酒井がゆったりと腰を使いながら、にわかには信じがたいことを告げてくる。美帆は涙を流して首を振るが、夫を擁護する言葉は見つからなかった。
「毎日、旦那さんが仕事帰りにお見舞いに来ていたのは、そういう目的があったからなんです。家内の怪我を心配してたわけではないんですよ」
「そんな、はふンっ……酒井さんはどうして、そのことを……ンっ……ンンっ」
巨大な亀頭がズブズブと出入りするたび、痺れるような魔悦がひろがっていく。美帆は四つん這いの恥ずかしい姿勢で、好き放題に犯されていた。
「親切なナースがこっそり教えてくれたんです。奥様が浮気してますよって」
「そ、それでは……夫と奥様の関係は……あぅぅっ」
恐るおそる振り返ると、酒井は真剣な顔で大きく頷いた。
「病院中に知られていたらしいです。まあ、ナースも困ってたんでしょうね。なにしろ事故の翌日から、病室のベッドでセックスしていたらしいですから」
それはあまりにも衝撃的な言葉だった。美帆は襖の隙間に顔を寄せると、四畳半で行われている密戯を凝視した。
『くぅっ、もうすぐ出そうです……綾乃さんのなか、気持ちよすぎて……ううっ』
『ああンっ、まだ駄目よ、女を先にイカせないと……あンっ、もっと突いて』
晃司が苦しそうな表情で腰を振り、綾乃は妖艶な笑みを浮かべて受けとめる。
夫人が主導権を握っているように見えるが、最初に誘惑したのはどちらなのか。いずれにせよ、夫が熟女の肉体に溺れているのは間違いなかった。
(事故の翌日から、綾乃さんと……だから私のことを抱いてくれなかったの?)
中年男に犯されながら、胸のうちで愛する夫に問いかける。
夜の生活から遠ざかっているのは、残業と綾乃夫人のお見舞いで疲れているせいだとばかり思っていた。それが不満だったわけではないけれど、浮気をしていたとなると話は違ってくる。
「奥さん、わかりましたか? 旦那さんはずっと奥さんを裏切ってたんですよ」
「晃司さんが、私を……そんな……ンンっ」
酒井の言葉をすべて鵜呑みにしたわけではない。もう一度、夫のことを信じたくて、左手薬指に嵌められたリングに視線を落とす。チャペルで誓い合った愛が、これほど簡単に壊れてしまうとは思いたくなかった。
(晃司さんのこと……信じていいんですよね?)
でも、夫が息を荒げて腰を振るあさましい姿を見せつけられると、どうしても心が揺らいでしまう。激しく嫉妬するのと同時に、頭のどこかがスーッと冷めていくのを感じていた。
「あふっ、さ、酒井さん……ンっ、駄目……ンンっ……やンンっ」
腰の動きが少しずつ速くなり、潤んだ膣壁をカリで抉りたてられる。巨大な肉亀で子宮口を叩かれるのも強烈で、今にも嬌声が迸ってしまいそうだ。
「感じてきたんでしょう? ほら、旦那さんも夢中になってることだし、ここまできたら奥さんも楽しんだらいいじゃないですか」
「い、いやです……私は、あぅっ……晃司さんの妻です……」
美帆は粉々になりそうな理性を懸命に掻き集めて、膨れあがっていく魔的な快楽を否定しようとする。しかし、中年男の緩急をつけた腰遣いは憎らしいほど巧みで、いつしか性感を高められてしまう。
「あふンっ、抜いてください……こんなこと、夫に知れたら……はンンっ」
「立派な心がけですが、旦那さんの気持ちはすっかり家内に向いてるんですよ。私と一緒にエビフライを作ったとき、なにか気づきませんでしたか?」
昨夜、夫は綾乃夫人と並んでソファーに腰かけていた。なにやら二人で話しこんでいたようだが、ときおり肩を震わせたりして落ち着かない様子だった。
「ンっ……ンっ……どういう、ことですか?」
「あのとき、旦那さんは家内に手コキされてたんですよ」
酒井は『の』の字を描くように腰をまわしながら、悲しみに喘ぐ新妻に駄目押しの言葉を浴びせかける。すると、そのことを裏付けるように、淫戯に耽る二人の会話が聞こえてきた。
『晃司さん、気持ちいい? ねえ、私のオマ○コで感じてくれてる?』
『ううっ、綾乃さんの身体は最高ですよ』
『またそんなこと言って……ああンっ、美帆さんに悪いわ』
綾乃は自分で話題を振っておきながら、晃司を悪戯っぽくにらみつける。だが、腰の動きはとめることなく、男根を奥へ引きこむようにしゃくりあげた。
『くっ……す、すごいです……』
『フフッ……美帆さんと私のオマ○コ、どっちが気持ちいいの?』
『あ、綾乃さんのオマ○コ、美帆よりずっと気持ちいいですっ……うううっ』
晃司はためらうことなく答えると、腰をカクカクと振りたてていく。綾乃は両脚を巻きつけて、晃司の腰の後ろで足首をしっかりと組んだ。そして、よりいっそう艶めかしく裸体をくねらせる。
「う、嘘……ああ、こんなの嘘です……あっ……あっ……」
美帆は思わず目を背けて涙した。しかし、中年男の凶悪なペニスは情け容赦なく抽送を続けて、異常なほど過敏になった膣粘膜を抉りまくる。
「ンっ……あっ……だ、駄目、あぅっ……声、出ちゃいます……あむぅっ」
「奥さん、これが現実なんですよ。旦那さんは家内の熟れた肉体に夢中になり、奥さんは私のぶっといチンポで感じている。ほら、もうたまらないんでしょう?」