いけない誘惑水着 グラビアアイドルの撮影日記

Tシャツを裾からまくり上げられ、裸の胸板をれろりと舐められた。

「ふぁああ!」

声を押し殺すことなどできなかった。今まで誰にもそんなことをされた経験はなかった。舌で舐められたところがたちまち熱を孕んで火照り、唾液で洗われることでそのあたりの皮膚全体が敏感になっていく。腰から力が抜けてしまい、立ち上がるどころかへなへなと腰を左右に振るのがやっと。

「どう? 乳首でもないところでも、舐められるのって感じるでしょう? 今度、祐美香ちゃんに同じことをしてあげなさい。それだって立派な前戯だよ」

胸の真ん中を舐めていた舌がそのまますーっと降りてくる。

へその上を越えて陰毛の生え際に向かってぬめぬめと舌が這ってくる。

「くぉおお! そ、それやめてっ」

その刺激だけで亀頭はそれまで以上にプックリとふくらんで先端から透明な汁をぷゅるりと噴き出した。

「ねえヒロくん。今の状態で、きみのおちんちん、ぺろぺろされたら、どうなっちゃうかなあ?」

結は幹をしごいていた指で陰嚢をやわやわともてあそんでいた。加奈にもされたことだがこれがやっぱり信じられないくらいに気持ちよく、宏之は身体中を走り抜ける熱波に翻弄されていて歯を食い縛るのがせいいっぱい。玉袋越しにころころと中身をまさぐられるこそばゆさにまた新たな汁がぷっくりと尿道口を割ってこぼれ出た。

「あーら、いやらしいおちんちんだこと。もうこんなに濡らしちゃって。なーにが祐美香さん以外では出したくない、よ。聞いて呆れるわ。今にもイキそうじゃないの」

れろりと伸びた舌先が漲りきった亀頭に、ちょん、と触れた。

「ふぁううう! ゆ、結姉ちゃんのし、舌、や、や、やわらか……ッ!」

そのまま温かい唾液を乗せた舌がねちゃりと密着した。敏感になりきった亀頭粘膜は舌の温かさだけでなく、ほんのかすかなザラつきまでわかった。それが亀頭のカーブに沿って、ねちゅり、ねちゅり、とねぶり上げてくる……。

「で、出ちゃう……!」

すさまじいまでの悦感がぞわぞわこみ上がってきた。尿道を突進する精液を助けるかのように舌がさらにペニスの先端を摩擦する。鼓動も一気に速まって射精を後押しする。ところが。

舌も指もすっと離れた。

お姉さんは洗い桶に水を汲み、それを宏之の下半身にいきなり浴びせかけた。

「うわ、な、なにを……っ」

放精寸前だったペニスから熱がすーっと引いていく。

「出しちゃダメ」

結は青年をじっと見つめながら命じた。

(そんな……さっき、出しなさいって言ったくせに……)

「我慢の仕方、少しは覚えなさい。自分が気持ちよくなることばっかり考えてたら、また失敗するぞ」

「う……うん」

ジーパンもトランクスもびしょ濡れだ。噴き出した汗で上半身だってぬるぬるだ。しかしそれを不快に感じるゆとりはなかった。射精欲だけは少し遠のいていたが肉棒は勃起しきったまま。そこにふたたび指と舌が襲いかかってきた。

「うふふふっ」

年上編集者のやさしい指が宏之の性感を探るように陰毛をさらさらと撫で、舌はカリのくぼみに巻きついてくる。消えかけていた炎がたちまち再燃し、ペニスはへそに向かってまた直角にそそり勃ってしまった。汗と先走りで股間からは蒸れた牡の匂いが立ち昇っている。でも結はイヤな顔ひとつ見せずに陰毛をかきわけ、ペニスの根元から上に向かって幹を擦り上げ始めた。

「ひううっ……そ、そのもてあそび方、やめて……ッ」

「またイキそうになってきたのかなあ?」

愉しそうな顔で訊かれた。

宏之はろくに返事もできない。オナニーではとうてい体験できない、痛みの数歩手前のような心地よい刺激に坐ったままで背すじがのけ反っていく。お姉さんは馴れた手つきで剥き上がった包皮の部分に指を回し、つるつるの指腹でしごきたててくる。

撥ねのけて逃げようと思ってももう無理だった。悦感が股間から腕や足までしびれさせている。背すじや首や手足の指が微弱な電流でも流されたみたいにぴく、ぴく、とときおり動くだけ。額から流れる大粒の汗があごからしたたってへそに水たまりをつくっていた。

「くぉおお……」

「今度は水はかけてあげないからね。自分でがんばって我慢してごらん」

イキそうになったとたん。

また指も舌も遠のいていく。

(えっ……そ、そんなっ)

おさななじみのお姉さんは立ち上がってするすると自分のジーパンを降ろし始めた。

「ヒロくんさあ、年下の彼女とする前に、あたしみたいな年上と経験しておいた方がいいんじゃないの?」

「ええっ? でも、それは……」

「初体験、まだなんでしょ?」

そうだけど……と言っただけで宏之は口ごもった。

「いちばん好きな女の子としか経験したくない? 祐美香ちゃん以外はイヤ?」

「う、うん」

「でもさ、女の子のカラダのこと、知っておいた方がよくない? 言っとくけど、ヒロくんのためじゃないから。祐美香ちゃんのアソコを目の前にしていきなりドバッとイッちゃわないように、免疫つけてあげるだけだから。祐美香ちゃんのためよ?」

するするとシンプルな白いショーツを自分で降ろしていく。

(う。うあわ、うわ……っ)

下半身裸になって、二十六歳の編集者は少し恥ずかしそうに腰をくねらせた。

「自分も初めてだからって、男の子は甘えてたらダメだよ。彼女をよろこばせてあげられないとね! すぐにきらわれちゃうぞ? さあ! しっかり見てごらん」