いけない誘惑水着 グラビアアイドルの撮影日記

「宏之くん……わたし、なんだか、おかしくなって……」

乳首や背中でのタッチだけで昂ぶってしまったのか、祐美香は額にもびっしょりと汗を浮かべていた。白い砂糖のようだった頬もやはり真っ赤だ。汗の匂いと若々しい体臭が混ざってベッドの上に立ちこめている。

(ゆ、夢のようだ……祐美香さんとベッドでふたりきり)

そっと覆いかぶさる。

くびれた裸の胴をそっと手でさすった。

「ふぁ。宏之、くん」

それだけでまた祐美香は息を荒くさせた。剣山でも押し当てられたみたいにビクンッという反応を一瞬見せた。

そっと上下に手のひらを動かして撫でる。皮膚はすべすべしていて、おっぱいと同じように手に吸いついてくるかのよう。まるで手のひらがそのまま溶けて祐美香の胴や腰の肌とひとつになっていくように思える。手首までゾクゾクしてきた。同じような感じを祐美香も受けてくれているのかゆっくりとした愛撫に合わせ、

「はぁん……宏之くん、それ、わたし、はぁん……」

眉をつらそうに寄せて、でも、けっしてつらそうではない甘くとろけるような声を上げている。冷房は入っているのに汗が退く様子はなく、むしろ裸の上半身がぬらぬらしていく一方のようだ。

祐美香がたおやかな腕を宏之の身体に回してきた。

身体と身体が重なる。

(ぼ、ぼく、どうしよう……)

興奮しすぎていて次にどうしていいのかわからない。

(こ、このままでも出しちゃいそう……)

祐美香も宏之の腰に抱きついているだけでそれ以上のことはしてくれない。

小鼻が呼吸に合わせてふくらみ、小さく開いたくちびるの隙間からも息が洩れている。そしてじっと目を閉じなにかを待っている。

でも宏之も身体は半分金縛りにでもあったかのようで、うまく動けそうになかった。

腰に当てていた手を離し、両肘をベッドについて自分の顔を胸に近づける。

吐息がGカップおっぱいにかかった。

それだけで。

「う。うぅ、わ、わたし、それダメかも」

黒い瞳と花びらのようにふっくらとしたくちびるをそなえた二十歳の処女はうめくような声を上げた。抱きついてくれていた腕の力が抜けたのがわかった。

「どうしよう、宏之くん、わたし、いいのかな、こんなになっちゃって……ああ、どうしよう……」

のっぺりとしたお腹も呼吸とともに動いている。細い腰にはそぐわないほどに豊かな腰骨に支えられた下半身はまだ、ぴっちりとした白いデニムパンツに覆われている。でもデニムの股間は恥丘のかたちをくっきりと見せていた。

(わっ、たまんない……)

それを見ただけでズキンと肉棒が動いた。

「ゆ、祐美香さん、ぼくも、ぬ、脱いでいいよね……」

「……え?」

どこか朦朧としたような顔のままで半裸の女子大生グラビアアイドルは青年を見た。

宏之も相手を見つめる。

「ぼく、祐美香さんが欲しい。祐美香さんの身体のこと、もっとよく知りたい」

たとえ相手がなにかを誤解しているのでも。ぼくのことを好きになっている錯覚におちいっているのでも。ぼくのことをもう少しよく知ったらすぐにきらわれてしまうかもしれなくても。

でももうそんなこといいと思った。

きっと今しかないんだ。

これを逃したらこんなこと二度とぼくには起こらないかもしれないんだ。

「祐美香さんと経験してみたい。いいよね?」

「よくない……そんなの。まだ、キスしたばかりのわたしたちには早すぎる……」

しかしすぐになにか決意したような顔になった。

「だけど、宏之くんが、もしどうしてもそうしたいんなら……そうしたいんなら……どうしてもそうしたいの?」

うん、と二十一歳の青年はうなずく。

「宏之くん。わたしを奪いたいの……?」

ささやくような声だった。

急に蝉の声がやかましくなったように思えた。

うんとまたうなずく。

「わたしが欲しい?」

祐美香は青年の目をしっかりと見つめながらそう尋ねた。

「うん……」

「わたしがどきどきしているの、わかる……?」

「うん」

もう宏之はうん、しか言えなかった。そのまま立ち上がり、自分のベルトを外した。

「宏之くんて、意外と強引な人だったのかな……?」

照れ隠しなのか、そんなことを口にしたGカップ水着アイドルの態度が、しかし。

宏之がトランクスを降ろしたとたんに変わった。

「あ。あ……」

と言ったきり黙りこんでしまった。

青年のペニスは朝起きたとき以上にニョッキリと、Tシャツを着たままの腹に向かってそびえ勃っていた。

自然に包皮は剥けきって、漲りきった亀頭が巨大なきのこのように存在を誇示している。洩れつづけていた先走りが流れて亀頭どころか幹までもをヌラヌラと濡れ光らせていた。太い血管は蔓のようにその幹にからみついてたくましく浮き上がっている。

「や……や」

「祐美香さん……?」

すぐ目の前の最愛の女性の顔やおっぱいに目を向けただけで、いきり勃っていた肉棒が一回ぶるん、と身震いするように動いた。

「い、いいんだよね、祐美香さん」

相手の白デニムパンツも降ろそうと宏之が手を伸ばしかけると。

「ぃやあああっ!」

祐美香は急に起き上がった。若者の身体とベッドの間からすり抜けるようにしてドアに向かい、そのまま廊下に逃げていってしまった。

「ま、待って!」

追いかけようとしたがトランクスとジーンズが膝にひっかかってうまく動けない。