「これはイラマチオって言うんだ。喉の奥でチンポが締めつけられるから、すごく気持ちいいんだよ」
「やめて、本当に死んじゃいますっ」
「だったら早くやりなさい。ケツの穴をペロペロするんだよ。わたしがイッたら終わりになるんだ」
黒木は一歩も引く気配がなかった。
やるしかない。母親を助けるためには、この男を射精に導くしかないのだ。沙緒里は肥満体の背後にまわりこむと、毛むくじゃらの臀部に手のひらを押し当てた。そして臀裂をゆっくりと割り開いていく。
(うわっ……汚い)
深い谷間の奥に、腐った肉のような色をした肛門が見えた。放射状にひろがる皺が不気味で、いかにも排泄器官といった佇まいだ。ここに舌を這わせるなど、考えるだけでも吐き気がこみあげてきた。
しかし、やらなければならない。父親をリストラの危機から救うため、母親をイラマチオ地獄から救うため、沙緒里は思いきって男の臀裂に口を寄せた。
「うぐううッ……」
唇が肛門に触れた瞬間、おぞましさが全身を駆け抜ける。強烈な糞便臭が鼻を突き、胃がひっくり返るような凄まじい嘔吐感がこみあげる。激しく胸を波打たせながら、それでも舌を伸ばしてアナルの皺に触れさせた。
「うぐぅっ……やっ、ンンンっ」
舌先が痺れるような刺激がひろがった。もう味などわからない。とにかく気が狂いそうな汚辱感が突き抜けた。
(わたし、お尻の穴を……ああっ、いやぁっ)
いくら脅されたとはいえ、あまりにも屈辱的な行為だった。大粒の涙が溢れて、頬を流れ落ちていく。まるで家畜にでも堕とされたような心境だ。自己防衛のためか思考が麻痺しかかっていた。
「おほっ、ケツ穴がたまらんぞ。もっと舌を動かすんです」
黒木の気色悪い声が聞こえてくる。沙緒里は目を強く閉じて、なかば投げやりな気持ちで舌を動かした。
「ンふッ……むふうッ」
舌先で皺をなぞるように、念入りにアナルを舐めまわす。この男を絶頂に導かなければ、母親を苦痛から解放できない。一刻も早くこの地獄を終わらせたかった。
「舌をケツ穴に挿れてください。すぐに射精するかもしれませんよ?」
黒木はさらなる屈辱を与えるつもりらしい。恐ろしいことを命令されるが、ためらったのは一瞬だけだった。母親を救いだすには迷ってなどいられない。沙緒里は舌先を尖らせると、アナルの中心部にあてがった。
「ンむううッ……」
決死の覚悟で排泄器官を抉っていく。放射状の窄まりは意外と簡単に開き、舌先を受け入れていった。
(苦い……臭い……ううっ、気持ち悪いよぉ)
心のなかで弱音を吐きながら、アナルの内側をヌメヌメと舐めまわす。頭の芯がジーンと痺れて、いよいよ思考能力が途絶えようとしていた。
「その調子で舌を出し入れしてください。ピストンするみたいに……おおうっ」
「ンふっ……むふンっ……こ、こうですか?」
「そうだよ、極楽だ。むむっ、たまらん、アナルが蕩けそうだよ」
黒木の声が大きくなる。射精が近づいているのかもしれない。沙緒里は無意識のうちに舌の抜き差しを加速させた。
「くおっ、すごいぞ。母娘にチンポとケツ穴をしゃぶらせてるんだ。おおおっ、もうすぐイキそうだ」
肥満体がブルブルと震えだす。黒木は切羽詰まった声をあげると、背後に腕をまわして沙緒里のポニーテイルを鷲掴みにする。そして肛門から引き剥がすと、フェラチオをしている由香里の隣へと力まかせに引きずった。
「きゃっ……い、痛いですっ」
沙緒里は小さな悲鳴をあげるが、もちろん聞き入れてもらえない。と、その直後、黒木は母親の口からペニスを引き抜き、いきなり射精を開始した。
「出しますよっ……ぬおおおおおッ!」
大量の白濁液が、まるでシャワーのように母娘の顔面に降り注ぐ。ゲル状のザーメンが二人のスッと通った鼻筋に、滑らかな頬に、そして瑞々しい唇にベチャベチャと付着した。
「美人母娘の顔面シャワーだ。フハハハハッ、こいつは愉快ですよ」
黒木の豪快な笑い声が、ホテルの豪奢な一室に響き渡る。嗜虐欲が満たされたのか、脂肪で弛んだ腹を大きく揺らしていた。
「あ……ああ……」
「うっぅぅっ……こんなのって……」
由香里が呆けたような声をあげれば、沙緒里はこらえきれない嗚咽を漏らす。
母娘の胸に去来するのは、父親のリストラを防げた喜びではなく、理性まで破壊するような深く暗い悲しみだった。
3
母娘によるダブルフェラで射精したが、黒木は満足したわけではなかった。
還暦を越えているにもかかわらず、男根は激しくいきり勃っており、まるで青竜刀のように反り返っていた。
牛島はソファにどっかり腰掛けたまま、いっさい口を開かない。社長の邪魔をしないように、ただ黙って母娘が陵辱される様を眺めていた。
「そろそろ本題に入ろうじゃないか」
黒木は浮かれた調子でワイシャツと黒靴下を脱ぎ捨てると、ダブルベッドの上に仰向けになった。
「二人とも下着を取って、ベッドにあがりなさい」
予想はしていたが、やはり実際に命じられるとショックは大きい。母娘揃って犯されるのは間違いなかった。
「や……怖いよぉ」
沙緒里はベッドサイドに立ちつくして、思わずぽつりとつぶやいた。すると、やさしく肩を抱かれて、にわかに心が温かくなった。