女教師たちの童貞いじり 美尻挑発の甘い罠

「あなた、柏木さんを呼び出して、いたずらしたそうね」

「そんな! 違います!」

正平は、思わず憤然とした。

確かに愛理とは淫らな関係に及んだが、それは元はといえば、彼女のほうから仕掛けてきたことである。まるで正平だけに責任があるような言い方は、とても納得できるものではなかった。

思わず愛理に目を向けると、彼女は勝ち誇った笑みを浮かべている。

その顔を見たとたん、正平は難解なパズルを解いたように、彼女の企みがすべて理解できた。

どうやら愛理は、美帆と二人だけで会わないという正平の言葉を信用できず、先手を打っていたようだ。

確かに正平の中学時代の行い、約束を何度も破って彼女の身体に悪戯したことを考えると、信用しろというほうが無理な話だった。

「私も大沢先生から相談を受けて、びっくりしたわ。まさか女生徒に手を出していたなんて。なんでそんなことをしたの?」

最初は微かな笑みを浮かべていた真奈も、今では真摯な顔つきへと変わっている。

彼女との淫猥な関係を結んだ日から間がない行為だけに、まるで女としてのプライドを傷つけられたといった表情だ。

今の正平は、まさにのっぴきならぬ状況に置かれていた。

このままでは美帆と真奈の信頼を失うばかりか、まったく相手にされなくなってしまう。二人相手の童貞喪失など、遠い夢物語へと葬り去られてしまうだろう。

「ち、違うんです。僕の話も聞いてください!」

正平が必死の形相で申し開きをしようとすると、それを遮るように愛理が叫んだ。

「私のレオタード姿まで、携帯カメラで盗撮していたんです!」

(なっ!?)

正平は、蝋人形のように真っ白になった顔を愛理に向けた。

なぜ盗撮したことを知っているのか。そして、なぜこの場で告発するのか。

講堂の扉は三センチほどの隙間を残し、ほとんど閉められていたはずで、よほど注意して見なければ撮影していることなどわからなかったはずだ。

もちろん練習中の愛理が、そのことに気づいたという気配は微塵もなかった。

(あっ!)

正平は、月曜日の愛理の言葉と行動を思い出した。

考えてみれば、講堂に呼び出すということ自体がおかしい。本来なら正平に、レオタード姿は絶対に見せたくないはずである。

最初から視聴覚室で待ち合わせをすればよかったにもかかわらず、三十分も早く呼び出したうえに、実際には練習が終わった時刻も定時だった。

愛理は正平を陥れるために、すべて計画的に事を運んでいたのではないか。

レオタード姿をたっぷりと見せつけ、正平の盗撮癖を刺激する。扉を微かに開けておいたのも、彼女が仕組んだ罠だったと考えれば、すべての辻褄が合う。

当然のことながら、愛理はその隙間から携帯カメラが覗いていたことも知っていた。知っていながら、素知らぬフリをしていたに違いない。

「柏木さん、その話は本当なの? 昨日は、そんなこと何も言っていなかったじゃないの」

「確証があったわけじゃなかったので……。でも江本君の言い訳ばかりの態度を見ていたら、これ以上我慢できなくて」

美帆の問いかけに愛理は顔色も変えず、はっきりとした口調で答える。

「携帯を見せてごらんなさい」

「あ……あの」

美帆が抑揚のない声で問いつめてくると、正平はどもりながら、思わず下唇を噛み締めた。

あまりにも迂闊だった。この三日間は美帆との約束、そしてペニスの根元を縛る枷が気になり、月曜日の盗撮写真は携帯に残したままの状態だったのだ。

しかも愛理に対しては、実際にいたずらに近い行為をしていただけに、正平の頭はパニック状態に陥った。

なんと言って釈明したらいいのか、まるで頭に浮かんでこない。額から脂汗が滴り落ち、正平は思わず真奈に救いの目を向けていた。

彼女とは特別な約束を交わしているわけではないし、スクールバス内、屋内プール場と淫らな関係を結んだ間柄でもある。少なからず、自分に好意を抱いているのは間違いないはずだ。

だが当の真奈は先ほどとは打って変わり、厳しい顔つきに変貌していた。

庇ってくれることを期待したのだが、やはり盗撮という行為は、同じ女性として許せるようなものではないのか。

正平は無言のまま、ただ俯くばかりだった。

その様子から、美帆は愛理の言葉が真実であるという確信を得たのだろう。

「先生、がっかりだわ。あれだけ約束したのに、まさかこんなかたちで裏切られることになるなんて」

返す言葉がまったく見つからない。

「柏木さん、本当にレイプはされてないのね?」

「え? は、はい。必死になって抵抗しましたから」

(おいおい……。ちょっと勘弁してよ)

正平はもう目が眩み、その場で倒れそうになった。

確かに強引に迫ったことは事実だが、レイプをしようなどという気持ちはさらさらなかった。痴女誘惑系のお姉さんがタイプの正平は、元々そういう性嗜好を持ち合わせていないのである。

なんとか弁明を試みたかったが、もはやそういう状況ではない。

正平はただ悔しそうに口元を歪めるだけだったが、美帆はさらに厳しい追及をしてくる。

「ひょっとして、私や田所先生の姿も盗撮したことがあるんじゃないの? このあいだも二階の張り出し口に、カメラを持った男の子がいたって部員たちが騒いでいたけど」