虚ろな表情をしていた愛理は、目の前にニュッと突き出た唇の存在に気づくと、すぐさま瞳に精気を漲らせた。
「いやっ!」
愛理はガバッと上半身を起こし、正平の手が肩から外れる。びっくりした正平が目を開けると、眼前に美少女の顔はなく、ただ上履きの裏側が見えるだけだった。
次の瞬間、顔面に凄まじい衝撃が走る。愛理は右足で正平の顔を、左足で胸を力一杯蹴飛ばしていた。
「うわっ!」
哀れ、ふいをつかれた正平は膝立ちの体勢のまま、もんどりうって後方へ倒れこんだ。
愛理はすぐさまレオタードの股間部のずれを直し、捲れあがっていたスカートを下ろしたが、正平には一瞬何が起こったのか、まったくわからない。ただ愛理が机の上から下り立った気配だけは、肌で感じ取っていた。
第五章 レオタード美少女の素股射精
1
額から鼻にかけ、凄まじい痛みがじんじんと走る。正平は仰向けになりながらも、身体を丸めた赤ん坊のような格好で、全身を小刻みに震わせていた。
愛理の怒りは、ここまでビンビンと伝わってくる。
触れてはいけないという約束を破ったばかりか、大切な乙女の花園を穢されたのだから、当然の反応だろう。
愛理を絶頂へ導いたことで、有頂天になりすぎた。
これが女性経験のない、童貞少年の浅はかさなのだろうか。あまりにも考えが甘かった。
「最低! こんなことするなんて、絶対に許せない!!」
愛理が恫喝しながら、大股で近づいてくる。勝ち気な彼女のことだ。おそらくまた蹴りを入れてくるのではないか。
正平は恐怖から思わず身体を竦めたものの、次の衝撃はいつまで経ってもやってこなかった。
いや、その気配はおろか、なんの音も聞こえず、室内はしーんと静まり返っている。
正平がこわごわ目を開けると、傍らに佇む愛理の姿が映った。
先ほどの敵愾心たっぷりの態度はどこへやら、唖然とした表情をしている。その視線は、明らかに正平の股間へと向けられていた。
「嘘ぉ。なんなの、これ」
愛理へのクンニリングス、そしてキスを迫ったことで、正平の性感は頂点まで沸騰し、肉槍はすでに剛直と化していた。
女の子に蹴り倒されたという屈辱的なショックもなんのその、いまだ熱のこもった膨張を晒していたのである。
「信じられない。こんなに大きいなんて」
大人の女性である、美帆や真奈が驚愕したほどだ。たとえ処女でなかったとしても、男性経験の少ないであろう愛理にとっては、まさに怪物にでも出くわしたかのように感じたことだろう。
何はともあれ、正平にとっては、巨根が愛理の怒りの感情を抑える役目を果たしたことはありがたかった。
「ちょっと足を伸ばしてみて」
これ以上、金切り声をあげられたら堪らない。もちろん命令どおり、くの字に曲げていた両足を素直に伸ばしていく。
「すごい……先っぽがお腹の上まで届いてる」
ようやく顔の痛みが和らいだ正平は、愛理の言葉を受け、自らの下半身を見下ろした。
自慢の肉のシャフトは青龍刀のような反りを見せ、己の顔を突き刺すかのごとく、腹にぴったりと貼りついている。
よほど昂奮していたのだろう、亀頭の張り具合も雁首のがっちりしたえらも、自分でもびっくりするほどの逞しさを誇っていた。
「江本君……あの……女の人としたこと……あるの?」
愛理はペニスから目線を外さず、心に思ったことを率直に聞いてくる。
正平が小さく顔を横に振ると、愛理はようやくチラリと正平に顔を向け、再びいぶかしげな視線を怒張に戻した。
「こんなの、普通の女の人じゃ、とても入らないよ。英語講師室で美帆先生がびっくりしてた声は聞いたけど、まさかこんなに大きいなんて思わなかったわ」
「えっ?」
その言葉を聞いて、正平は急に不安感を覚えた。
自らペニスの胴回りを見て、こんなものが果たして女性の膣内に入るのかという思いは、かなり以前から抱いていた。
背が高くてグラマー、そして年上で経験豊富であろう美帆や真奈に興味が移ったのも、彼女たちなら自分の逸物を受け入れてくれるだろう、という期待が無意識のうちに働いていたからである。
それだけに、愛理のひと言は正平の心を深く抉った。
「お、大人の女の人でも無理?」
思わず問いかけた正平に、愛理は顔色を変えずに答える。
「う~ん。よくわからないけど、だってどう見たって大きすぎるもの。しかもコーラの瓶みたいに太いし。こんなの入れられたら壊れちゃうよ」
「美帆……先生でも?」
「無理! 絶対無理!!」
美帆の名前を出したとたん、愛理は眉を吊り上げ、キッと睨みつけてくる。
正平は(しまった!)と思ったものの、もはや彼女の感情を抑えることはできなかった。
「まさか、美帆先生とまだ会う気じゃないでしょうね?」
「違うよぉ。ただ参考のために聞いただけ」
正平がそう答えると、愛理は何かに気づいたのか、「ははぁ~ん」という声をあげながら意味深な笑みを浮かべた。
「それで、美帆先生相手に試そうと思ってるんだ」
「そ、そんな。何度も言うけど、僕のほうから誘ったわけじゃないんだよ」
「美帆先生は騙せても、私は騙されないから。どうせ女子トイレに潜んでいたのだって、最初からそれが目的だったんでしょ!」
やはり愛理は、講師室での美帆との会話をしっかり聞いていたようだ。