恥辱の風習 捧げられた新妻

しばらくして藤野が引き抜くと、ふたたび郷田がペニスを押しつけてくる。

右から、左から。息の合ったコンビネーションだった。

「ぐ、ふむ……ちゅ、れろ……」

代わる代わる二本のペニスを咥えさせられると、二人の違いがはっきりと分かる。

太く逞しい郷田の肉棒に対し、藤野のモノは長く硬い。

また鈴口から漏れ出てくるカウパーは郷田のほうが豊潤で、藤野のほうは味が濃密だった。

認めたくはないが、性機能という点では二人とも夫より格上だ。

半ば無意識のうちに二人の男の品評をしている自分に気づき、瑞穂は戦慄した。

無理やりフェラチオ奉仕をさせられているというのに、これでは自分のほうから嬉々として男のモノを咥え、味わっているみたいではないか。

貞淑を旨とする人妻が、淫蕩な娼婦に堕落するわけにはいかない。

(いけないわ、気をしっかり持たないと──)

瑞穂は必死で自分を叱咤しながら、込み上げる嫌悪感を押し殺して男たちの性器に奉仕を続けた。

郷田と藤野の熱い先端部が左右から頬をなぞり、唇を押す。二人分の先走り液が混じり合い、瑞穂の唇をテラテラと濡らした。

ペニスから漂う饐えた性臭も当然二倍になっていて、その匂いが、二人分のペニスを同時に咥えているのだ、という現実をあらためて突きつけてくる。

「ああ……」

瑞穂は悩ましげに喘いだ。

鼻腔を満たす濃密な匂いに頭がクラクラとした。

「そうら、また入るぞ」

郷田はわざわざ宣言すると、瑞穂の頭を上から押さえつけ、いきり立ったペニスを口内に打ちこんできた。

無理やり開かされた口の中を傲岸不遜な男の分身器官が占拠している。

呼吸が詰まり、息を吸おうとしたところで反射的に頬が窄まり、男根を締めつける結果になってしまう。

「へへへ、いいぞ。その調子だ」

満足げに笑った郷田が腰をしならせ始めた。

ふたたび口内への抽送が始まる。

フェラチオというよりも強制的な口奉仕──イラマチオに近い体勢。

唾液と先走りのカウパーでヌルヌルにコーティングされた肉茎が、瑞穂の小さな口の中を滑る。

スムーズな出し入れとともに、口の中で太いものがさらに膨らみ出した。

意に添わない口唇性技でありながら、男に快感を与えてしまっている──。人妻である瑞穂にとって悲哀でしかなかった。

「ぐうっ、この女……フェラが上達してきてるぜ」

頭上から歓喜の呻き声が聞こえたかと思うと、郷田の腰が大きくしなって、今まで以上に深いグラインドで熱い肉根を出し入れさせた。

「んっ……ぐぐぐっ……はむぅ……」

口からはみ出そうなほどの勢いで叩きつけられる連続ピストン。深々と口を貫かれるのが苦悶ではなく快感へと転じたそのとき、口いっぱいに頬張っているペニスがさらに大きく太く膨れ上がった。

「くおお、一発目、出してやるぜ!」

「んっ!? ふぅぅぅっ……!」

最大級にまで径を膨らませたペニスはそのままビクビクと震えながら、熱いスペルマを瑞穂の口の中に迸らせた。

驚くほど大量の精液が砲弾のように舌を叩き、口蓋に飛び散り、さらに喉奥にまで殺到する。

「んんっ……はむぅ……」

口内を肉棒で塞がれて吐き出すこともできない。

否応なしに憎い男の子種液を一滴余さず呑みこまされ、瑞穂は張り裂けんばかりに目を見開きながら小鼻から息を吹き出した。

「ふうっ、すっきりしたぜ」

郷田が肉竿を引き抜くと、瑞穂は息も絶え絶えにへたりこむ。

口の中が甘みと苦みの入り混じった男のエキスの味に満たされ、陶然となってしまう。

と、藤野が不満げに口を尖らせ、

「いやいや、俺はまだすっきりしてないっすよ」

「じゃあお前は下の口を使わせてもらったらどうだ?」

下劣な男たちは瑞穂の意思を完全に無視して話を進めていく。

「え、いいんですか? 本番しても」

「馬鹿、最初からそのつもりなんだろ?」

「へへ、じゃあお先いただきまーす」

藤野が今どきの若者の軽いノリそのままに瑞穂を押し倒した。

「あっ……」

脱力してへたりこんでいた彼女は為す術もなく組み伏せられてしまう。

まるで予定調和の行動のようにスラリとした両足を割り開かれ、パンティを横にずらされる。秘所が露出したところで腰を押し進められ、さすがにハッと身をこわばらせた。

「ま、待って、そこは駄目っ」

口を犯されるのと秘所にペニスを受け入れるのでは、まるで意味合いが違う。

前回肌を許したのは、郷田に騙されたという大義名分があった。相手が正一だと思っていたから進んで体を開いたのだ。

だが、今は相手が夫以外の男だとはっきり認識している状況である。

そんな状況で股を開いてしまったら、今度こそ言い訳のしようがなかった。本当に夫を裏切ることになってしまう。

「だから絶対に駄目……! あうっ……」

まだ心の準備ができていない瑞穂をよそに、藤野は欲望のおもむくままに熱くたぎった男根をわずかに開いた女の入り口に押し当てた。

「嫌っ、入れないでっ……んっ!?」

ずぶぶぶぶぶぅぅぅぅぅっ!

必死の制止も空しく、藤野がグッと腰に体重をかけてきたかと思うと、そのまま長く硬い男性器が一気に押し入ってきた。

「あぁぁぁぁ……」

瑞穂はか細い悲鳴とともに全身を戦慄わななかせ、細いおとがいをがくんと仰け反らせた。

入ってはいけないモノが侵入している。