「ここをね、こうやって触ると感じるの。あ……ン」
美帆が上部の小さい肉芽に人差し指を当て、小刻みに回転させたかと思うと、苦悶の表情を浮かべる。
媚肉の狭間からとろっとした蜂蜜のような雫が滴り落ち、その光景を見た正平の昂奮は頂点へと導かれた。
(ああ、触りたい。舐めたいよぉぉ)
脳漿が沸騰し、男の本能だけが突っ走る。正平は無意識のうちに舌を突き出し、顔を繊細な襞の折り重なった秘裂へと近づけていった。
粘膜のフリルが誘うように口を開き、恥肉の熱化した媚臭が鼻先にまとわりつく。
だがあと一センチという付近で、正平の顔はそれ以上前へと進めなくなった。美帆の右手が、額をしっかりと押さえこんでいたのである。
「だめだって言ったでしょ?」
美帆は鼻にかかった甘ったるい声を出すと、そのまま机から下り立ち、正平の身体を無理やり立たせた。
唖然となすがままになっていた正平の股間に、美帆の左手がスッと伸びてくる。その手には、真っ赤なレースのショーツが握られていた。
「あ……あ」
愕然としつつも全身を硬直させながら、視線が自身の股間に釘づけになる。美帆はペニスを縛りつけるようにショーツを何度も巻きつけ、そのまま上からそっと握りこんだ。
「あぁぁぁぁぁぁぁあ!」
脳みそが吹っ飛んでしまうような快美に、正平は裏返った声を発した。
先ほどまで美帆がじかに穿いていた下着、それが自分のペニスを包みこんでいるのである。昂奮するなというほうが無理な話だった。
生温かい、そして汗と恥ずかしい体液で湿っている感触が、そのまま肉胴に伝わってくる。正平は、目の端に涙を滲ませながら咆哮していた。
「悪い子ね。また約束を破る気?」
「そ……そんな気は」
「あら、また嘘をつくの?」
美帆は眉をキッと吊り上げると、指をゆっくりと上下動させていく。
しっとりとした柔らかい布地が肉胴の表面を何度も往復し、正平は今にも絶息するような喘ぎ声を何度も放った。
「そ、そ……あぁぁぁぁぁぁ!」
あまりの喜悦で足腰がガクガクと震える。心臓が破裂しそうなほどの鼓動を打つ。
美帆は正平の顔に視線を送りながら、徐々に手の動きを速めていった。
幾重にも巻かれた美帆の淫らショーツが、正平の若茎を嬲るようにしごきあげる。
ときには手首を返すような捻りを見せ、滑らかな生地の上から親指と人差し指で雁首や亀頭の先端をなぞりあげる。
しかも美帆はまるでキスするかのように顔を近づけ、正平の表情をまじまじと見つめるのである。
(すごい! すごい! パンティー越しなのに、なんて気持ちいいんだ!!)
美帆の匂いがたっぷりと染みついた、股布の柔らかいしっとり布地も心地いい感触を与えていたが、レースの細かい凹凸部分がさらに適度な刺激を与えてくる。
快楽と切なさが交錯し、正平の射精曲線は一直線に絶頂へと導かれていった。
「あぁ、先生。僕、僕もう……」
「イッちゃうの? いいわよ、我慢しなくて。たっぷり出しなさい。先生が江本君のおチンチンに溜まってる悪いウミを、全部搾り取ってあげる」
美帆の言葉責めが、淑やかな女教師の口をついて出てくる淫靡なセリフが、頭の中をスパークさせる。
指が凄まじいピストンを見せると、正平は臀部の筋肉を引き攣らせながら、ありったけの精液を噴きあげさせた。
「イクっ、イクっ! イキますぅぅぅぅぅぅぅう!!」
「きゃっ!」
ほんの三十分ほど前に大量射精したばかりにもかかわらず、濃厚な樹液がダイヤモンド型の割れ口から速射砲のように噴出される。それは美帆の顔の付近まで跳ねあがったかと思うと、緩やかな放物線を描くように宙に舞った。
もちろん淫らな行為による情欲は、一回だけの放出では終わらない。白い尾を引く後続の吐液が、二発、三発と花火のように打ちあげられる。
「すごい。すごいわぁ」
美帆は驚嘆の声を発しながらも、指の律動をまったく止めようとはしなかった。言葉どおり、一滴残らず正平の精液を抜き取るつもりのようだ。
真っ赤なショーツには落ちてきた粘っこい樹液がべったりと貼りつき、それは美帆のしなやかな指にまで垂れていた。
ようやく噴出が衰えはじめ、美帆は根元からゆっくりと肉幹を絞りあげる。残滓が尿道口からピュッと跳ねあがった瞬間、正平は頭を朦朧とさせたまま、腰から一気に崩れ落ちていった。
「信じられないわ。いくら若いとはいえ、こんなにたくさん出すなんて」
美帆の言葉が遠くで聞こえる。
正平は目を半開きにさせながら、まるで百メートルを全力疾走したときのような吐息を何度も放っていた。全身に凄まじい力を込めていたせいか、身体のあちこちの筋肉が妙な引き攣りを見せている。
美帆は指に付着していた精液をショーツで拭うと、すぐさま腰を落とし、正平のペニスも清拭していった。
「江本君、大丈夫?」
「は……はい」
まるで天国にでも昇りつめたかのような感覚だった。身体に残る気怠さと甘い余韻がなんとも心地いい。
「立てるかしら?」
「大丈夫です」
美帆の手を借りて身体を起こした正平だったが、まるで雲の上を歩いているかのように足元がふらついてしまう。
ようやく息が整ってくると、正平は女神を仰ぐような目で美帆を見つめた。
いつの間にか、優しい笑みを湛えた普段の女教師の顔に戻っており、急に羞恥心が込みあげてくる。