「そ、そんなこと言われても……」
祐美香は青年のことばを額面通り素直に信じてしまったのか、押しに弱い性格なのか、練習したいと言い出したのが自分だから断りにくいのか……はっきりとした拒絶のことばをうまく口にできずにいるようだ。
「困ります、わたし……」
「桜さんがいやならそれ以上のことは絶対にしない。約束するよ。だから」
言いながら宏之は自分で自分がわからなくなっている。まさかぼくが女の子相手にこんなことを言うなんて!
一度動き始めた口を止めることはできなかったのだ。
しつこく迫られ祐美香は小さく首をたてに動かした。
「いいんだよね?」
「は……はい。でも」
なにか言いかけていったん黙りこみ、またこくんとうなずいてくれた。
「信じていいんですよね、佐橋さんのこと……」
(よ、ようし……ッ)
手のひらを豊かな乳房の盛り上がりに近づける。祐美香が緊張しているのはわかったが、宏之もまた緊張していた。首から上が急にのぼせたように熱を持って、こめかみがズキズキとうずき出した。それでも下腹部にもまた血液が流れこみつづけている。
指の腹が濡れたブラウスと白ビキニに守られた胸果実にすっ、と触れた。
「っう……っ!」
Gカップの乙女は喉の奥で悲鳴にも似た声を上げた。痛みでも感じたみたいに首をいっそうすくめ、ぞくぞくっと背中をよじらせる。
だが宏之はもう夢中だった。
(祐美香さんのおっぱい……やわらかい)
白ビキニと濡れた薄い白ブラウスを通してなのに、はっきりと、おっぱいの温かさと弾力が五本の指腹につたわってきた。さらに手のひらも押しつけてみる。濡れた生地越しに肉果実そのものが吸いついてくる。
(気持ちいい……胸ってこんなにいいんだ)
布地は雨と汗で濡れてねっとりとしている。ちょっとだけ指先に力を入れた。すると祐美香はびくっと背すじを反らせた。くちびるからまたうめきのような声も洩れた。でもそれ以上の反応を示すことは気力でこらえたようだった。それ以上の反応というのが抗いだろうとそうでないものだろうと。
「そ、そんなに見つめちゃだめです──」
指は相変わらず自分の膝の上でぎゅっと握りしめられている。そして小さく痙攣でもするみたいに震えている。拳だけではなくびしょ濡れブラウスの袖から伸びた剥き出しのきれいな肘もこまかく震えている。
(祐美香さん……たまんない、ヤバすぎ)
もう少しだけ指腹を沈みこませる。
「……ぁあ」
くちびるの間からまた声が洩れたが、やはりそれ以上の動きはなかった。ただ間近で見る頬がますます赤くなっている。
ぷっくらとしたおっぱいの感触は宏之に天にも昇るような心地よさを味わわせてくれていた。力をこめればたっぷりとした乳タンクは指を受け止めてくれるのだけれど、少し力をゆるめただけで弾力でもって押し返そうとしてくる。
「んぁん……さ、佐橋さん……んん、それは」
鼻にかかったような声でなにか訴えかけたGカップグラビアアイドルだが、またすぐに口をつぐんでしまった。
かたちのいい鼻から洩れる息は激しくなる一方。呼吸に合わせて胸肉がふくらんだり戻ったりするのもますますはっきりしてきた。
(感じて、くれてる……?)
少し自信を得た宏之は、もっと感じさせてあげたい、と思った。
指を少しずつ広げ、手のひら全体を胸のふくらみに押し当てた。そして五本の指をゆっくりと動かし始めた。
「ああん……っ」
祐美香がますます、煽情感たっぷりのその身を小さくさせる。宏之は片方の手を腰に回した。胸に手のひらを当てたまま横から抱きしめているようなかたちに。
宏之の腕の中で女子大生グラビアアイドルの身体が一回、そしてもう一回、ブル、ブルと、なにか痛々しさを感じさせるような震え方をした。くちびるは閉じられなくなってきたのか白い宝石みたいな歯がのぞき、声にはならない息が洩れている。
「ぁあ……ぁあ、そこは、もう、わたし……じんじんして……」
それは童貞青年の目にも、祐美香が女としての反応を示し始めているように見えた。
思いきって白ブラウスの中に手を入れ、おっぱいのカーブに合わせて白ビキニの上で指腹をすべらせる。たちまち。
「はぁ! んンッ……ッ」
おとがいを突き上げて妙齢のアイドルは喉の奥から声を出した。豊満な肢体が弾むようにビクッと一回動いた。
(すごい……っ)
「佐橋さ、ん、もう、わた……はぁんっ」
乳房のふくらみの頂点のあたりに指が触れたとたんだった。
「はァんッ」
ビクビクンッ……! なにか言いかけていた祐美香が狼狽と興奮の混ざった激しい反応を見せた。ビキニ越しでもそこにコリコリとした手ざわりがあった。乳房の頂点の小さな熱い突起を指腹で転がすたびに、抱きとめた腕の中で処女女子大生の肢体がびくんびくんと小刻みに動いた。
(これ、ち、乳首……だ)
指でまさぐりつづけるとすぐにそこはよりはっきりと、しこりのような硬さを示し始めた。ますます反応も過敏なものになってきた。
「はぁ、わ、わたし……ぁあ、どうかなっちゃう……はああ……もう!」
くちびるはもう閉じられなくなっているようだ。今度は白い歯並を食い縛ろうとしているようだった。けれどそれもうまくいかないのか歯と歯を割ってあえぎ声がこぼれ出る。鼻の頭も額も汗でびっしょりと濡れていた。