「う、うん……」
そう答えたらまた。
びしゃりと桶の水をかけられた。
「なっ、なにを……」
「こうすれば少しは我慢するコツが飲みこめるかなあーっと思って」
確かに少し射精は遠のいたけれど……。
「あっそうそう。ねえ、もし万が一、祐美香ちゃんのアソコがあたしより色が濃くても、おどろいちゃダメだよ。あたしも祐美香ちゃんのはさすがに見たことはないけど、男の子って変な勘違いしてる人が多いみたいだから。色と経験って関係ないから」
結が急にそんなことを言った。
(え……? 祐美香さんのアソコって……)
それにもまた宏之の興奮は後押しされてしまった。祐美香さんの女性器は今目にしている結姉ちゃんのとはどういう風に違うのだろうと想像しただけで、またもりもりと精液がこみ上がってきた。はちきれそうになった海綿体が夏の浴場の空気にやわやわと撫でられる。
「結姉ちゃん……ごめん、やっぱりもう、完全にヤバい。もう一回水を……」
「イキそう? じゃあ、最後のひと押し、してあげる」
青年をタイルの上に坐らせ足を前に投げ出させると、おさななじみはその上にしゃがみこんで、またがってきた。
「な、なにを……」
「ヒロくんが気持ちよくなることだよ。挿れなくても、おんなじくらいにね」
結の足が亀頭を挟んだ。
「くおおっ」
男のいちばん敏感なところが年上女性の太ももに包まれていく。指で擦られるのとは比べものにならないみっちり感に、すさまじいまでの悦感が弾けた。ゾワゾワした歓びが腰から背骨に抜けていく!
(す……すごすぎる……ッ)
「もういいよ。このまま出しなさい。許してあげる」
「でっでも……ッ!」
ダメだと考えれば考えるほどに射精欲求は逆に高まってしまった。まさか足で挟んでもらっただけでこんなに気持ちいいなんて! 弾力のあるやわらかい太ももが左右からしっかりと挟みこんでくるだけではなかった。そのまま小刻みに動かされ、ペニスの付け根から胴体までまんべんなくぎゅぎゅぎゅと揉みこまれる!
(出る……っ)
歯を食い縛ってみた。
手遅れだった。
「結姉ちゃん、離れてっ、ぼく、もう、出る、出ちゃうっ……っ!」
「いいんだってばぁ。怒らないからさぁ」
やさしい声でそう言うと結は、絞り上げるような振動を与えながらそのまま少しずつ身体を前にずらしてきた。太ももから少しはみ出している亀頭が、結の蒸れて湿っているような陰唇にむちゅりと擦れた。
ひとたまりもなかった!
むちむちの太ももにさらに力がこめられた。エラの内側にまでしっとりとした皮膚が密着し、揺すられる。両足と股間で締めつけられる刺激に亀頭の先の割れ目から、ここまで我慢に我慢を重ねていた白い子種汁が生臭い栗花の匂いとともに噴き出す。
イク……。
「あうううっ!」
どくっ、どくっ、どくっ、どくどくどく……頭の中が真っ白になり、亀頭のすぐ近くにおさななじみのお腹や陰毛があることももう忘れていた。宏之は身体のどこか底の方にどっぷりとつまっていたスペルマが尿道を次々と割って出ていく甘い快感に身を委ねていた。一噴きや二噴きではおさまらず次から次へと飛び出す精液。それにつられるように口からもだらしなくよだれがこぼれ落ちる。全身の力という力が下腹部に集中しきってしまって手からも足からも力が抜けていた。
(くわああっ……っ)
身体中が自分の噴き出させている精液でそのまま甘く溶けていくんじゃないかと思うくらいだった。祐美香さんとふたりきりでいるときと同じくらいに心臓はドキドキとせつない鼓動を打ち、出せば出すほど亀頭の鋭敏さはいっそう増して、もう太ももや陰唇どころか空気に触れているだけでもどうかなってしまいそうなくらいだった。
「まだ出せるんじゃない?」
「も、もうゆるして結姉ちゃんッ」
「やーよ」
結は指で輪をつくってそのまま肉傘にからみつかせてきた。限界まで漲りきっていた亀頭粘膜はその強い刺激には抗いようもなく、またしてもビクッと痙攣した。同時に肉棒全体がぶるるんとその身を波打たせた。先端からドップリと湯のように熱い粘液が飛び出した。
「どう? これも気持ちいいのかなあ?」
「ふぁああ……やめてよ。だ、出してるときに、指で、締めつけないで……うっ」
どぷっ、どぷっ、どぷりっ……粘っこい汁が亀頭の割れ目を通過する快感……。
若い母親のような母性をたたえた黒髪のお姉さんは、上からのぞきこむようにしてその精液を浴びていた。額から目に垂れ落ち、鼻の頭からもくちびるとあごに流れ落ちていく。
「くおおおっ、ま、まだ出る! くぅ!」
結の白濁まみれの顔を見て、また一回ドクンと大きなひと噴きが起こった。亀頭を見舞っていたヒリヒリ感がなんだかペニスの根元にまで広がってきていた。こんな風になったのは初めてだった。
(ゆ、結姉ちゃんに向かって、出しちゃ、ダメなのに……か、身体が、いうことをきかない……ていうか、気持ちよすぎて……気が遠くなってきて……!)
「うううっ」
今度は勢いよく結の顔やお腹にまで飛んだりはしないで、包みこんでくれている白い生足に流れていく。
ようやくおさななじみは宏之の上から降りてくれた。
「はあっ……はあっ……ひどいよ、結姉ちゃん……っ」