恥辱の風習 捧げられた新妻

郷田は勝ち誇ったように笑った。おそらく助けを呼んでも無意味だということまで計算して夜這いをかけたのだろう。

「こっちも溜まってるんだ。すっきりしたら帰るからよ。ちょっとだけ協力してくれねぇか?」

「私には夫がいるんです。そんなこと、できるはずがないでしょう!」

「お堅いねぇ。真面目な正一くんにぴったりのできた奥さんだよ、あんたは」

「と、とにかく出ていってください。非常識ですっ」

必死で言い張る瑞穂だが、郷田はどこ吹く風といったように軽く肩をすくめただけだ。それどころか、喉の奥でくくっと笑い声まで漏らす始末だ。

「溜まってるって言っただろ。おまけに奥さんのこんなエロい格好見たら、いきり立ってしかたねぇ」

ぎらついた好色な視線が自分の体を這い回るのを感じ、全身に鳥肌が立った。

「それに──正一くんだって、これくらいは許してくれるだろ。なんせこの村の出身なんだ。色々と分かってるはずだぜ」

「えっ?」

郷田の言葉の意味が分からず、瑞穂は首をかしげた。

その瞬間、郷田がおもむろに距離を詰め、真上から瑞穂の顔に向かって腰を落としてきた。

腰を抜かしたままの彼女は立ち上がる暇も、避ける暇さえもなかった。

熱く火照りきったペニスの先端部が唇に押し当てられる。

「ん、ぐぅっ……!」

そのまま太いものが瑞穂の唇を割って押し入ってきた。

息が詰まるようなえた匂い。

久しぶりに体感する『男』の味だった。夫よりもはるかに濃密な匂いに、それだけで頭がクラクラとする。

(ダメ、やめて……これ以上入らないわ……!)

口を塞がれて声を出せないため、目を見開いて郷田に挿入の中止を訴える。

こんなにも太く長い物体を口の中に入れた経験など、二十五年間の人生で一度もなかった。太すぎて口が内側から破裂するのではないかと錯覚するほどだ。

が、郷田は腰の動きを止めるどころか、うっとりと頬を緩めたままさらにペニスを押し進める。

新妻の口腔を蹂躙する勢いで、太幹がどんどんと押し入り、思わずえずきかけたそのとき、こつん、と亀頭が喉の最奥に当たった。

「んんんっ……ふぐぅ」

熱く火照った肉根は瑞穂の小さな口を内側から押し広げ、顎が外れそうなほどの圧迫感だ。

吐き出したくても吐き出すことができず、瑞穂は涙目で呻いた。

「奥さんの口、あったかいな。こうしてるだけで気持ちいいぜ」

苦悶の彼女とは裏腹に、郷田は満悦のため息を吐き出す。

夫との性生活ではほとんど経験のないフェラチオだった。

しかも生まれて初めて夫以外のペニスを口に咥えてしまった罪悪感が胸の芯を重く押し潰す。

「んぐぐ、ぐ、ふぅ……!?」

悔しさと悲しさと怒りと絶望が渾然一体となった複雑な感情のうねり。その感情に浸る間もなく、郷田が腰を揺らし始めた。

じゅぽっ、じゅぽっ、と湿った音を立てて唾液を飛び散らせながら、郷田が熱いものを瑞穂の口内に突きこんでくる。

一打ちごとに口腔が張り裂けんばかりに押し広げられた。

「ぐぐぅ、ん、ふ、ふと……すぎ、いぃ……ん、むぅ……」

夫に数少ない口唇愛撫を施したときには、こんな苦しい思いをしたことは一度もなかった。

瑞穂の中でフェラチオの概念そのものが覆されるほど強烈な一撃が間断なく続く。喉の奥にまで届く長大な逸物で連続して突かれ、フッと意識が薄れた。

(嫌っ、こんな……夫以外の人の、咥え……んんっ……!)

口の中いっぱいに巨大な肉塊を頬張らされているため、拒絶の言葉を上げることさえできない。

「駄目だ駄目だ、そんなんじゃ。もっと頬を窄めて俺のチンポを締め上げねぇと」

頭上から郷田が馬鹿にしたように告げた。

ただでさえ爆発しそうになっている感情のキャパシティに、さらにダメ出しの言葉まで投げかけられ、パニックが加速する。

「えっ、な、何……ん、く……んっ……!?」

「絞るんだよ。頬を狭める感じで。ん、できるか?」

さっきまでと一転して優しくさとす郷田。

麻痺状態になっている感情は自然と思考を停止させ、瑞穂はほとんど反射的に、郷田の指示通りに頬を窄めてしまう。

狭まった口内の粘膜が太い肉竿と密着を深める。望まぬことながら憎い男の性器の形状や熱をより感じてしまう結果となった。

(熱い! それに太くて、硬いわ……!)

不快感とは裏腹に、感動にも似た心地が女の芯をズンと突く。

全身で『牡』であることを自己主張しているような──欲望の塊のような巨大な肉棒だった。これに比べれば、夫のペニスサイズはそれほど大きくないのだと嫌でも思い知らされてしまう。

「もっと先っぽを舐めるんだよ」

郷田は馬鹿にしたように言い放つと、腰を引いていったん剛棒を抜き取った。

口内を占領していた異物から解放され、ようやく呼吸が自由になった瑞穂はハアハアと息をつく。

と、その口元にふたたび熱い切っ先が押し当てられる。膨らんだ亀頭が上下の唇を割ってもぞりと侵入した。

「ん、ぐふ……さ、先……んんっ……?」

先っぽを口に含まされた状態で瑞穂が目を白黒させて喘ぐ。

郷田はそんな彼女をますます馬鹿にしたように、

「おいおい、人妻なのになんにも知らないんだな。旦那からは男を喜ばせる作法を教わらなかったのか?」

「そんな言い方──んっ!?」

膨れ上がった肉塊がさらに深くまで押し入ってきた。硬い肉の頭で喉奥を突かれ、呼吸が詰まる。