心身ともに疲れきっていた美帆は、なかば捨て鉢な気持ちでコクリと頷いた。途端に双眸から新たな涙が溢れるが、決して後悔することはないだろう。
(だって……もう失う物はないから……)
まんぐり返しで貫かれながら、両手を伸ばして中年男の猪首にそっとまわす。そして、口づけを求めるようにゆっくりと抱き寄せた。
「酒井さん……忘れさせてください……。なにもかも……うむンンっ」
ぶ厚いタラコ唇が重ねられて、ナメクジのような舌で朱唇を開かれる。生臭い息とともに大量の唾液を流しこまれるが、それでも抵抗することなくディープキスを受け入れた。
「はむっ……ンンっ……あふふンっ」
舌を搦め捕られて、粘膜同士をねっとりと擦り合わせる。口移しされた唾液を息苦しさのあまりに嚥下すると、今度は反対に舌の根がちぎれるほどチュウチュウ啜られて人妻の味を堪能されてしまう。
(いいのよ、これで……もう、どうなってもいいの……)
あまりの気色悪さに眉根を寄せる。しかし、すぐに破滅的などす黒い快楽が生じて、四肢の先までひろがっていく。
「ふぅっ……奥さん、やっとその気になってくれたんですね」
「ああンっ、なにも言わないで抱いてください……お願いですから……」
この薄汚く卑劣な中年男に抱かれることが、夫への復讐になると思った。それに極太ペニスを埋めこまれたままの蜜壺は、もう限界とばかりに華蜜をトクトクと湧出させている。一刻も早くとどめを刺して欲しくてたまらなかった。
「どうせなら楽しみましょうよ。オマ○コがエッチな汁でグチョグチョになってるじゃないですか。本当は犯りたかったんでしょう?」
「ああンっ、恥ずかしいです……あっ……あっ……やンンっ、濡れちゃいます」
美帆はしだいに心まで搦め捕られていくのを感じながら、全力での力強いピストンを期待していた。しかし、酒井は一時的に激しくするが、すぐに焦らすような抽送に変えてしまう。
「いやっ……ああっ、いやです……ね、ねえ、酒井さん……ンああっ」
思わず懇願しそうになるのを、わずかに残った理性の力で懸命に抑えこむ。すると美帆の葛藤する様子を見おろしていた酒井が、唇の端に妖しい笑みを浮かべて、またしても危ない秘密を語りはじめた。
「じつは、似たような手口で何組もの夫婦を騙してきたんです。犯りまくって飽きた人妻はソープに売ったり、普通の生活をさせながら売春させたりしてね」
つまり、小遣い稼ぎに使っているということらしい。
なにか酒井の雰囲気がいつもと違う。妙に腹の据わった感じは、これまで美帆が出会ったことのない危険な匂いを漂わせている。もしかしたら、今まではずっと猫を被っていたのかもしれない。
「あと、家内の綾乃ですけどね、アレももとはといえば奥さんにお貸ししているリバースシャトーに入居してきた、ごく普通の主婦だったんです」
美帆は絶頂をはぐらかされて涙を流しながらも、男の話に耳を傾けていた。
(まさか……綾乃さんまで……でも、どうして……)
どうして、こんな重要なことを話すのだろう。万が一、警察に届けたりしたら身の破滅だというのに……。
「旦那がつまらない男だったんで、私が寝取ってやりました。綾乃も今のほうが幸せだと言ってくれます。奥さん、理由がわかりますか?」
酒井は自信満々に言うと、剛根で浅瀬をヌチャヌチャと掻きまわしてくる。
「ンああっ、やっ、駄目ぇ、そんなに焦らされたら、あふっ……もういやぁっ」
それだけで鮮烈な快美感がひろがり、まんぐり返しに押さえこまれた肢体に小刻みな痙攣が走り抜けていく。恐ろしい男に目をつけられたと思う反面、倒錯的な快感が高まってしまう。
「どうして綾乃が旦那を捨てたと思います?」
「あっ……あっ……わ、わかりません──ひゃうッ!」
いきなり乳首を強く摘まれて、たまらず裏返った悲鳴がもれる。痺れるような悦楽が全身を貫き、積もりに積もった焦燥感が燃えあがった。さらに極太のペニスを押しこまれると、美帆は誘導されるように答えていた。
「ひッ、は、入ってくる、ひああッ、すごい……ああッ、すごいですぅっ」
「答えはこれに決まってるじゃないですか。奥さんも大好きなんですよね?」
「ああッ、酒井さんの太くて長いから……ひいッ、す、好きです、もう駄目ぇっ」
夫の顔がちらりと脳裏を掠めるが、もう罪悪感は微塵も湧いてこない。焦らされ続けて、身も心もアクメだけを求めていた。
「旦那さんの小さいチンポよりも、ずっと気持ちいいでしょう? オマ○コがたまらないんでしょう?」
「い、いいっ、晃司さんと全然違う、あううッ、あの人の小さいから、あッ、ああッ、もうたまんない、お、オマ○コ、ひああッ、オマ○コ、気持ちいいですぅっ」
「クククッ、もう私から離れられないんですよ。綾乃も、そして奥さんもね」
剛根を激しく抽送されると、瞬く間に理性が霧散していく。ドロドロに蕩けた膣襞をこれでもかと抉られて、信じられないほど大量の華蜜が溢れだす。夫の拙いセックスでは一生味わえない本物の快感が、子宮全体を包んで妖しく震わせた。
「あああッ、酒井さんのおチンポ、すごく感じますっ、もう夫の小さいオチンチンじゃ駄目なんです、ひいいッ、駄目っ、イクッ、イッちゃううぅぅぅッ!」