彼女が制服を脱いだら 清楚な学級委員と快活巨乳同級生と女教師

(うわぁ、すごく緊張する……早く席に着きたいよ)

もともと、目立つことは苦手なタイプだ。一刻も早く、皆の視線から解放されたい。心臓をバクバクと鳴らしていると、絵里子は生徒たちを見回して言った。

「こら、みんな私語は慎むこと。えっと、山川くんの席は……そうね、かげさんの隣が空いてるわね。ちょうどいいわ。景井さん、しばらく慣れるまで、山川くんの面倒を見てあげてくれるかな」

「はい、先生、わかりました」

教室の窓際から三列目、一番後ろの席に座っていた少女が、鎖骨辺りまで垂らした黒髪をさらりと揺らして言った。幼さを残しながらも、まっすぐな視線と口角をあげて結ばれた口元が育ちの良さを感じさせる清楚な風貌の少女だ。

(うわぁ、かわいいコだなぁ)

丸顔に小動物を髣髴とさせるつぶらな瞳、決して華美なところはないが、整った顔立ちに、清潔な雰囲気が漂っている。

童顔だが、優しそうでどことなく母性さえも感じさせる穏やかさに、緊張に固まっていた身体がふっと緩む。

「山川くん、じゃあ、席に着いて。景井さんはクラス委員なの。わからないことがあったら、何でも聞いて」

「あ、はいっ」

軽く会釈すると、机の間を渡って絵里子が指した席に腰を下ろす。すると、隣の席の少女が照れたような微笑みを浮かべて手を差し出してきた。

「わたし、景井まみ。よろしくね」

遠慮がちに手を差し出し返すと、少女はその手をきゅっと握り締めた。少し湿った温かな肌の感触が手のひらに心地よく、トクン! と胸が高鳴る。

「あ……あの……山川です、よろしく」

思わず声が上ずってしまった。

(うわ、ぼくってば、みっともない……)

東京の女学生を相手に、恥ずかしさに顔がかぁっと熱くなり、胸がどくどくと鼓動する。

「このクラスは、みんな仲良しだから、山川くんもすぐに馴染めるよ」

「そ、そうかな、そうだといいけど」

「うんっ、大丈夫! なーんにも心配することなんてないよ」

激しく波打つ胸の鼓動はまだ収まらぬまま頷くと、まみは力強く頷き返した。

ホームルームが終わると、クラスメイトたちが寿治の周りへと集まってきた。転校生という存在に興奮を隠せない様子で、寿治を取り囲んでは、口々に質問攻めしてくる。

「山梨の何処辺りに住んでたの?」

「えっと、甲府ってわかるかな? 武田信玄とかで有名なんだけど」

「あ、歴史で習った! でも、この時期に転入って珍しいよね」

「父親の仕事の都合で……」

「ねぇ、山川くんって、彼女とかいるの?」

「えっ! 彼女!?」

予想もつかない質問に、声の主を見ると長い髪をポニーテールに結った少女が寿治にじっと視線を注いでいた。

綺麗な栗色の髪に紺色のリボン、長い睫に縁取られたぱっちりとした瞳に、つやつやとした唇。紺色のセーラー襟の胸元の蝶結びのリボンが、その顔の愛らしさを強調しているが、その下の膨らみははっと息を飲むほどに大きく実ってたわわ。

ただでさえ大人っぽく見えるこの学校のクラスメイトの中でも、ぱっと目を惹く、ひときわ華やかな存在感を持った美少女だ。

「い、いないけど……」

「よかった! じゃあじゃあ、が立候補しちゃおうかなぁ」

「えっ!?」

少女はポニーテールをふさりと揺らすと、ぴょんと飛び跳ねるように寿治の傍らに近づき、腕に自分の腕を絡めた。

「ヒューッ! 転校生、モテんじゃん!」

「亜季ってば、こういうコがタイプなんだ。意外ーっ」

一瞬の静寂後、クラスメイトたちの冷やかしの嵐が襲ってくる。

「いや……あの……いきなりそんな……」

「あたし、かみ亜季。よろしくっ! 仲良くしてね!」

「あ……えっと……はい……」

もとより女性に免疫のあるタイプではない。もちろん彼女などいたこともないし、誰かに好きだと言われたのも初めてだ。

(ど、どうしよう……困ったな)

顔が燃えるように熱い。こんな可愛らしい子に『彼女にしてくれ』などと言われ、嬉しくないわけはないが、恥ずかしさが先に立って戸惑ってしまう。

それなのに、亜季と名乗った少女は、人懐こい犬のように、上半身を無邪気に押し付けてくるのだから困ってしまう。

(それに……これ、肘に当たってるのって、ひょっとして……おっぱい!?)

柔らかな塊が肘に当たってはプニプニとたわんでいるのが、制服の布地越しにもわかる。

(ううっ、おっぱいとか、まずいって……)

全神経が肘に集中して、上手く息が継げずに胸が苦しい。少女の積極的なアプローチに何もできずにいると、次第に股間に熱が溜まっていくのがわかった。

(う……わぁ、どうしよう……みんなの前なのに!!)

首筋の辺りから、女のコならではの甘酸っぱい匂いがぷんと漂ってきて鼻腔をくすぐる。胸の鼓動はさらに高まり、身体をぴったりと寄せている亜季に聞こえてしまわないか心配なほどだ。

「ねぇねぇ、トシくんって呼んでもいいよね。あたしのことは亜季って呼んで」

「あ……う……うん……」

「ちょっとちょっと、亜季ちゃん、転校初日に独り占めしちゃだめだよ、みんな山川くんとお話したがってるんだから」

焦りで裏返ってしまいそうになる声をやっとのことで抑えて答えると、凛とした声が割って入った。

(た、助かった……)

首だけで声の主のほうを振り返ると、呆れた顔つきのまみが、両手を腰に当てて呆れた顔で立っていた。