新妻【贖罪】 私は牝になる

『今日の晩ご飯だけどさ……もしもし、聞こえてる?』

「あ……は、はい……はぅぅっ」

ローターを完全に埋めこまれて、膣壁がズルルッと刺激された。鮮烈な感覚が生じて、大きく開かれた内腿に微かな痙攣が走り抜ける。

『どこか具合でも悪いの?』

「いえ……い、今、お鍋を火にかけてるから……」

『もう夕飯の準備? 残業で少し遅くなるけど、今夜は必ず家で食べるから』

その場しのぎの嘘だが、晃司はまったく疑っていないらしい。そのことが罪悪感に拍車をかけて、美帆をますます悲しい気持ちにさせていく。

と、そのとき突然、ローターとアナルパールが振動をはじめて、拘束された身体がビクンッと跳ねた。録画をされているのに、卑猥な反応をとめられない。

「ひぐッ……ンンっ……うンンっ」

こらえきれない裏返った喘ぎが、噛み締めた唇の隙間から溢れだす。ごく微弱な振動だが、オモチャ初体験の美帆にとっては強烈すぎる刺激だった。

薄皮一枚を隔てて、女を狂わせるための道具が蠢いている。敏感な粘膜を挟んでカチカチとぶつかり合い、気が狂いそうな汚辱感と陶酔感を生みだしていく。

(い、いやです、お願いですから……ああ、声が出ちゃう)

唇を震わせながら、目の前にしゃがみこんだ酒井を見つめて許しを乞う。だが、中年男は目をギラつかせて、非情にもオモチャの振動を少しずつ強くしてしまう。

「ううっ……や……ひむぅっ」

『え……今なんて言ったの? 美帆、大丈夫かい?』

羞恥と恐怖で全身の感覚が鋭敏になり、今にもよがり声がもれそうになる。愛する夫の声が今は逆につらかった。膣と肛門を抉られて、強烈な快美感が急速に膨れあがっていく。

「だ……大丈夫です……お鍋のお湯が……ンンっ、跳ねただけ……」

上擦った声でなんとか取り繕う。しかし、ローターとアナルパールがもたらす二穴責めのどす黒い快楽には到底抗えない。美帆は天井を仰ぎ見ながら、肘掛けに乗せた両脚の爪先をググッと内側に丸めていく。

『火傷しなかった? 冷やしたほうがいいんじゃないか』

晃司が心配そうに声をかけてくるが、もう答える余裕などあるはずがない。

(駄目っ、このままだと……いや、ああっ、駄目になってしまいます)

絶頂の高波が迫ってくるのを感じ、思わず泣き顔を左右に打ち振った。あの瞬間だけは声をこらえることができない。よがり狂う声を夫に聞かれてしまったらと思うと、恐ろしさのあまりに目尻から涙が溢れだす。

すると、おもむろに酒井が立ちあがり、スラックスの股間から猛りきった剛根を剥きだしにした。

「旦那さんの声を聞きながらイッてもいいんですよ。もうたまらないんでしょう?」

子機を押しつけられているのとは反対の耳に、粘着質な声で囁かれる。瞳で拒絶の意思を伝えるが、中年男はさらに恐ろしい言葉を吹きこんできた。

「イクときの声を聞かれたくなかったら、猿轡の代わりにチンポを咥えるんです」

夫と話しているのに、陵辱者のペニスを鼻先に突きつけられる。泣き顔を小さく横に振るが許してもらえない。それどころか、無情にもビデオカメラのレンズが、おしゃぶりの瞬間を捉えようとしているのだ。

『美帆、火傷は大丈夫かい?』

耳にあてがわれている受話器から、晃司の気遣う声が聞こえていた。これ以上逆らったら、きっとすべてを夫にバラされてしまうだろう。

(あなた、許してください……こうするしかないんです……)

美帆は屈辱の涙を流しながら、巨大な亀頭に唇を被せていく。

「おふぅぅっ……」

口に含んだ途端、中年男のペニスが硬度を増す。おぞましくて泣きたくなるが、フェラチオのおかげで淫らな声をもらさずに済んだのも事実だった。

「フフッ、いい感じですよ。それじゃあ、もっと気持ちよくしてあげましょうね」

酒井は満足そうにつぶやくと、嬉々としながらローターとアナルパールのコントローラーを操作した。

「ふぐッ……うむむっ……ンふぅぅっ」

膣粘膜と直腸粘膜に与えられる振動が強くなり、汗にまみれた裸身がこわばっていく。慌てて喘ぎ声を抑えるように、唇をぴっちりと肉竿に密着させた。

『もしもし……あれ、どうしたんだろう?』

美帆の声が聞こえなくなったことで、晃司が心配そうにつぶやいた。

(晃司さん、こんな私を許して……ああっ、おかしくなってしまいそうです)

罪悪感を覚えながらも、返答できずに中年男のペニスをしゃぶり続ける。悲しくて屈辱的だけれど、こうやってフェラチオしているうちは、夫に嬌声を聞かれることはないはずだ。ただ、カメラのレンズを避けることはできなかった

「ンッ……うンッ……ンンンッ」

「そろそろイキそうなんですね。奥さんの身体のことは、なんでもわかりますよ。オマ○コとアナルがたまらなく感じるんでしょう?」

中年男の卑猥な囁きさえも、昂りきった官能を妖しく刺激してくる。

異常なシチュエーションになぜか肉体は蕩けきっていた。女の源泉と排泄器官を同時に嬲られて、口には巨大な男根を押しこまれている。

(駄目……駄目なのに、もう……ああっ、もう……)

受話器の向こうで夫が聞いているにもかかわらず、心のどこかで絶頂を期待してしまう。柔らかい内腿に痙攣が走ると、タイミングを計ったように巨大な肉亀を喉奥に押しこまれる。その瞬間、嘔吐感がこみあげて、頭のなかが真っ白になった。