放課後の蜜肌教室 人妻女教師と優等生

大きく突きだした胸の双丘やくびれた腰が美しい稜線を描いている。出るべきところはまろやかな肉に包まれて張り出しているが、首筋や四肢、腰などはほっそりとしていた。

(うわ、真弓先生の水着姿、めちゃくちゃいやらしい……!)

興奮に胸を熱くしているのは幸太だけではない。クラス中の男子生徒が真弓の競泳水着姿に釘付けだった。授業そっちのけで真弓のグラマラスな肢体に熱い視線を注いでいる。

「あ、浅野くんは、水泳は得意?」

プールサイドで新藤百合が話しかけてきた。おとなしい性格の女生徒でまともに会話をしたことは数えるほどしかない。新藤さんから話しかけてくるなんて珍しいな、と思いながら、幸太が首を左右に振る。

「実はあんまり得意じゃないんだ。運動はどうも苦手で……。新藤さんは?」

かといって勉強が得意というわけでもないが。基本的に幸太には取り柄らしい取り柄はなにもなかった。

「わ、私は一応、水泳部だから……泳ぐくらい、なら」

か細い声で百合が答える。真弓とは対極といっていい、おとなしい受け答え。風邪でも引いたのか、なぜか頬のあたりが赤く染まっていた。

ばしゃん、とプールのほうから音がして幸太は振り返った。

真弓が見事なフォームで飛びこみ、背泳ぎを披露している。すらりとした両腕を交互に旋回させ、素晴らしいスピードで進んでいた。舞い散る水しぶきの中、豊かに膨らんだバストが勢いよくはずむ。

「真弓先生、格好いいな。やっぱり憧れちゃうよ。ね、新藤さん?」

「浅野くん……」

百合の声音に寂しげな響きがまじったが、そんな微妙な感情の変化に幸太は気づくことができなかった。ただただ真弓の姿に見とれ、完全に心を奪われていた。自分はこの素晴らしい女性と身体を重ねたのだと思うと、少年らしい自尊心を強くくすぐられる。

泳ぎ終えた真弓がプールサイドに上がった。

水に濡れたことで、ただでさえ身体にフィットしていた競泳水着がますます肌に張りつく。競泳水着を内部からぱっつんぱっつんに押し上げている胸元はいかにも窮屈そうだった。プールサイドに足をかけて一気に立ち上がると、反動で左右のバストがダイナミックに揺れる。

「お、おい、すごいな真弓先生。胸とか何カップあるんだよ」

隣にいた男子生徒のくすのが話しかけてきて、幸太は熱っぽくうなずく。

「たしかEかFくらいって言ってたような」

「へっ、なんでそんなこと知ってるんだ? たしかにそれくらいはありそうだけど……」

「あ、い、いや、僕の想像だよっ。でも本当にすごいや」

訝しげな楠木にあわててごまかしつつ、幸太は身を乗り出して真弓の艶姿を引き続き見つめる。

下半身に目を移せば股の部分が肌に激しく食いこんでいた。ハイレグ水着同然に鋭角のVの字を描き、尻の双丘はなかば以上むき出しになっている。ぷりぷりした左右の尻肉は濡れて、美しい光沢を放っている。

真弓は優雅な手つきで尻の割れ目に食いこんだ水着を元通りになおした。

(ああ。こんな姿を見せられたら、たまらないよ)

幸太は下腹に血流が集まっていくのを自覚する。十代の海綿体は敏感に反応し、たちまちにして膨張現象を起こし、恥ずかしくなってあたりを見回した。

他の男子生徒たちもいちように前かがみの姿勢を取っていた。おそらく真弓の妖艶すぎる水着姿を見て勃起しているのだろう。

「浅野くん、そこのタオルを取ってちょうだい」

真弓の指差した先には、プールサイドに置いてある大きめのスポーツタオルがあった。幸太は小走りでタオルを取ってきて、プールの縁に座っている真弓の元へ向かう。

「ありがとう」

真弓は礼を言ってタオルを受け取ると、ふいに顔を近づけてささやいた。

「今日夜の八時になったらこのプールに来てちょうだい。待ってるからね」

耳朶をくすぐる甘い誘惑の言葉に、幸太は胸をとくん、と高鳴らせた。

幸太は帰宅部のため、放課後になると後は家に帰るだけだった。まっすぐに続く並木道を上機嫌で歩いていく。学校から歩いて十五分ほどの場所にある小さなアパートが幸太の家だ。実家が県外にあるため、学校の近くにアパートを借りて一人暮らしをしているのだった。

──夜の八時になったらプールに来てちょうだい。

真弓の声が今も耳の内側で反響していた。いったい何をするつもりなのだろうか、と淫らな期待で胸が高鳴る。置時計に目を向けるとまだ夕方の四時だ。時間が経つのがやけに遅く感じる。

早く、早く……初心な少年の祈りとは裏腹に時間はゆっくりと過ぎ去っていく。ジリジリとした気持ちで待ち続け、ようやく七時半を回ると幸太は私服からもう一度学生服に着替えた。

脱兎の勢いでアパートを飛び出し、全速力で走って学校まで着いた。指定された時刻より十分以上早いがかまわずプールへ向かう。更衣室を抜けてプールへ続く扉を開く。鍵は開いていた。

「あれは──」

どくん、と心音が高鳴る。

夜のプールサイドに競泳水着姿の女が腰かけていた。月光を浴びて豊満そのものの肢体が青白く輝いていた。幻想的な美しさに幸太は立ち尽くした。

「待っていたわよ、浅野くん」

真弓が水際を蹴たてて立ち上がった。競泳水着はプールの水をたっぷりと吸ってメリハリのあるボディにぴったりと張りついていた。授業で見たときと同じ、凹凸のはっきりした煽情的な身体。