さらに何人かは、瑞穂のほうに向かってくる。
「えっ……!?」
驚きのあまり立ち尽くし、逃げるタイミングを失ってしまった。逃げなければと思ったときにはもう遅かった。
「い、嫌、来ないでっ!」
悲鳴とともに、あっという間に何人もの男たちに囲まれる。逃げ道を失った。そのまま左右から羽交い締めにされ、まず上半身の動きを封じられた。必死でもがくものの、屈強な男たちを相手にか弱い新妻が腕力でかなうはずもない。
自由な下半身をばたつかせるが、別の男たちがそれぞれ左右の足も掴むと、四肢を拘束されたまま、瑞穂は地面に引き倒された。両手両足を男たちに押さえられ、大の字で仰臥している状態で固定される。
「やめてください! 何をするんですか!?」
「何って……これが祭りだろうが、へへへ」
身動きの取れない瑞穂の顔を一人の男がにやけた笑みを浮かべつつ、跨いだ。トイレで用を足すような姿勢で腰を落とし、いきり立った逸物を彼女の口に押しつける。そのまま強引に口内へとねじこんできた。
「んぐうぅぅっ……!?」
口を閉じてペニスの侵入を防御する暇もない。遠慮の欠片もなく根元まで突き入れられ、瑞穂は目を白黒させた。人妻である彼女に対し、寄ってたかって信じられない狼藉だった。
「おう、いい塩梅だ。口の中でチンポが蕩けるみたいだぜ」
男のほうは彼女の狼狽などおかまいなしに腰を上下に振り始める。
「ぐうっ、むふぅ……!」
強引なフェラチオに目を白黒させる瑞穂。カウパーと唾液の入り混じった液体が、じゅぽっ、じゅぽっ、と抽送に合わせて弾け散った。さらに、
「へへ、俺の相手もしてくれよ」
「奥さん、こっちもだ。今日は祭りなんだから派手にいこうぜ」
強制フェラを見下ろす男たちが瑞穂の両手に何かを握らせる。
手のひらに熱く硬いものが触れた。おまけに不規則に脈動を繰り返していて、その不気味さに体が硬直する。
「えっ、これって……!?」
それが剥き出しのペニスだと気づき、新たな驚きに戦いた。口と手で同時に三本もの男性器を咥え、握らされている格好だ。
(これではまるで性処理の道具だわ……!)
人妻の尊厳を根底から踏みにじるような行為に全身の肌が粟立つ。
「おお、奥さんの口の中、湯たんぽみてぇにあったかいぜ!」
「手の感触もすべすべで……たまらねぇ!」
そんな忌避感など無関係に、男たちは好き勝手に突き入れ、瑞穂に奉仕を強要した。
この村に来るまでフェラチオの経験すらほとんどなかった瑞穂だが、郷田に仕込まれたせいで、ほとんど本能的に口内に入ってくる肉棒を舌で迎え撃ってしまう。竿に沿って温かな舌を巻きつけると、男は気持ちよさそうに喘いだ。
さらに両手に握ったペニスも、訳が分からないまま上下に扱いてやると、同じように左右の男たちも心地よさそうな声を漏らす。
(私、おかしいわ……こんなこと……ああっ)
場の雰囲気があまりにも異常で、抵抗する気力すら封じられていた。
いや、抵抗しようという気が失せてしまうのだ。まるで自分がそうするのが当然のような、不思議な感覚だった。
これが『祭』という場の備える魔力なのだろうか。
理性が徐々に薄れていくのを自覚しながら、瑞穂は頭の片隅で不思議なほど客観的に状況を分析していた。
「そうそう、お祭りなんだから……はぁっ、あんっ……楽しみましょ……瑞穂さ……んぐぅ」
すぐ傍で複数の男たちと交わっている彩香が艶然と笑った。
驚くべきことに彼女は大勢の男を受け入れながら嫌悪するどころか、享楽的にこのシチュエーションを受け入れているらしい。そして瑞穂にもそうあれ、と語りかけているのだ。
貞淑であるべき人妻を淫婦に堕落させようとする悪魔の囁きだった。
「だ、だって私たち……んぐっ、お、夫が……いるのに」
「だからお祭りだって言ったでしょう。今日は……はぁっ、あんっ……特別なのよ……うふふ、ふあぁっ」
やっぱりこんなの駄目──理性を振り絞って逃れようとする瑞穂だが、
「んぐっ、んんっ……ちゅ、む」
両足を押さえつけられた上に、三方から囲まれては逃げることも叶わない。眼前の肉棒をしゃぶり、左右の肉棒を手で擦ることしか選択肢を許されていなかった。
(どうなっているの……!? どうして、私がこんなことをさせられ……ううっ)
大勢の男たちが見守る衆人環視の状況で三本のペニスに同時奉仕するという異様なシチュエーションが、正常な思考を半ば麻痺させていた。
一心にしゃぶり、擦っていると、やがて三人は相次いで絶頂に達する。
「むぐぅっ、んんっ……あ、熱い……!」
タイミングを計ったかのように瑞穂の口内に粘り気のあるスペルマが注ぎこまれ、左右からは白濁の液が雨のように降り注ぎ、彼女の顔や首筋、胸元から巫女衣装の上衣までを汚した。
男たちが瑞穂から体を離し、力ずくで押さえられていた両足も解放される。
「はあ、はあ、はあ……」
息を乱してその場に四肢を投げ出す瑞穂。男たちはスッキリした顔で、そんな彼女を一顧だにせず去っていった。
まるで彼女が奉仕するのは当然のことだと言わんばかりの態度だ。彼らの欲望を排泄する道具のように扱われた事実に、不快と屈辱が胸を灼いた。
「よう、お楽しみだったようだな」
彼らと入れ替わりで現れたのは、郷田だった。