女教師たちの童貞いじり 美尻挑発の甘い罠

今日は新体操の部活のある日だ。愛理が記念館へ向かうことははっきりとわかっている。彼女の姿が教室から消えると、正平はホッと安堵の深い溜め息をついた。

寝不足と長時間の緊張で、身体がなんとも気怠い。それでも心は憑き物が取れたかのように晴れやかだった。

愛理の様子を見た限り、彼女はこの三日間でリボンは外されている、もう大丈夫だと安心感を得たのかもしれない。

ようやく、気持ちが美帆との甘美な約束に向けられる。すでに教室内は、正平一人だけになっていた。

(美帆先生との待ち合わせの時間は午後三時半、教員用の女子更衣室だったな)

その時間帯は、ちょうど新体操の部活真っ最中である。おそらく美帆は、練習を抜け出してくるのだろう。当然愛理は練習中だけに、彼女の邪魔が入るという心配はない。

美帆は、いったいどんな淫らな行為を仕掛けてくるのか。

考えただけで、股間が疼いてしまう。正平はようやく満面の笑みを浮かべると、椅子から立ちあがり、逸る気持ちを抑えながら教室から出ていった。

教員用の女子更衣室は、記念館の三階にある。

三階は主にスポーツ部の部室や更衣室が設置されており、文化部の正平が訪れる機会はほとんどない。もっとも盟朋の生徒は女子ばかりなので、元々男子が来るような場所ではなかったが。

記念館に足を踏み入れると、正平はすぐさま二階の張り出し口へ向かった。

今日はいつも使用している音楽とは違い、アップテンポの曲が流れている。手すりから顔を覗かせた正平は、部員たちに見つからないよう、慎重にあたりを見渡した。

美帆の姿はどこにもない。すでに更衣室で待っているのだろうか。

(いた! 柏木さんだ!)

白いレオタードを着た愛理が、先日見たときと同じ場所で、今度はクラブの演舞をしている。その顔は真剣そのものだ。

心の片隅に残っていた不安が一掃し、ようやく安心感を得た正平は、すぐさま上への階段を昇っていった。

三階の廊下に出ると、スポーツ部はすでに部活の最中なのか、人影はまったくない。

(確か更衣室は、建物の反対側にあるはずだったよな)

正平はあたりに注意を配りながら、忍者のような摺り足で歩み進んでいった。

男子の更衣室やシャワー室は教員ともども、第一体育館の横に建てられた、簡易プレハブの中にある。つまりこの記念館の三階は、ある意味男子禁制の場所でもあるのだ。もし女生徒に見つかったら、間違いなく怪しまれるだろう。

緊張の面持ちで記念館の反対側に向かった正平は、女生徒用の更衣室、そしてシャワー室を通り過ぎ、ようやく角にある部屋の前で立ち止まった。

扉の上方には、「教員用女子更衣室」というプラカードがかけられている。

盟朋の体育会系部員は、そのほとんどが部室で着替えることが多いらしく、生徒用の更衣室は、他校との対外試合などで来賓用に使用されるケースが多いという話を聞いたことがあった。

つまり生徒用の更衣室は、普段の日はほとんど無人の状態で、しかもこの早い時間帯なら、シャワー室を使用する女生徒もまずいないはずである。

正平は何度もプラカードを確認すると、震える手でドアをノックした。

返事はいっさいなく、静かに扉が開けられる。その隙間から甘い香水の香りが漂い、正平は思わず口元を綻ばせた。

「よく来たわね。入って」

小声の美帆に促されながら、滑りこむように室内へ忍びこむ。

「誰にも見られなかった?」

「は、はい。大丈夫です」

「ふふ。扉さえ閉めてしまえば、もうそんな小さな声じゃなくても大丈夫よ。ここは記念館の端に位置しているんだし、となりはシャワー室だもの」

そう言いながら、美帆は後ろ手で更衣室の鍵をカチリと閉めた。

これで邪魔は入らないことになるはずだったが、心配性の正平はおどおどした表情で問いかけた。

「他の先生方がやってくる、ということはありませんか?」

「ここの講堂は、新体操部だけが使用しているの。教員用の女子更衣室は第一体育館にもあるし、だからここは私専用のようなもの。他の先生たちが来たことなんて、これまで一度もないわ」

「そうですか」

言われてみれば、盟朋の運動部の中で、新体操部は何度か全国大会にも出場し、一番実績を残しているクラブだった。

他の室内スポーツのクラブが、すべて第一体育館を使用しているのに対し、新体操部だけが講堂を独り占めできるのは、そういう理由があるからなのだろう。

これで完全なる安心感を得た正平は、ホッとしながらも、ぐるっとあたりを見回した。

教員用とはいえ、プレハブ小屋の男子更衣室と比べると部屋の中が明るく、床も鏡のようにピカピカと光り輝いている。真正面にはロッカーが五つ並び、左側の壁には洗面台まで取りつけられ、まるで女尊男卑と言わんばかりの待遇のよさだった。

右側に見える扉は、シャワー室へと通じているのだろうか。

正平が美帆に視線を戻すと、彼女はロッカー前に置いてある長椅子へと腰掛ける最中だった。

美帆は上下とも、サイドに黒い線の入った白いジャージを着ている。

盗撮目的で何度も記念館を訪れていたが、彼女がいつも練習中に着用していたジャージと同じものだ。

美帆は微かな笑みを口元に浮かべ、足を組みながら口を開いた。

「それで、約束はちゃんと守れたのかしら?」