そのままもう一度くちびるにくちびるを押しつけると、聡明な女子大生は一瞬だけ躊躇し、それから宏之の唾液をごくり……っと胃に送りこんでくれた。
(飲んでくれた……ぼくを受け入れてくれたんだ、祐美香さんが)
夕べ膣に射精した瞬間と同じくらいの幸福感が宏之に津波のように押し寄せてきた。
「祐美香さんっ」
「きゃん……っ」
思わず抱きしめていた。自分が裸ということも、勃起しきった肉棒が従順な恋人に当たってしまうことも、もう気にならなかった。屹立の先端が二十歳の肌に擦れる。それだけでまた射精してしまいそうなひりひりする快感だった。
無我夢中で祐美香の肢体をまさぐる。ワンピース水着の上半分はぺろりとめくれ返ったままの状態だ。
「祐美香さん、祐美香さあん……」
「ひ、宏之くんのが、当たってる……ああ、宏之くん……」
いまだ水着に守られた祐美香の腰をまさぐり、それから指を少しずつ下腹部に伸ばしていった。もちろんこちらも水着越し。でも撮影用の水着は股間部分のインナーの補強をわざと外しているらしく、恥丘のこんもりとしたきれいなふくらみがわかった。指でなぞっているうちに女裂のかたちもはっきりとわかるようになってきた。
「ひ、宏之くぅん、わたし、それ、だめかも……ああん、ああん」
「うわっ……祐美香さんのアソコに水着が食いこんじゃって……」
擦っている勢いで水着の生地が肉びらと肉びらの間に入りこんでしまった。ますます女性器のかたちがはっきりと見てとれるようになった。
「やだあ……こ、擦らないで……おかしくなるぅ……っ」
祐美香は閉じていた目を半開きにして、潤んだ瞳で宏之を見つめた。
青年の心臓はドキリと弾み、直立したままのペニスがびくんと震える。
けれど。
まだ女流カメラマンの理想には届いていないようだ。
「いい顔なんだけど……まだなにか足りないのよねえ……佐橋くん、女の子の扱いにあんまり馴れてないのかな?」
つぶやいていた加奈は突然、傍らにいる女性編集者にとんでもないことを命じた。
「菊池さん。あなた、ちょっと教えてあげて」
「あっ、あたしですかっ?」
若者とあんしん三次元女子の禁断の睦み合いを呆気に取られて眺めていた編集者は、その場で飛び上がって驚いた。声が裏返っている。
「そう。あなた。ふたりをリードしてあげなさい。加奈はもっともっといい祐美香の顔を見たいの」
「は、はい……わ、わかりました……」
「あ、それから。もちろん、あなたも服を脱ぐのよ」
「ええーっ?」
しぶしぶ加奈の指示に従いかけていた結も、これには目を丸くしてしまう。
加奈は平然と言い放つのだった。
「当たり前でしょう? これはねえ、祐美香と佐橋くんのことを知っていたのに加奈に教えてくれなかった菊池さんへの、加奈からの懲、ら、し、め、よ。だから早く脱ぎなさい」
「ううう……わ、わかりました」
いつものてきぱきとした結ではなくなっていた。おどおどと服を脱いで白いブラと白いショーツだけの姿になると、ビーチパラソルの下にやってきた。
「菊池さん。早く」
「よ、ようし──じゃあ、やってやるからねっ」
なぜか気合いを入れるように拳を握ってガッツポーズをすると、女性編集者は半裸のグラビアアイドルの横にきれいな尻を下ろした。そして。
たぷん……っ。
「ひゃうう」
いきなり結は横から手を伸ばして祐美香の剥き出しの乳房に触れた。手指をいっぱいに広げて、たぷんたぷんとおっぱいを捏ねまわし始める。
「き、菊池さぁん……や、やめてくださぁい……へ、へんになる……っ」
「ああ、祐美香ちゃんのおっぱい、さわり心地いいのねえ……実を言うとあたし、前からやってみたかったのよねえ……」
「ゆ、結姉ちゃん……っ」
「ふわ、ふわぁあん……わ、わたし、へんな気持ちに……」
祐美香がどこかに浮き上がっていくような声を出す。もがく身体をおさえこんで結が横から胸を揉み、反対側からは宏之が頬にキスを浴びせつつ下腹部をもてあそんでいる。今の祐美香には結と宏之のふたりを振り払うことなどできはしなかった。結はおっぱいを揉みながら祐美香の腋の下をくすぐり始めた。宏之も負けじと祐美香の髪を撫で、唾液で濡れたグラビアアイドルのくちびるの上を刷くように指で愛撫する。
「は、はぁあ……ふ、ふたりとも……わ、わたし、感じちゃうう……」
「感じていいよ、祐美香ちゃん。ヒロくん、もっとかわいがってあげて」
「う、うん。結姉ちゃん」
「そんな、ふたりがかりだなんてダ……ふむンゥ」
祐美香のことばを途切れさせたのは宏之の指だった。口から入りこんで歯茎を撫でてみた。よほど敏感なのか、前歯の裏側を指の先でツッとなぞると現役女子大生グラビアアイドルは首にはっきりとすじを浮き上がらせながらのけ反った。
「んくッ!」
結は乳首を擦りにかかっていた。まず乳房に五本の指がかかる。指の股から桃色の乳首がにょっきりと顔を出していた。ここまでの刺激だけでビンビンに硬直しきっている。結は指腹と指腹で挟んでしこしこと刺激を与えた。よほどおっぱいや乳首も感じやすいのか、編集者のそのひと撫でごとに肢体がうねり、喉からは嬌声が洩れる。その口では宏之の歯茎撫でもまだつづいているものだから、唾液がこぼれ出ていた。