(ええい、ままよ!)
一瞬の躊躇いを見せたあと、正平は気合い一発、ズボンをパンツごと一気に引き下ろした。
愛理の視線が、正平の股間へと注がれる。
リボンの存在を目にした彼女は、当然また非難を浴びせてくるだろう。だが厳しい顔つきをしていた愛理の表情は、徐々に驚きのそれへと変わっていった。
「な、何、これ?」
両手で口を押さえた愛理が、裏返った声を発する。まるでエイリアンにでも遭遇したかのような顔つきだ。
正平は何事かと慌てて自身の股間を見下ろしたが、リボンが根元に括られている以外、普段のペニスの状態となんら変わりはない。
「嘘、信じられない。普段でこの大きさなの?」
愛理がおそるおそる近づき、前屈みになると、正平はようやく彼女の驚愕の理由を悟った。
英語講師室では美帆の身体に遮られ、屋内プールでは遠距離だったため、愛理は正平の逸物をしっかりと確認していなかったようである。
通常の状態でも、正平のペニスは普通の大人が勃起した程度の長さがある。まだ性体験の少ないであろう美少女が愕然とするのも無理はなかった。
愛理は最初の目的も忘れてしまったのか、正平の股間の前でしゃがみ込み、好奇心一杯の眼差しを向けながら口を開いた。
「ねえ、ちょっと大きくさせてみて」
「そ、そんな。こんな状況で無理だよ」
「なんでも言うこと聞くって言ったの嘘?」
そう言われても、困惑してしまう。
いつでも好きなときに勃起できたら、歩く生殖器と同じである。男の生理現象というものは、そんな単純なものではないのだ。
それでもなんとか勃たせようと、正平は右指を肉胴に添え、軽くしごきあげた。
しかし美少女に間近で見られているという緊張感からか、やはりペニスはピクリともせず、萎靡したまま。焦れば焦るほど、勃起の気配すら見せなかった。
「やっぱり……む、無理」
正平が深い溜め息をつくと、愛理は不服そうな顔をしながら、すっくと立ちあがった。
「いいわ。ちょっとこっちに来て」
今度はいったい何をするつもりなのか。
愛理が机に向かって歩いていくと、正平も仕方なく、足首に絡まったズボンを床に引きずりながら、よたよたとそのあとに続いた。
愛理が突然振り返り、床をポンと蹴りあげる。その様子を見ていた正平は、すぐさま「あれっ!」という素っ頓狂な声をあげた。
机の上に座りこんだ愛理の姿は、英語講師室で見せた美帆そのままだったのである。
「そ、その座り方……」
「何よ。座り方がどうかしたの?」
「い、いや……別に」
愛理の反問から察するに、どうやら無意識にとった行動のようだが、よほど美帆に対して深い愛情と尊敬の念を抱いているのだろう。
愛理はそのまま両足を開いていくと、両手でプリーツスカートの裾を摘んだ。
その格好だけでも、短めのスカートから伸びた太股はしっかり見えていたが、愛理はさらに徐々にたくしあげていく。
「これならどう?」
どうやら愛理は視覚的な刺激で、萎靡状態のペニスを勃起させようとしているようだ。正平は性欲本能から、愛理にふらふらと近づいていった。
美帆の行為をそのまま踏襲しているとすれば、このあとの愛理の行動にも十分期待が持てる。
ペニスがビクンとしなり、海綿体に少量の血液が注入されたが、正平はスケベ心を自ら封じこめた。
ここで完全勃起してしまったら、これ以上の淫らな愛理の姿は拝めないだろう。初恋の相手の秘芯を見てみたい、という思いも当然ある。
愛理の太股はすべすべしていて、いかにも柔らかそうだった。色が透き通るように白く、遠目からではわからなかったが、肌が異様なほどきめ細かい。これが若さの特権なのか、その部分だけは美帆や真奈よりも勝っていた。
愛理の股間の暗がりが、なんとも男心をそそる。
パンティーの股布部分まであと数センチ、すでに正平の鼻息は荒さを見せはじめていたが、あえて平静を装った。
それにしても、愛理の変わりようには、正直びっくりするばかりだ。
確かに中学時代から勝ち気な性格だったが、外見だけなら、いかにもお嬢様といった雰囲気で、このような行為に及ぶイメージはまったくなかった。
やはり男を知った故の変化なのか。いや、どう考えても、処女の女の子がこのような行動に出るわけがない。
このときの正平は、すでに愛理が初体験を済ませていることをはっきりと確信していた。
「まだだめなの?」
愛理が溜め息混じりに呟き、さらにスカートを捲りあげていく。そして一気にウエスト部分までたくしあげた。
(あっ!)
純白のパンティーが、視界に飛びこんでくる。思わず心臓をドキリとさせた正平だったが、すぐさま眉間をしかめた。
女子高生らしいコットン生地だと思われた代物は、その布地がパンティーより厚く、どうも下着とは違うように思える。
それが先ほど着用していたレオタードであることに気づくまで、さほどの時間はかからなかった。
愛理は更衣室でレオタードを脱がず、その上から制服を着てきたのだろう。どうりで視聴覚室に現れた時間も早かったはずだ。下着でないなら、こんな大胆な行動に出られた理由もよくわかる。
一瞬失望感を覚えた正平だったが、それでも上にスカートがあるだけで、十分エロチックな雰囲気が伝わってくる。しかも上つきの秘芯は、やはりこんもりと盛り上がっているのだ。