恥辱の風習 捧げられた新妻

(一体何が起きているの!?)

はっ、はっ、と息を切って走り続けた。赤く照らされた薄闇を進み、とうとう声の出所へとたどり着く。

篝火に照らされたその光景が視界に飛びこんできた。

「えっ……!?」

瑞穂は驚きに立ち尽くした。

そこにいたのは彩香だった。両肩が丸見えになるくらいに白い千早をはだけ、重量感のある乳房をほとんどモロ出しにしている。赤い袴もずり下ろされて、雄大な双尻がぷるぷると震えている。

半端にまとっている衣装で全裸以上に淫らな姿態を演出した彩香は地面の上で四つん這いになっており、その尻に一人の男が取りついていた。

こちらは褌を取り去り、足袋や草鞋を履いただけのほとんど全裸同然の格好だ。

豊かに張った二つの臀丘をギュッと鷲掴みにし、弾力のありそうな感触を楽しみながらグイと左右に割り開き、秘所やアナルを露わにする。ヒクヒクと待ち遠しそうに息づくそこに指先を這わせると、

「んっ、そこぉ……」

彩香は背中を弓なりにして喘いだ。ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ、とむっちりした尻肉と引き締まった男の太もものぶつかる音がリズミカルに響く。

いや、よく見れば、淫らな行為に及んでいるのは彩香とその男だけではない。

「あっ、あんっ……くうっ、も、もっとぉ……」

「やあぁ、そんなに……強くぅ……」

「へへ、グイグイ締まりやがる」

「くお、奥さん、中がヌルヌルだぜ……へへ」

照明が篝火だけなので誰が誰かまでは分からないが、周囲に無数の人影が蠢いていた。老若男女を取り交ぜたいくつもの嬌声がサラウンドとなって響き渡り、十何組もの男女がここで交わっていることを知らせている。

「ど、どういうことなの? それに彩香さんも──」

まるで動物の交尾のようにバックから貫かれながら、隣家の熟妻がゆっくりと瑞穂のほうを振り仰いだ。

「あら、やっと来たのね、瑞穂さん」

その瞳に浮かぶ淫蕩な光に射すくめられ、全身がこわばる。

(な、なんなの、これ……!? どうなっているの──)

理性が混濁していく感覚で視界が地震のように揺れる。

目の前の光景が現実のものとは思えなかった。自分は夢を見ているのではないかと錯覚する。

が、場に満ちるムンムンとした性臭も、目の前で淫らに裸身をくねらせる彩香や男の存在感も圧倒的なまでにリアルで、これが否定しようもなく現実の光景であることを示していた。

「そんなところで何を突っ立って……あんっ、い、いるの……? 早くあなたも……はぁんっ、ま、混ざってちょうだ……あはぁっ、ああっ」

背後から貫かれ、背徳の性悦を享受している彩香が妖しい視線で瑞穂を射すくめた。甘い吐息を漏らす唇で淫らな饗宴に誘う。

「な、何を……何を言ってるんですか、彩香さん……!?」

全身の震えが止まらなかった。瑞穂が見ているというのに、気にも留めないかのように野外セックスに興じる人妻と男の姿は異常の一言に尽きた。

白い千早を羽織った豊満な半裸身が歓喜にうねり、瑞穂よりさらに大きな乳房も、尻肉も、その動きに合わせて扇情的に揺れ、弾んだ。

「んちゅ、れろぉ……ふふ、しょっぱい」

さらに目の前で物欲しそうに佇む男にも手を伸ばし、褌を取り去ると、ばね仕掛けのように跳ね上がったペニスを嬉しそうに頬張る。瑞穂自身、以前に経験した焼き鳥ファックだった。

だが、ぎこちなく男たちに応えた彼女とは違い、彩香のそれは腰遣いが異様なほどスムーズだ。熟練を感じさせる腰遣いは、この体位を経験しているのが一度や二度ではないことを如実に示していた。

「ああっ、そうよ……はぁっ、い、いいわっ! もっと……もっとぉ!」

背後からの強烈なストロークを迎え撃つかのように熟尻をくねらせ、眼前の男にも遅滞なくフェラチオを施している。

「くうっ、どんどん締めつけてきやがる!」

「こ、こっちは、絞り取られるみてぇだ!」

バックで貫く男も、口奉仕を受ける男も、そろって快楽に顔を歪めた。

びく、びく、とせわしなく全身を震わせ、先ほど挿入し、あるいはフェラチオされ始めたばかりだというのに、早くも達しそうな様相だ。

初めて目にした隣家の人妻の奔放さに、瑞穂は呆然と立ち尽くしていた。

彩香の動きはますます激しく、全身を揺らしながら二人の精を絞ろうと蠢く。

「うおおっ、吸い取られ……そうだ、ぐうっ」

「お、俺もイクぞっ……!」

ほどなくして、二人はあっという間に射精にまで達した。

いや、彩香によって射精させられたというべきか。まず口の中に突っこんでいる男が放出し、続いてバックから貫いている男も彩香の胎内へしたたかに注ぎこむ。

「ああっ、濃いのが……あむっ、出てる……わっ」

口内の精液を飲み干した彩香はペニスを吐き出すと、膣内に注がれる精液にうっとりと目を細めた。ほどなくして彼女の尻から萎えた肉根が、ちゅぽん、と音を立てて抜け落ちる。

「ふう、たっぷり出たわね」

二人の男の精をたっぷりと吸い尽くした彩香は満足げに息をついた。二本の男根は竿一面にべっとりと白濁が付着し、テラテラと濡れ光っている。

見ているだけで淫らな気持ちを刺激され、瑞穂はごくりと息を呑んだ。

(なんて美味しそうに男の人のアレを呑むの、彩香さん……)

「ふふ、次は誰かしら」

口の中いっぱいに射精を受けたばかりだというのに、彩香はなおも貪欲で物欲しげな視線を周囲に巡らせた。場には、まだ相手を得ていない男が何人も物欲しげに佇んでいる。そんな男たちが双眸を欲望にたぎらせ、我先にと淫蕩な熟妻に駆け寄った。