母娘喰い 奪われた媚肉

「ううっ……」

浩志はまだしゃべれないらしく、苦しげな呻きを漏らしている。紺色のスーツ姿のまま縛りあげられて、ベッドの脇に転がされた。

「や……やめてください」

訴える声が掠れている。鏡を見なくても顔面蒼白になっているのがわかった。沙緒里も怯えたように肩を竦めて、小刻みに震えていた。

「う、牛島さん……どういうことです?」

浩志がようやく口を開くが、殴られた腹部が痛むらしい。聞き取りにくい唸るような声だった。

「まだわからないのか? 課長さんよ、あんたの奥さんとお嬢ちゃんは、俺のものになったんだ。もう数えきれないくらいオマ○コしたんだぜ」

牛島は目を剥いて、これまでの経緯を話しはじめた。

引っ越しの夜に初めて由香里をレイプしたこと。有休を取っていた翌日にフェラチオを仕込んだこと。さらにその翌日には沙緒里のヴァージンを奪ったこと。そして母娘そろっての連日に渡る調教……。脚色せずとも壮絶すぎる真実だった。

予想していたとおり、浩志は激しいショックを受けていた。

目を大きく見開き、ベッドの上の妻と娘を見つめている。牛島の話を否定しようと思っても、二人は全裸に剥かれているのだ。真実だということを受け入れつつあるのかもしれなかった。

「許して……ああ、許してください……」

由香里の唇から、こらえきれない嗚咽が溢れだす。隣に横たわっている沙緒里も、大粒の涙をポロポロとこぼしていた。

「由香里……どうして謝るんだ……由香里ぃっ!」

浩志の悲痛な叫びが夫婦の寝室に響き渡る。恐ろしい真実を明かされて、動揺を隠せずにいた。

「奥さん、こんな馬鹿亭主は放っておいて、今日は新しい快感を教えてやるよ」

牛島が紙袋を手にしてベッドにあがってくる。そして、四つん這いになるよう由香里と沙緒里に命じるのだ。

「ほら、旦那のほうを見てケツを並べるんだ」

命令口調で言われると、条件反射的に身体が動いてしまう。もうどうにもならないという諦念が、思考能力を確実に鈍らせていた。

由香里と沙緒里はのろのろと身を起こし、ベッドサイドに転がされている浩志を覗きこむような格好で四つん這いになった。

「ゆ、由香里……う、ウソだよな?」

夫の声がひどく弱々しく聞こえた。スーツ姿で縛りあげられており、手も足も出ないのは一目瞭然だった。

「浩志さん……もう、ダメなんです」

由香里の胸のうちは、申し訳ない気持ちでいっぱいだ。しかし、夫に対する落胆も急速に膨らんでいた。

こうして拘束された夫の姿を見おろしていると、なおのこと絶望が深くなる。とてもではないが、陵辱魔から救ってくれるとは思えなかった。

「パパ……黙っててごめんなさい……でも、助けてほしかった」

沙緒里が淋しそうに、そしてどこか責めるようにつぶやいた。

父親の情けない姿に幻滅しているのかもしれない。すべてを諦めて、捨て鉢になっているようだった。

「沙緒里ちゃん、ママがいっしょ──あひいッ!」

由香里の声は、途中から裏返った嬌声に変化した。肛門になにか細い物を挿入されたのだ。直後に冷たい液体がチュルッと注ぎこまれる感覚に襲われた。

「ひうッ……やっ、な、なに?」

恐るおそる背後を振り返ると、凄絶な笑みを浮かべた牛島の顔があった。

牛島は肛門から引き抜いた物体を見せつけてくる。それはピンク色の小さな卵形をしており、ノズルのようなものが飛びだしていた。

「浣腸だよ。市販の使い捨てのやつな。まあ三個くらいでいいか」

軽い調子で言うと、新しい浣腸を再び由香里の肛門に突きたててくる。そして間髪容れずに薬液を注入するのだ。

「ひいッ、やめて、あううッ」

初めて浣腸を施されるおぞましさに、由香里は涙を流しながら首を左右に振りたくった。卑劣な男に肛門を悪戯されて、しかもそれを夫に見られているのだ。これほどの屈辱はかつて体験したことがなかった。

「う、牛島さん、妻になにをしてるんですかっ」

浩志が床の上で身悶えする。しかし、この期に及んで陵辱者を「さん」付けで呼んでいることが、聞いていて腹立たしかった。

「クククッ。奥さん、旦那に見られながら浣腸される気分はどうだい?」

牛島は三つ目の浣腸をアナルに注ぎこみながら、さも楽しそうに尋ねてくる。その悪辣さが、ただただ恐ろしかった。

「み、見ないでください……ううっ、もうやめてぇっ」

シーツを強く握り締めて訴える。冷たい薬液が直腸内に入ってくる感覚はあまりにも強烈だ。逃げたくても、肛門を貫かれていると身動きが取れなかった。

「さてと、次はお嬢ちゃんの番だよ」

「や……ま、ママ、助けて──ひあッ!」

沙緒里の唇から悲痛な声が溢れだした。浣腸のノズルを挿入されたのだ。薬液を注入されているのか、顎が跳ねあがって背筋がググッと反り返っていく。愛らしい顔に浮かぶ苦悶の表情が痛々しかった。

「沙緒里っ……沙緒里ぃっ」

浩志はなにもできず、芋虫のように床の上で身悶えするばかりだ。呼びかける声が虚しく寝室に響き渡っていた。

だが、沙緒里が助けを求めたのは目の前で転がされている父親ではなく、隣で浣腸を施されている母親だ。すでに父親の威厳は地に堕ち、なにも期待していないのかもしれなかった。

「やめてくれ、牛島さん、娘には手を出さないでくれぇっ」