直腸粘膜が燃え上がるような愉悦で下肢全体が甘美に痙攣した。
「くうっ、なんてケツ穴だ……! な、中でうねって、貼りついて……しかも、どんどん……うああ、し、締めつけ……くおっ、だ、駄目だっ……!」
歓喜の叫びを上げた男の腰遣いが次第に切迫したものになっていく。
射精のときが近いことを予感し、彩香は口元に微笑を浮かべた。
全体重を込めて打ちこんでくる男のストロークを、余裕のある腰遣いで迎え撃ってみせる。
とはいえ、彼女自身も全身を甘ったるく満たす肉悦によってオルガスムスに近づいているのは事実だった。
(先にイカされてしまうのも癪に障るわね。その前に絞り取ってあげるわ)
性経験豊富な彩香は自尊心露わに、腰の動きを変化させた。
相手のピストンに合わせて自らも腰を撃ちつけるような動きから、前後左右に豊尻をくねらせ、直腸内部に咥えこんでいるペニスに不規則な圧迫を加える変幻自在の動きへと──。
「くあああっ……な、なんだこれ、す、すげえ……!?」
妖しく波打ち、亀頭から付け根までを満遍なく絞り上げる腸粘膜の刺激に、男は悲鳴混じりの嬌声を漏らした。
「ああっ、出る!」
男の肉根が直腸内部でググーッと膨らんだかと思うと、熱い奔流が猛烈な勢いで注ぎこまれた。
「はぁぁぁぁぁっ、熱いの、びゅくびゅく出てるぅぅぅ……!」
津波のように荒れ狂う大量の精液を排泄器官で受け止めながら、彩香もまた絶頂に達した。
白濁した樹液で腸粘膜をドロドロに汚されていく感覚がたまらなく心地いい。
敏感な直腸壁腰に、男のペニスが絶頂の痙攣に震えている様子を感じ取り、彩香はほくそ笑みながらなおも下半身を貫く甘美なエクスタシーに浸った。
迸る子種液は後から後から注ぎこまれては、腸内を満たしていく。
しかも狭苦しいアナルは徐々に萎えていくペニスをなおもギュウギュウと締めつけ、最後の一滴を吐き出すまで決して離そうとはしなかった。
まるで男の精を絞り尽くして殺すという、神話に登場する淫魔のように──。
二度にわたる射精を終えた男はのろのろとした足取りで出ていった。
たっぷりと精を絞り尽くされたせいか、その顔は心なしげっそりとしているように見える。
そんな後ろ姿を淫蕩に微笑みながら見送っていると、彼が去るのを待っていたかのように部屋の障子戸が開いた。
「ふふ、次はあなたの番ね。待たせた分、たっぷりとサービスしてあげる──」
言いかけたところで、夫の他にもう一人いることに気づく。
「彩香、またお客さんだ。今日は多いな、まったく」
苦笑混じりに告げた夫の隣に立っているのは、近隣で大工を営む一人の中年男だった。
「へへへ、俺の相手もしてくれよ、奥さん」
ジロジロとこちらを見つめる男の視線を、彩香は裸体を隠そうともせずに余裕のある態度で受け止めてみせた。
新鮮な男のスペルマをたっぷり呑みこんだことで熟れた柔肌は艶を増し、白く輝かんばかりだ。
薔薇色に上気した一メートル近いサイズを誇るバストが、男を誘うように重量感たっぷりに揺れる。美しいS字を描くくびれた腰から豊かに発達した双尻まではしっとりとした汗に濡れ、妖しい光沢を放っていた。
そして、先ほどまで夫以外の男のペニスを咥えこんでいた秘裂は文字通りクレヴァスのように開きっぱなしで、その奥からは生臭い匂いを放ちながら白濁の樹液がまだ垂れ落ちていた。
男は爛々と目を輝かせ、彩香の頭からつま先までをまさしく舐めるように見つめている。
そんなストレートな欲情をぶつけてくるような視線を浴びて、先ほど二度も男の精を受け止めたばかりだというのに子宮がずきんと疼いた。
夫は苦笑を濃くして、彩香と男を交互に見つめる。
「どうする? さっき終わったばかりだし、無理にとは言わんが」
「大丈夫よ。さっきの彼だけじゃ物足りなかったし、ちょうどよかったわ」
彩香は彼らに見せつけるようにして汗で滑るグラマラスな裸身をくねらせた。
ぶるん、ぶるん、とダイナミックに揺れる双乳に、男の視線が釘付けになっているのが分かる。
ムクムクとズボンの股間にテントを張るのを見て、彩香は満足の息を吐き出した。
一方の夫は呆れ顔だ。
「おいおい、まだ満足してなかったのか」
「あら、あなたが一番よく知っているはずでしょう? 私がこういう女だって」
艶然と微笑んだ彩香は、そのまま男に体を寄せると、首に両腕を回して抱きついた。
顔を寄せて挨拶代わりのキスをする。
「む、ふぅっ……!?」
驚き、戸惑った様子の男にはおかまいなしにキスを続けた。
ちらりと横目で夫に視線をやり、見せつけるように舌を絡め合うディープキスへと移行する。
ねっとりとキスをしながら男の股間を撫でさすり、ズボン越しに肉棒を刺激してやった。ズボンの分厚い布地越しに熱を感じられるほど、そこは高ぶり、むくむくと大きくなっていく。
「ふふ、元気……ちゅ、れろ……ね、もうこんな……大き……んっ」
「彩香……!」
呆れ顔だった夫だが、ちゅ、むちゅ、と唾液の音を立てて口づけを続けていると、次第に興奮したように顔を紅潮させ始めた。
やはり夫の性癖は根っからの寝取らせだ。
内心でほくそ笑みながら、彩香はなおも男の唇を貪り、たっぷりと舌を吸ったところでようやく口を離した。