「あっ! あぁぁぁぁぁぁぁあ!!」
身を八つ裂きにされそうな狂おしい切なさが、全身を苛んでいく。
乳肌から解放されたペニスは赤黒く膨れあがり、ペニスはさも辛そうにビクビクとひくついていた。尿道口からは、先走りの液がとめどもなく洩れだしている。
正平は上半身を屈め、膝を擦り合わせながら、恨めしそうな視線を美帆に送った。
「だめよ。こんなに簡単にイッちゃ。さっきあなたは、どうにでもしてと言ったでしょ?」
そう言いながら美帆は立ちあがると、再び襟元に手をかけ、乳房をジャージの中に隠してしまう。
正平は、まるでおもちゃを取りあげられた子供のような顔つきを見せた。
三日間の禁欲は、予想以上の凄まじい快楽を与えている。パイズリも理性が吹っ飛ぶような昂奮を与え、まさに極楽浄土の射精を迎えるはずだった。
まさか、その瞬間に寸止めをされてしまうとは。
それでも正平は、美帆が見せるだろう次の行為に期待を繋げた。ご褒美をあげると言った彼女の言葉が、頭の芯を痺れさせていく。
美帆は、終始悪戯っぽい笑みを浮かべていた。それは女王様がM奴隷を苛めているかのように思え、さらに正平の被虐心を奮い立たせた。
早く放出したいという願望が頭の片隅に残ってはいたが、確かにもっと淫らな体験をしてみたいという思いもある。
もし童貞を奪ってくれるのなら、そのときは快楽の虜になりながら、目一杯の激しい射精をしたい。
正平が期待に胸を弾ませていると、美帆は突然壁時計をチラリと見上げた。
「本当はね、今のはご褒美じゃないのよ。あなたが本当に約束を守っていたなら、イカせてもあげたんだけど。さ、いよいよ本番の幕があがる時間だわ」
「はっ?」
その言葉の意味が呑みこめず、正平が一瞬怪訝な顔つきをした直後、奥の扉のドアノブがカチャカチャと回りはじめた。
(シャ、シャワー室に誰かいる!?)
顔から、瞬時にして血の気が失せていく。
正平の頭の中に、退学という二文字が浮かびあがった。
ここが教員用の女子更衣室だという状況も、頭の中からはすっぽりと抜け落ちている。ただ一人の女性教諭と淫らな関係を結んでいたという事実、それが第三者に知られてしまうという恐怖だけが、脳裏を覆っていたのである。
視線は扉に釘づけ、身体がまったく動かず、股間さえ隠すことができない。シャワー室の扉が開かれると、正平はまるで幽霊を見たかのような顔つきに変わった。
(え!?)
大きく開いた口が塞がらない。
そこには美帆と同じデザインのジャージを着た真奈、そしてレオタード姿の愛理が佇んでいたのである。
第六章 悦虐の乱交~童貞嬲り
1
正平は口をパクパクさせ、真奈と愛理の姿をただ呆然と見つめるばかりだった。
真奈は冷ややかな笑みを口元に浮かべていたが、愛理は眉尻を吊り上げ、正平を睨みつけている。
真奈は昨日の夕方には学園に戻っているはずだったが、それは正平の下校したあとのことで、これが一週間ぶりの対面だった。
勃起状態のペニスを見ながら、真奈が嫌みたっぷりに言い放つ。
「江本君、お元気そうね」
「あ……あ」
何をどう言っていいのやら、言葉がまったく出てこない。
こういうかたちで顔を合わせるとは思っていなかっただけに、びっくりしたのは事実だったが、それ以上に驚いたのは愛理の存在だった。
彼女は、講堂で新体操の部活にいそしんでいたはずである。もちろん正平自身も、この目で確認している。
「ど……どうして」
その疑問に答えるかのように、美帆は腕組みをしながら口を開いた。
「このシャワー室の反対側には、生徒用の更衣室があるの。つまりシャワー室は、教員と生徒が共同で使っているというわけ」
言われてみれば、シャワー室を挟んで生徒用の更衣室は確かにあった。
まさかシャワー室が共同使用されているとは夢にも思っていなかったが、もちろん男子生徒の正平が知っているはずもなかったのである。
おそらく真奈と愛理は待ち合わせをし、生徒更衣室からシャワー室を通ってやってきたのだろう。
だが、なぜそんなことをする必要があるのか。パニック状態の頭では思考が働かず、正平はただ狼狽えるばかりだった。
真奈はシャワー室の扉を閉めると内鍵をかけ、愛理とともにゆっくりと歩み進んでくる。
密室状態の中で三人の女性に迫られ、正平は捨てられた子犬のように身体を震えさせた。
美帆、真奈、愛理の本意がわからないだけに、得体の知れない恐怖が襲ってくる。
(美帆先生は、いったいどういうつもりなんだろう。僕を怒るつもりなら、なんでさっきはパイズリなんか……。でも、あれはご褒美じゃないって言ってた)
その直後、正平は講師室での出来事を思い出していた。
あのときも美帆からの厳しい叱咤を予測していたのだが、待っていたのは甘美な仕置きだった。
もしかすると、今回もそれと同じパターンなのかもしれない。だとすると、このあとの展開にも十分期待はできるのだが、どうにも場の雰囲気が悪く、正平はただおろおろとするばかりだった。
美帆はやや目尻をあげ、口元に冷笑を浮かべたまま言葉を続ける。
「柏木さんから全部聞いたわよ。悪い子ね。最初に言ったでしょ? 女生徒相手に変なこと考えたらダメだって」
「え? 変なことって」