彼女が制服を脱いだら 清楚な学級委員と快活巨乳同級生と女教師

亜季は立ち上がると、まだ肩で息をしている寿治を抱きしめて頭を撫でた。

少女の優しさと、その情熱に胸が熱くなる。こんなに自分のことを好きでいてくれるだなんて──。

(どうしよう……やっぱりぼく、別れて欲しいなんて言わないよ……)

あんなふうに奉仕された後に、いったい誰が別離を告げられるのだろう。けれど、まみとの約束も守らなくてはいけない──。

(どうしたらいいんだろう……)

途方に暮れた思いで亜季の顔を見ると、亜季は悪戯っぽい顔を浮かべて言った。

「あのね、友達ってことでいいんじゃないかな?」

「えっ、友達?」

「そう。トシくんがまみちゃんと付き合いたいのはわかった。亜季は、トシくんが幸せなのが一番だから、彼女の座はまみちゃんに譲ってあげる。でもね、その代わり、一番の友達に亜季がなるの」

「えっ……」

「……でも、もちろんエッチはありだよ」

「え、エッチはあり!?」

「そう、エッチはあり。友達としてだったらいいでしょ? 彼女の立場はまみちゃんに譲るんだから、それくらいは許してもらわないと」

亜季は恥ずかしそうに笑うと、寿治の唇にちゅっと軽くくちづけた。

(いや、……それって、友達って言わないような……)

けれども、こうまで提案され、友達にすらなれないとはさすがに言えない──。

(ううっ、困ったな……)

どうしたものかと、目の前の少女を見つめると、亜季はにっこりと天真爛漫な笑顔で笑い返した。

「待ってるって言ったけど……さすがにもういないかな……」

公園で勢いに押されるまま、妙な形の友情を誓いあった後、お腹が空いたという亜季にハンバーガーショップに付き合わされ、解放された頃には九時を回っていた。

家に戻ろうか悩んだが、それでも約束をしたのだから、と急いで自転車を学校へと走らせると、ひとつだけ電気のついている教室があるのがわかった。美術室だ。

(まみちゃん、やっぱり待っててくれたんだ……)

駐輪場に自転車を止めると、駆け足で美術室へと向かう。

「ごめん、まみちゃん、遅くなって!」

美術室の扉を開けると、まみがぽつんとひとり椅子に座っていた。

「よかった、来てくれないかと思った」

まみのほっとした顔を見た瞬間、ちくりと胸が痛んだ。思わず目を逸らすと、机の上に寿治のスケッチブックが広げてあるのが目に入った。

「あ、それ……」

「あ……ごめん、勝手に見ちゃった。けど……寿治くん、わたしの絵ばっかり描いててくれたんだね、嬉しい」

まみは机の上からスケッチブックを拾い上げるとにこりと微笑んだ。その嬉しさいっぱいの顔に、罪悪感がさらに募る。

「あの、まみちゃん、ごめん……亜季ちゃんのことなんだけど」

「あ、どうだった?」

「うん、一応別れたけど……友達ではいてくれって」

「そっか。友達になったんだ……」

優等生はスケッチブックを机の上に置くと、寿治に向き直り、恥ずかしげに俯くと、ぱっと顔をあげて首を傾げた。

「じゃあ、これでわたしたち、一応彼女と彼氏なのかな」

「……うん」

「そっか、嬉しい!」

まみはてくてくっと寿治に向かって小走りに駆け寄ってくると、ぴょんと飛びつくように抱きついた。いつもはしっかりした優等生タイプのまみがこんなふうにはしゃぐのは珍しいから、よほどに嬉しかったのだと思う。

(ううっ……まみちゃん、ごめん……)

先ほど亜季と、セックスこそはしていないといっても、口と、さらにはおっぱいまで使ってエッチなことをしただなんて、この可愛らしい恋人には口が裂けても言えない。申し訳なさが溢れて、まみをぎゅうっと抱きしめて唇を重ねた。

「恋人になって初めてのキス……だね」

唇が離れると、まみは寿治の胸にうっとりともたれて言った。罪悪感に居てもたってもいられない思いで、セーラー服に包まれたまみの胸に手を置くと、ぎゅっと力を入れる。

「あれ……エッチも……しちゃうの?」

「いや……あの……そういうつもりじゃないんだけど」

「ううん、いいよ、しようよ。今年最後のエッチ……で、わたしたちが恋人になって、初めてのエッチ」

まみはもう一度キスをねだるようにすっと目を閉じた。

(そっか、まみちゃんと、恋人としてのエッチは、まだしたことがないんだ……)

そう思うと、まみを抱きたい、恋人同士の絆を確かめたいという気持ちがムクムクと湧いてくる。

(でも……彼女はまみちゃんっていう話でまとまったけど、亜季ちゃんともこれからエッチは続けるって約束させられちゃったわけで、それをまみちゃんに秘密にして、ここでまたエッチしちゃってもいいんだろうか……)

混乱してしまう。なんせ、今まで恋愛なんてしたことはなかったのだ。それが、いきなりふたりの女の子に好かれてしまうだなんて、いきなりレベルが高すぎる!

(絵里子先生、ぼくはどうしたらいいんでしょうか……)

せっかくアドバイスをくれた絵里子に申し訳なさを感じていると、まみが不思議そうに寿治の顔を覗き込んだ。

「どうしたの、寿治くん」

「いや、なんでもない……」

「なんだかヘンだよ?」

「いや、あの……実は……話があるんだ」

やっぱり無理だった。このまま黙っているだなんて自分にはできない。寿治はさっき公園であったことを、恋人に話し始めた──。