新妻【贖罪】 私は牝になる

(やだわ、こんなの……でも、お射精……させるまでだから……)

無意識のうちに熱っぽい溜め息をもらしてしまう。青筋を立てている剛根は、すっかりローションでコーティングされて妖しく光り輝いていた。

美帆は気持ち悪いと思いつつ、この妙なヌルヌル感に少しずつ没頭していく。逞しすぎるペニスを横目で確認しながら、中年男に気づかれないよう密かに内腿を擦り合わせていた。

「あぅっ……ンンっ……」

ヌチャッという淫靡な水音が、股間の奥で微かに弾ける。

ローターで嬲られ続けた蜜壺は、新たな華蜜を分泌してお漏らししたように濡れていた。敏感な粘膜はすっかり蕩けて、イソギンチャクのように蠢いている。とどめを刺されるのを待ち受けて、卑猥な蠕動を繰り返していた。

「くぅっ……奥さんは筋がいい。力加減が絶妙ですよ」

男の声を頭の片隅で聞きながら、ローションのヌメリを利用してバットのような剛根を扱きたてていく。いつしか気色悪さは消え去り、手のひらを押し返してくる鉄のような硬さに圧倒されていた。

「ハァ……ハァ……ハァ……はぁぁン」

自分の息遣いが荒くなっていることにも気づかない。白魚のような指を逞しい陰茎に巻きつけて、ヌチャヌチャとリズミカルにピストンさせていく。

大きく張りだしたカリを擦ると、膣壁を抉られたときの感触がよみがえり、華蜜がトロリと溢れだす。あの気が狂いそうな愉悦は、おそらく一生忘れることができないだろう。

「はぁぁっ……さ……酒井さん……」

媚びた声が自分の唇からこぼれてハッとする。夢中になってペニスを扱いていたことを自覚し、顔が熱くなって見るみる赤面していく。

(ち、違う……違うの……そうじゃないの……晃司さん……)

慌てて夫の顔を思い浮かべると、心のなかで言いわけを繰り返す。

決して欲情などしていない。身体は穢されてしまったが、生涯愛する男性は一人だけ。どんなに焦らされようとも、自分から求めたりするはずがない。

しかし、狡猾な中年男が、人妻の艶っぽい声を聞き逃すはずがなかった。

「たまらなくなってきたんですね、奥さん」

「ま、まさか……私は……早く終わって欲しいだけです……」

視線をそらしてつぶやくけれど、ペニスはしっかりと握り締めていた。虫酸が走るほど嫌いな中年男の陰茎を扱くことで、妙な興奮を覚えているのは事実だった。

「フフッ、それでは次のレッスンに入りますか」

肥満体が妖しい液体ですっかりコーティングされると、酒井は片頬に笑みを浮かべて新たな要求を突きつけてきた。

「今度は奥さんの身体にもローションを塗ってください。足のほうからオッパイを擦りつけて、身体全体で奉仕するんですよ」

「ああ、そんなこと……」

美帆は双眸に涙を浮かべて、首を小さく左右に振った。そして悲しげな吐息をひとつ吐くと、ローションを掬いあげて自分の乳房にまぶしていく。

だって、この男に逆らうことは許されないから……。

お椀を双つ伏せたような乳房は、照明の光を受けて卑猥な光を放ちはじめる。男の視線が急に粘っこくなり、逃げるように足もとへと移動してひざまずいた。

(やるしかないの……だって、晃司さんと一緒にいたいから……)

焦らし責めで頭の芯が痺れているが、一途に夫のことだけを思い続けている。結婚生活を守るためには、涙を呑んで従うしかなかった。

逡巡しながらも前屈みになり、毛むくじゃらの臑に乳房を押しつけていく。ローションがニチャッと弾けて、皮膚がヌルリと滑るのがわかった。

「そのまま、ゆっくりあがってくるんです。ちなみにこれは、『泡踊り』って言うんですよ。ソープで行われているサービスのひとつです」

余計な説明を聞かされることで、屈辱感がさらに膨れあがる。

(ああ、胸を使って奉仕するなんて……)

こらえきれない涙が溢れて頬を濡らす。それでも男の言葉に従い、這いつくばるような格好で身体を移動させていく。女の象徴である乳房が、中年男の毛臑から膝、そして太腿へと滑り、やがて屹立したペニスが目の前に迫ってきた。

「や……ど、どうしたらいいのですか?」

「オッパイの間でチンポをマッサージするように、身体をゆっくりと滑らせてください。柔らかいオッパイで挟むんですよ。『パイズリ』というやつです」

命じられるまま、淫らな奉仕に専念する。恐るおそる身体を滑らせて巨大な肉柱を押し倒すと、胸の谷間にぴったりと挟みこむ。羞恥と屈辱を噛み締めて、身体を前後に揺すっていく。

新妻【贖罪】 私は牝になる

「おおっ、いい感じですよ。やっぱり人妻の泡踊りは最高ですね」

「いや……もう許してください……」

男根の熱気が乳肉に伝わり、思わず小声でつぶやいてしまう。夫のモノとはあまりにも異なる男根が、とにかく恐ろしくてならなかった。でも、乳肌でじかに触れていると、気色悪さよりも男らしい逞しさを覚えてしまうのはなぜだろう。

「旦那さんに知られたくないでしょう? だったら続けるんです……おおうっ」

男の呻き声が気色悪いが、中断するわけにはいかない。恥ずかしい行為を強要されていることを、愛する夫にだけは知られたくなかった。

(でも……本当にこれでいいの? 晃司さん……)

心の奥底にふと疑問が浮かびあがる。こんなことをして、本当に結婚生活が守れるのだろうか。もしかしたら、破滅への道を進んでいるのではないだろうか。