新妻【贖罪】 私は牝になる

「そうですか。奥さんができないのなら、私が自分でするしかないようですな」

酒井はしゃがみこんでいる人妻を見おろして、ニヤリと妖しい笑みを浮かべた。

そして、ゆっくりとした動作でソファーから立ちあがり、苦しげに喘ぐ女体を絨毯の上に押し倒していく。

「あっ……さ、酒井さん、なにを──きゃっ!」

いきなりスカートをまくりあげられたかと思うと、太腿に張りついたストッキングを摘まれる。嫌な予感に慌てて身を捩るけれど、酒井は舌なめずりしながら爪を立ててしまう。

「お疲れのようなので休ませてあげますよ」

「いやぁぁっ! やめてください、ああっ、やめてぇっ」

ストッキングを破られるビリビリという音が、嫌でも被虐感を煽りたてる。美帆は怯えた瞳で男を見あげて、絨毯の上を後ずさりした。

「私は自分で勝手に性欲の処理をしますから、どうぞお気になさらずに」

酒井が汗にまみれたポロシャツを脱ぎ捨てる。贅肉をたっぷり湛えた肥満体は、注視できないほど醜かった。しかも、その股間には黒光りする肉の凶器が隆々とそそり勃っているのだ。

(そんな……このままだと、私……)

唇から血の気が引いて、痙攣するように小刻みに震えていた。レイプされるかもしれないという恐怖が、新妻の精神を極限状態へと追いこんでいく。

「ひっ……い、いやです!」

思わず眉根を寄せて顔を背けた。しかし、ペニスの残像はしっかりと網膜に刻みこまれている。男の汗の匂いと先走り液の生臭さが混ざり合い、吐き気をもよおす汚臭となってリビングにひろがっていた。

「フフフッ、そんなに嫌わなくてもいいじゃないですか。誰でも最初は奥さんと同じ反応をしますよ。最初だけはね」

酒井はパンティの股布を脇にずらして陰唇を剥きだしにする。そして、下肢を大きくM字型に押し開き、亀頭をねっちょりとあてがってきた。

「ひいっ、だ、駄目っ、待ってください、それだけは絶対に駄目ですっ」

股間を晒す羞恥よりも、レイプの恐怖のほうがはるかに勝ってた。慌てて身を捩るが、肩をがっしりと押さえつけられては逃げられない。

「や、やめてください……くううっ、しないって言ったのに、約束が違います」

男の胸板に手のひらをあてがい全力で押し返す。しかし、脂肪だらけの巨体は一ミリも動かなかった。

夫の力になりたくて、中年男の性欲処理をすると決めた。だが、あくまでも射精の手伝いであり、当然ながらセックスをするつもりなどなかったのに……。

(晃司さん、助けてください……晃司さんっ)

愛する人の名前を、心のなかで何度も呼んだ。だが、接待ゴルフに出かけている夫が、この時間に帰宅する可能性は限りなくゼロに近かった。

「奥さんも楽しめばいいんですよ。クンニでイクよりも、ずっと気持ちいいことを教えてあげます。きっとクセになりますよぉ」

酒井は下卑た笑みを浮かべて、陰唇に重ねた剛根をねっとりスライドさせた。

獰猛な牡の生肉の熱気が伝わり、敏感な合わせ目がカッと燃えるような感覚に包まれる。カウパー汁がニチャニチャとねちっこい水音をたてて、卑猥な雰囲気を否応なしに盛りあげてしまう。

「あぅっ……や……あぅぅっ」

夫以外と経験のない美帆にとって、他人のモノを受け入れるなど考えられない。しかも、女の源泉にあてがわれている禍々しい巨大なペニスは、避妊具なしで大量の先走り液を垂れ流しているのだ。

じつは、愛する夫とするときもコンドームを装着していた。一戸建てを購入するまでは、子供を作らないと決めている。それなのに、今まさに陵辱者のモノを生で挿入されようとしていた。

「お互いすっかり濡れてきたことだし、そろそろ繋がりましょうか」

「いやですっ、それだけは……晃司さん、助けてください──」

酒井の目が異様にギラつき、腰をグイッとばかりに押し進められる。と、次の瞬間、ついに亀頭の先端が媚肉の狭間に埋没してしまう。

「ひいいいッ! やめ……あううッ、いやっ、痛っ……れないでぇっ」

「すぐにこれが大好きになりますよ。私の極太チンポがね」

カウパー汁でコーティングされた肉亀が、強引に膣肉を掻きわけてくる。まだ先端だけなのに、夫のモノを根元まで挿入されたとき以上の衝撃だった。

「くはっ……うっ……うはっ、や、裂けちゃう……」

「身体から力を抜いてください。力んでるから痛いんです。深呼吸しましょうか。ゆっくり息を吐きだして……ほおら、ゆっくり挿れてあげますからね」

恐ろしさのあまり、男の言うとおりに細く長く息を吐きだしていく。

途端に夫とは比べ物にならない巨大なペニスが、ズルズルと膣に押しこまれてしまう。初めて避妊具なしで受け入れたのは、愛する人のモノではなかった。

(そんな……私、汚されて……ああ、もう死んでしまいたい……)

考えるほどに悲しさが倍増して、涙腺が壊れたように涙が溢れだした。

「ううっ、いやです……あふっ、苦し……うっぅぅっ」

嗚咽をもらしながら拒絶の言葉を絞りだす。すると酒井は挿入を中断して、シャツのボタンを上から順にはずしはじめた。あっという間に前がはだけると、ブラジャーを押しあげられて双乳がプルルンッと剥きだしになった。

「あっ、いや、やめて……もう脱がさないでください──くぅっ、駄目ぇっ」