「もうっ……仕方がないなぁ」
洗いざらいすべてを告白した後は、当然軽蔑されるか嫌われるかと思っていた。けれども、まみは、呆れたようにふう、とため息をつくと腕を組んで言った。
「あ……れ、怒らないの?」
「だって怒ったって仕方がないでしょ。もう……その前には戻れないわけだし、それに、亜季ちゃんの気持ちだってわかるし。それに、寿治くん、ちゃんとがんばって、亜季ちゃんとは一応別れてくれたから……けどね、ちょっとだけは怒ってるよ。ね、寿治くん、本当に私のことが好きなの?」
「も、もちろんだよ」
「本当に?」
まみが本心を見透かすようにじっと寿治の目を覗き込んだ。
「本当だよ。彼女はまみちゃんだけだし。その……亜季ちゃんともそのうち、本当に普通の友達になれると思うし……」
「ふぅーん。じゃあさ、証拠見せてよ」
「証拠?」
「そう、わたしのことが一番好きだっていう証拠。ね……さっきの続きをしよう」
まみは寿治の首に手を伸ばすと、身体をぎゅっと押し付けた。キスをねだるようにすっと瞳を閉じる。
「あ……う……うん……」
もう一度、改めて顔を寄せると、心を込めて唇を重ねた。
思いの丈が伝わるように優しく唇を合わせていると、まみの心の解れを表わすかのように、唇の力が緩んで、内側から吐息が漏れてくる。
(よかった……まみちゃん、許してくれたんだ)
じんと熱い思いが胸の奥から突き上げてくる。まみの心の広さに感激しながら、唇を重ねていると、やがてしっとりと湿り気を帯び始め、その湿度に互いの唇がいっそうぴったりと密着する。
「キスって、本当に気持ちいいね……それに今までは少しだけ悪いことをしてる気分があったけど……それがないのも嬉しい」
今まで感じていた亜季への引け目がなくなった今、ようやく純粋に互いのことだけを考えて触れ合うことのできる歓びを感じているのか、まみは熱に浮かされたようにぽーっとした顔で熱い吐息を漏らした。
「まみちゃん、本当にごめん……」
「もういいってば、ね……それよりも、気持ちがいいこと、しよ」
まみは寿治の手を取ると、自らの胸へと導いた。セーラーブラウス越しにぷりんとした触感が伝わって、胸がとくんと高鳴る。
「まみちゃんのおっぱい、温かい」
手のひらに恋人の体温が、じんわりと伝わってきて、そこからじんじんと痺れが全身へと広がっていく。ようやく自分のものになった膨らみを力を込めてきゅっと揉みあげると、少女は「んっ」と息を漏らして身体を捩った。
「はぁあ……どうしよう、前よりも気持ちがいいみたい」
「二回目だからかな。でも、これからどんどん気持ちがよくなっていくんだよ」
寿治の手によって一歩、女に近づいたのか、それとも、恋人に抱かれるという安心感からだろうか、少女のバストが、気のせいかこの間よりも柔らかみを増している気がした。その魅惑的な膨らみを下弦から掬い上げては、たぷたぷと丁寧に揉み込んでいくと、首筋にじっとりと汗が浮かんで芳しい芳香が立ち昇る。
「寿治くんとこうなれて、すごく幸せ……」
「ぼくもだよ……」
耳元で囁くと、まみはくすぐったそうに身体を捩らせた。耳朶を軽く噛み、耳穴へと舌を差し込みながら、セーラーブラウスの裾に背中側から手を差し込むと、ブラジャーのホックを外してブラウスの裾をめくりあげる。
「んっ……」
紺色の制服の下、うっすらと血管が透ける白い素肌が曝け出された。少女と言うに相応しい純白のブラジャーと、不似合いに女らしく熟した乳房が欲情をそそる。
「まみちゃん、そこに、座って」
「ん……こんな感じ?」
彫刻や粘土を捏ねる時に使う大テーブルの上にまみを乗せると、ちょうど乳房が目の前に来た。ブラジャーをめくりあげ、まろび出た乳房を手のひらで包み込むと、弾けんばかりの弾力と、しっかりした重さが手のひらに伝わってくる。
(いつもこの教室から……まみちゃんを見てたんだ……)
バレーボールをしている最中に大きくたわんでいたまみの胸。こっそりと盗み見てはいつも憧れていたバストが今、手のひらの中にあるだなんて!
豊穣さを感じさせるほどに実った乳房を脇から掬い上げて揉みしだくと、しっとりとした乳肌の感触が手のひらに広がり、余りの幸せに頭がくらくらとしてくる。
「本当は、初めて会った時から、まみちゃんのことが気になってたんだ……でも、東京のコだからって、すごく気後れして。でも、まみちゃんはそんなぼくにも優しくしてくれた」
「ん……」
まみの膨らみを両脇から真ん中に寄せるように動かすと、深い谷間が中央部へと刻み込まれた。その深さはもとより、たぷたぷと震えては寄る肉の波に興奮をかきたてられ、手のひらの中で硬くなった乳首を摘みあげる。
「あぁ、乳首が……勃ってきた……」
「んっ……あぁんっ……」
たちまちピンと突き立った乳首を、人差し指でピンと爪弾くと、まみが身体を捩って喘ぎ声をあげた。二度目は少し力を入れて親指と人差し指とで挟んで潰すと、まみは身体をびくんと揺らして息を荒らげる。
「うん、前よりもエッチな身体になってるよ、ほら」
「あっ……あっ……あっ……あぁあっ」
関節で折って鉤にした人差し指で両の乳首をとんとんと弾くと、まみはあられもない喘ぎをこぼした。さっきまでぴったりと閉じていた膝がだらしなく開いてしまっているのは、寿治の手がそこを触るのを待っているようだ。