ぴちゃ、ぴちゅ、と汚らしい唾液をまぶされ、ヌルミを増した肉の花弁が舌先でこじ開けられた。生暖かい息を吹きかけられ、気色悪さで内腿の一面が粟立った。
ぐちゅ、ぐちゅ、と不気味な水音を鳴らしながら、村長の舌はそのまま奥へ奥へと侵入してくる。蛇のように蠢くヌメヌメとした舌肉で敏感な膣壁をこそがれ、瑞穂はすらりとした両足を痙攣させながら跳ね上げた。
「やぁっ……な、舐めちゃ、駄目ぇ……」
かさかさの唇でラヴィアへのキスを受け、性器の内部を満遍なく賞味されるような汚辱感。さらに新妻の聖域を、醜い老人にねっとりと舐められ、奥の奥までしゃぶられるおぞましさに悲鳴を上げる。
が、彼女の切なげな悲鳴を聞いても、増山は口唇愛撫を止めるどころかますます勢いづくばかりだ。尖らせた舌先で内部の粘膜を思う存分こそいできた。先ほどの乳房への責めと同じく、決して焦らず、強引にもせず、老獪さを感じさせるクンニリングスだった。
「み、見ないで、あなた」
声を上げつつも、夫のほうを振り向く勇気が湧かなかった。卑猥な村長から淫らな行為を受けている妻を、正一はどんな面持ちで見つめているのだろうか。想像するだけで罪悪感が胸中にあふれ返る。
一方の増山は皺だらけの顔に愉悦に満ちた表情を浮かべ、しゃがれた笑い声を漏らした。
「駄目だな。旦那に見せてやろうではないか、ワシらが愛し合う姿を。ひひひ」
「愛し合うですって!? なんてこと──んっ!?」
舌先で膣の中をまさぐられ、入り口から中瀬、奥に向かって丹念に舌で刺激されては、気持ちのいい場所を一つ一つ探り当てられていく。
「んぅ、ふあぁぁっ……!」
夫が見ていることも忘れ、瑞穂は我知らず嬌声を漏らした。漏らした後で反射的に正一のほうを振り向く。愛する夫は愕然とした顔で瑞穂を見つめていた。
(ああ、あなた、許して……)
夫への申し訳なさで胸が張り裂けそうだ。
「そろそろ本格的に味わわせてもらうとするかの、ひひ」
増山が唾液にまみれた秘所からゆっくりと顔を上げた。
羽織と着物を脱ぎ捨て、長襦袢も脱ぎ去って枯れ木のような裸の老体を晒す。
「い、嫌、それだけはっ……夫の見ている前では、やめてぇ!」
瑞穂は必死で首を左右に振って嫌悪の意思を示すものの、左右から屈強な男に羽交い締めにされたままでは抵抗のしようがない。
増山がふたたび彼女の両足に手をかけ、M字開脚の姿勢を強要した。剥き出しのヴァギナをあらためてヒヒ爺の前に晒す羽目になってしまう。
「ほおう、これが瑞穂さんのオマ○コか……くくく、清らかな顔をして、ここはいやらしく蠢いておるわい」
好色な視線が覆うもののない新妻の下腹部を這い回っていた。
贅肉が一切ない引き締まったみぞおちの下には、肉づきの薄い恥丘が佇み、淡く生えそろった陰毛がそこを飾り立てている。まるで処女のように綺麗な二枚の花弁はほんのわずかに綻び、その奥には複雑に折り重なった肉層が連なっていた。
本来なら夫にしか見せてはいけない場所を無遠慮に覗き込まれるのは屈辱以外の何物でもなかった。
「さあ村長、ご賞味ください」
郷田を始めとする男たちがニヤニヤと笑いながら増山を促す。
「や、やめろっ! それ以上は許さないからなっ!」
正一が横から怒声を上げた。
が、瑞穂と同じく男たちに両脇を抱えられ、身動きを封じられていては、どうにもならない。眼前で妻が他の男とセックスするという、夫として最大の屈辱をただ見ていることしかできないのだ。
「あなた……見ないで」
瑞穂は悲痛な顔で正一に告げた。
正一のほうは泣き出しそうな顔で瑞穂を見つめている。
「ひひひ、悪いな正一くん。今から君の奥さんを味見させてもらうぞ」
増山はわざわざ正一にそう宣言すると、大きく左右に開かれた両足の間に腰を進め、老人とは思えないほど雄々しく屹立した逸物を秘唇にあてがった。
「ああっ!」
ずぶ、ずぶりっ、と醜悪なペニスがゆっくりと押し入ってくる。今まで瑞穂を犯してきた男たちのような性急な挿入とはまるで違う、緩慢なインサートだった。
スローな挿入によって、夫の前で他の男に体を許すという人妻として最大の屈辱を味わわされている実感がいや増す。
少しずつ粘膜を内部に向かってめくられ、節ばったペニスで内壁を擦られる感触に下腹部がゾクゾクとする。
「くはぁっ……あぁ……は、ぁ……」
くすぐったいような、快感のような──不思議な挿入感だった。
他の男の何倍も時間をかけ、根元まで差し入れると、それだけで膣内に甘い電流が走り抜けた。
(こんな……入れられただけで、中が痺れるなんて……! 私、気持ちよくなってるの……? う、嘘よ)
自分を貫いた老人を見据えながら、瑞穂は戦慄を隠せない。膣を襲う甘美な痺れが快感であることを必死で否定する。
増山はにやけた笑みを浮かべ、腰を動かし始めた。
「んっ……ふあぁぁっ……!」
老人のピストン運動には若者のような力強さも荒々しさもない。
ゆったりと差しこんでは少しずつ引き抜く感じで、瑞穂の内部の気持ちがいい部分を一つ一つ探り当ててくる。パワフルさに欠ける代わりに、老獪さという点においてははるかに上だった。
「ああ、嫌っ……!」
自分の性感をすべて読み取られているような感覚に、瑞穂は言い知れぬ不安感に襲われた。