放課後の蜜肌教室 人妻女教師と優等生

「ごめんなさい……先生」

幸太はうなだれ、素直に謝った。真弓が深々とため息をつく。

「それが君の答えなのね、浅野くん。あたしよりあの子を選ぶっていうこと? あたしみたいなオバサンより若い子のほうがいいのね」

真弓がさらに怒りを燃やす姿が目に浮かぶようだ。怒声を浴びせられることを覚悟し、幸太は身をこわばらせた。

が、予想に反して女教師の言葉は優しかった。

「ま、だから君を責めるというわけじゃないのよ。あまりおびえないで浅野くん。ちょっと言葉が強かったかしら」

真弓が小さく苦笑し、それから初めて見る自嘲気味な顔で続けた。

「年甲斐もなく嫉妬しちゃったわね、ごめんなさい。君はまだ若いもの。あたし一人じゃ満足できなかった? それとも若い子のほうが好みだった?」

「ち、違います! 僕は真弓先生のことを──」

年齢などで真弓を百合よりも下に置くつもりはなかった。

幸太に女体を教えてくれた恩人であり、憧れの相手であり、そして大好きな先生だった。それは今も変わらない。こうして向き合うだけで胸が痛くなるほどに、気持ちが昂ぶってくる。

「もし君が、あたしよりもあの子と付き合いたいのなら遠慮なんてしないで」

真弓がほんの少し悲しげな表情でつぶやいた。

「あたしは人妻だし君よりずっと年上だから……若い浅野くんを束縛することはしたくないの」

(僕は……真弓先生を傷つけてしまったんだ)

幸太は女教師の言葉に大きなショックを受けた。

百合の告白に心を動かされ、その想いに少しでも報いようと彼女を抱いた。純情な少年らしい衝動のままの行為だった。そのことを知れば真弓が悲しむだろうという当たり前の事実すら、頭から消し飛んでいた。

「か、彼女はいい子よ。浅野くんもなかなか女の子を見る目があるじゃない。ふふ、先生としても鼻が高いわよ」

悲しみを抑えるためか真弓はあえて明るく振る舞っているようだ。それでもわずかに声音が震えているのを幸太は聞き逃さなかった。真弓が踵を返し、その場を去ろうとすると、

「ま、待って!」

幸太は無我夢中で追いかけた。すらりとした長身を背後から抱きしめる。無理やり彼女の顔を向かせて力ずくで唇を奪う。

「んうっ……は、離してっ! なにするのよっ」

「嫌だ、離さない!」

幸太が叫んだ。今さらながらに、真弓を深く傷つけてしまったことを悟る。

だが──だからこそ彼女に少しでも埋め合わせをしたかった。自分にできることはなんでもして、ほんの少しでも真弓の気持ちを癒したかった。

身勝手な男の論理かもしれないが、それが幸太の偽らざる気持ちだ。

真弓を抱きしめ、腕の中でもがく女教師を無理やりに抑えこんでキスを続ける。抵抗されたってかまわない。自分の思いのありったけをぶつけるために唇を重ね続ける。

「んぐっ……う、むっ、んんんっ……」

長い──永いキスを終えてやがて唇が離れた。

「……本当はあたしだって、君と離れたくなんてないわ」

真弓が両肩を震わせてうめく。勝気な女教師の瞳はかすかに潤んでいた。

「あたし一人で満足できないなら仕方がないと思う。でも、あたしのことも忘れないでほしい。……寂しかったのよ」

「先生……ごめんなさい。僕、先生のことを忘れてないよ。いつだって……」

「本当? ううん、嘘でもいい。浅野くんが傍にいてくれるなら」

「嘘じゃないよ。今だって……ずっと好きだから。だから、いつもの先生らしくいてほしい」

儚げな顔でうつむく真弓に幸太が必死で呼びかける。ここできちんと自分の思いをつたえないと、この世で一番大切に思っている女性が目の前からいなくなってしまうような気がした。

「僕は、いつもの真弓先生が一番好き」

「あたし……らしい? そっか、そうよね」

真弓は小さく息をつき、そして口元に微笑を浮かべた。

その笑顔を見た瞬間、ああこれなんだ、と幸太は心の中で悟る。

(こんなふうに自信とか知性に満ちあふれた顔に、僕は憧れたんだ)

「ふふ。悪いと思っているのならもっと君を味わわせて。年下の女の子なんかには負けない。あたしのほうが、君を悦ばせてあげられるのよ」

真弓はおもむろに幸太のズボンとトランクスを下ろすと、肉茎に指を這わせた。白魚を思わせる細くしなやかな指先だった。紅の爪先で亀頭を軽くはじき、指の腹で先端から根元に沿って撫でていく。

男の生理を知り尽くした愛撫に幸太は四肢を震わせた。

「ううっ……き、気持ちいい」

目の前が赤いカーテンで覆われていくような愉悦と、重力を失って身体がふわふわとするような浮遊感を同時に引き出される。やはり真弓のテクニックは格別だ。

「ふふ、じゃあこういうのは、どう?」

真弓の指戯はまだまだ止まらない。むしろこれからが本領発揮だとばかりに高校生の少年を責めたてる。その巧みさは百合とは比べるべくもない。

右の手のひらでペニスを包み、上下にスライドさせた。甘い摩擦感に酔わされたところで今度は真弓の顔が亀頭へと近づいてきた。かぷっ、と音をたてて先端をくわえこむ。

「はぁっ、あ、ぁぁっ」

三十二歳の人妻の技巧に幸太は翻弄されっぱなしだ。真弓が長い舌を肉エラに巻きつけてきた。ねっとりとした舌肉の感触に先端部が爆発しそうなほど火照りだす。