「舐めるよ……祐美香さん」
「え……う、うん……でも宏之くん、水着の、上から……?」
祐美香が怪訝そうに訊いてきたので、宏之はそうだよと答えた。
きのうの失敗を教訓にして今夜はとことんじっくりやろうと思ったのだ。
黒ビキニの上からそっとおっぱいに舌を当てた。
「あぁん」
声を上げた祐美香は、恥ずかしかったのかすぐにくちびるをぐっと結んだ。
れろれろとビキニの上で舌を遣いつづけるうちにわかってきた。ソフトな刺激でも感じてくれている。眉がだんだん寄せられて、閉じたくちびるとくちびるの間から声を洩らしそうになっている。首すじから流れてきた脂汗が谷間に流れこんでかすかな匂いを放った。
「あん……っ」
「祐美香さん……おっぱい、感じるの?」
「そんな。言えません……」
宏之はそのままビキニの表面に舌を這わせつづけた。なめらかだった表面も唾液でべっとりとしてきた。
水着の中に押しこまれたままのおっぱい。二十年かけて発育してきた胸果実はビキニの中からでも悩ましさをいっぱいに発散させている。
布地が唾液でぬるぬるになるのに合わせるようにGカップバストの頂点がぷっくりと盛り上がってきた。まだそこには舌は触れさせていないのに。
「祐美香さん……乳首、すごい」
「ごめんなさい。先生の方針で、ニプレスはいつもつけないから……」
ああ。そういえばきのうもビキニの下はすぐ生の乳首だったっけ。でも謝る必要はないよと宏之は思う。変なものない方がうれしい。荒花先生と初めて気が合ったかも。
「キ、キス、してもいいよね」
返事も待たずに乳首の盛り上がりにくちゅうと口を寄せた。
「はあぅ」
どこかがしびれたような声を祐美香が上げる。覆いかぶさった宏之の下で腰が小さくうねった。
でも逃げ出そうという動きではない。気をよくして宏之は布地といっしょにはむっと甘噛みしてみた。
「あ、あ、あ……だめぇ」
また宏之の身体の下で細い腰がくねる。
同時になにかが弾けるようにぐぐぐっと胸ごと背すじが反った。
宏之の口の中で布地に守られた乳首がぶるぶると痙攣のように震えていた。歯応えはさっき以上にはっきりとしてきた。
「ひ、宏之くん、もう、そういうこと、やめて……」
(えっ)
本当にいやがってる……?
宏之が身体を離しかけると、
「や、やっぱり、やめないで……離れないで」
豊胸のグラビアアイドルは自分からすがりついてくる。
「い、いいんだね、つづけても」
「うん……」
恥ずかしそうにうなずく年下の処女。
ビキニトップをむしり取りたい衝動を青年は必死でこらえた。
(だ、だめだ……きのう結姉ちゃん言ってたもんな……五分間や十分間じゃあだめだって……もっと、なんていうのか、焦らしてあげなきゃ……)
水着には手をかけず、代わりにもう一度ビキニ越しに胸果実を舐める。乳首のあたりにもまんべんなく唾液を塗りつけ、魅惑的なカーブをじっくりと舌でねぶりまわす。今度は手も使って、もちもちと左右から両手で挟みこむように揉む。
その手を不意打ちのように背中に這わせると……。
「ううっ」
祐美香が口の中で声を上げ、同時に布越しでもはっきりと乳首の隆起がわかった。湧き出した汗の粒が糸のようなすじとなって胸の谷間に流れこんでくる。
おっぱいはまだ名残惜しかったけれど口愛撫の矛先をお腹に向けた。愛らしいおへその上を通ってなめらかな皮膚をそっとくちびるで擦ると、年下処女の裸の胴体がふるっふるっと揺れた。
「宏之くんっ……キス……もう、だめ……」
しかしそのことばとは裏腹に祐美香の両手が若者の首の後ろにしっかりと回されていた。少し口を離そうとしても肌がぴったりと押しつけられていて無理だった。
それから十分以上も宏之は舌を処女の身体に這わせつづけた。おへそをくすぐり、またおっぱいに戻り、背中を指先でなぞり、舌で脇腹を撫でる……宏之が与える一刺激ごとに祐美香の息は荒くなり、流れる汗は多くなり、顔や胴体の揺れがはっきりとしたものになってきた。
焦ってはいけないと自分を戒めてきた宏之だったが、もうさすがに我慢がきかなくなってきた。
(も、もっと下に行っちゃっても、いいよな……)
さらに舌を降ろしてビキニボトムに守られた恥丘のふくらみにキスをする。
「あ」
祐美香がまた声を上げた。
「あ、あ、ぁ」
おっぱいを守るビキニトップと同じようにこちらも唾液でぬるぬるになるまでつづけた。舌先で舐める布地の感触はあくまでもなめらかで、陰毛や恥丘の感触まではわからない。
祐美香もビキニ越しでは刺激が甘いのか、最初一、二回肢体を震わせた後は身体を固くこわばらせて、ひたすら舌愛撫を受けるだけになってしまっている。
(じゃ、じゃあ、そろそろ、いいのかな……?)
水着の縁に指をかける。
「祐美香さん……これ、ぬ、脱がす……よ」
はっと年下女子大生は息を呑んだ。それから蚊の鳴くような声で、うん、と言った。
ビキニボトムは腰骨のすぐ下で紐で結んでいるタイプだ。宏之は祐美香をこわがらせないようにゆっくりと、その紐を引っ張って結び目を解いた。布地を肌からめくるように脱がせていく。乙女は顔を真っ赤にさせ、膝をがたがた震わせながらも逆らわなかった。
(……わ)
まず陰毛が現れた。