続したスラストを浴びせられると、粘膜にじゅくじゅくとした甘痒さが染み渡っていく。

それが快感だと知覚した瞬間、下肢全体が心地よく痙攣した。

(どうして、こんなに気持ちいいの!?)

びくん、びくん、と郷田の突きこみに合わせて、ブリッジの要領で腰をぶつけ、迎え撃ってしまう。

それが郷田の快感を増す行為だと分かっていても止められなかった。

「口ではどうこう言っても、やっぱり感じてるじゃねぇか」

「違うわ、私……はぁっ、あう……感じて、なんて、ぇ……ん、くぅ……」

言葉では否定しても、女としての生理的な反応までは抑えこめない。

膣内が自然と蠕動を強め、内部に咥えこんだ憎いペニスを締めつけてしまう。

「ぐうっ、こいつは……たまらんなっ」

郷田の腰遣いが切迫したリズムへと変化した。

長いストロークで叩きつけるような動きから、小刻みにがつがつと連続して突くような動きへと。

男の限界が近いのだと悟り、快感でぼうっと痺れていた理性が急速に目を覚ました。

(まさか、このまま中で出すつもり……!?)

込み上げる不安で胃の底がズンと重くなり、全身の毛穴が開く。

膣内射精だけは許容するわけにはいかなかった。

騙されて体を奪われただけでなく、夫以外の男の子を身籠もってしまうなど、あってはならない最悪の事態だ。今日は危険日ではないとはいえ、妊娠するリスクは決してゼロではない。

「あ、あの、お願いだから外に──あうんっ」

せめて膣外への射精を懇願しようとしたとたん、郷田が深く腰を遣った。長大な肉根が根元まで突き入れられ、互いの恥骨がぶつかり合う。膨らみきった亀頭で子宮の入り口を衝かれて息が詰まった。

「はぁっ、だ、駄目っ、あ、ああっ……そんなに、強く……はぁぁぁ……んっ……!」

拒絶の言葉を発するタイミングを失っているうちに、郷田はフィニッシュに向けて腰遣いを加速させる。

「ううっ、出すぞぉっ……!」

「ま、待って、中はやめて!」

制止しようとした瞬間、郷田が深々と貫いた姿勢のまま、ブルブルと小刻みに腰を震わせた。膣に咥えこまされた太幹が力強く脈動し、大量のスペルマを瑞穂の最奥にドクドクと注ぎこむ。

「嫌ぁぁぁっ……!」

胎内にドロリとした濃厚な樹液をぶちまけられたのを感じ、瑞穂は切ない悲鳴を上げた。

下腹部がカッと灼熱する。久しぶりに味わう膣内射精の感触は驚くほど熱く、腰の芯から脳髄までを激しい電流で貫かれたような感覚だった。

「ああっ、熱っ……やぁっ、ま、まだ出て……ああああ……」

呆然と目を見開き、瑞穂は忌まわしい射精が一刻も早く終わることを願った。

だがその願いとは裏腹に、郷田の精液は後から後から放出され膣いっぱいにあふれ返る。

「ふう、すっきりしたぜ。こんなに気持ちのいい射精は久しぶりだ、へへ」

郷田は最後の一滴まで注ぎこみ、満足げに腰を揺すると、ゆっくりと瑞穂の中から肉棒を引き抜いた。

大量の射精を終えた後だというのに、中年男の逸物はなおも硬度を保ち、雄々しく反り返っている。

赤黒い亀頭は体液にまみれてテラテラと輝き、鈴口から垂れ落ちる白濁した精は長い糸を引いて瑞穂の膣孔とつながっていた。

第三章 宴の席で背徳の3P

翌日の夕方、ようやく正一が家に戻ってきた。

「お帰りなさい、あなた」

玄関先で夫の顔を見たとたんに安堵のあまり全身の力が抜け、瑞穂は深々と息を吐き出す。ずっと張り詰めていたものから解放されたような気分だった。ここ二日ほどの自分は本当に気が張っていたのだとあらためて実感する。

「どうかしたのかい、瑞穂? なんだか疲れているようだけど」

正一が怪訝な顔をした。

「ううん、平気よ。久しぶりにあなたの顔を見れてホッとしただけ」

「久しぶりって……三日離れていただけだよ?」

「あ、ちょっと冷たい。私、すごく待ち遠しく思ってたのよ」

「あはは、ごめんごめん。僕も寂しかったよ」

お互いに声を出して笑い合う。

こうして顔を合わせると、やはり自分が愛しているのはこの人だけだと確信できた。

卑劣な手段で騙されて郷田に体を汚されてしまったが、心までは汚されていない。汚されるはずがない。